イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

家を離れる理由があった、晴天続きの週末に行った北西部有数の海浜行楽地、ブラックプール

2024年05月23日 04時51分52秒 | イングランド北部

先週金曜日から日曜日にかけての週末、英国北西部で最大の「大衆的な享楽地」、通俗な海辺の観光地、ブラックプール Blackpool に行ってきました。

 

帰宅したのは日曜日の夕方、連日晴天のブラックプールに2泊しました。

娘が週末に自宅でインターネットゲームの会合(合宿)をするので、私たち両親は2晩だけ家をあけ渡したのです。

なぜ、ブラックプールか...はずみで決定したようなものでした。

自宅の最寄り駅のある路線の終着駅が、バクストン Buxtonと、ブラックプール・ノース Blackpool North 。バクストンは20分ほどで着く山岳地帯(ピーク・ディストリクト)の鉱泉の湧く古い町、しょっちゅう行っています。泊まるほどの距離でもありません。

じゃあ、電車で1時間40分、泊まる意味は大いにある、反対方向の海辺の町、ブラックプール...選択肢の貧しい深く考えない決定でした。何回も行っています。ストックポート日報でも記事にしています。

金曜日の晩から宿泊するホテルの予約をしたのが木曜日の午後。部屋を埋めるための直前格安価格でダブルサイズの「海の眺望付き sea view 」とうたった、ダブルルームが予約できました。

 

終点駅、ブラックプール・ノースから海岸に向かって少し歩き、海岸沿いを北(右)にホテルまで30分以上も歩きました!

 

海岸沿いの遊歩道 promenade です。上の車道から浜ベまで何層も道があります。

ずい分歩いてから、町の中心を振り返ったところです。

 

車道から1段下がった通りには数十メートルおきにへっぽこギリシャ神殿のような柱が並ぶ、風よけ休憩所のような車道の下のくぼみがあります。そこを通ってスロープを上がれば車道に出られるのですが...

ボロッボロ。

1930年頃のコンクリート製です。最後に修繕したのはいつ?

 

海岸沿いをブラックプール名物のトラム tram(路面電車)が18kmにわたって走っています。

 

私たちがとまったクリフス・ホテル Cliffs Hotel はトラム停車場のすぐ前でした!乗ればよかった!!

時刻表の上では15分間隔ですが、特に観光客が多い時期などは5~8分間隔で頻繁にやってくるトラム、1日乗り放題 Day rider チケットがたったの6ポンド60ペンス!3日間の滞在中、大いに利用しました。

 

1920年代ごろ建造の、建物がリッパなクリフス・ホテルですが5☆が満点の公式評価ランキングが「☆☆(星二つ)」の低さ(その実、清潔で快適でした)。

客層も典型的な「ブラックプール常連」タイプの庶民的な人ばかりでした。(日焼け効果メイクに頭のてっぺんで髪をまとめた女性やサッカーチームのトップを着た男性...いずれも肥満体...と言った見かけが代表例の)

町で働く「労働者階級」が海辺の町に遊びに行くのが流行り出したのは鉄道での旅行が身近になった1930年代ごろ。英国中どこでも同じような現象が起こっているはずです。特にここ、マンチェスターを中心に(綿)工業が非常に発展した北西部では労働者人口は群を抜いて多かったのです。そして必然的に、鉄道の便のいいブラックプールの観光地化がー極集中的に発展しました。

 

 

海岸沿いをホテル目指して歩き始めたあたりで、町の中心を振り返って写真を撮ったら、知らない人がポーズをキメてくれました☟

 

(ちなみに、英国では労働者階級は山岳地域での休暇は好まないという偏見めいた通説があります)

ヨーロッパ大陸への航空旅行が身近になった1970年代には、ギリシャやスペインなど暑くて物価の安い地中海沿岸国での海辺のホリデーがー般化しはじめ、英国内の海岸の観光地としての人気がどんどん下がりはじめます。

ブラックプールにも盛衰はあったようですが、それでも遊園地やゲーム・アーケード(ゲームセンター)などの享楽設備とナイトライフ、そして特筆ものの演芸・パフォーマンスの充実ぶりなど、庶民階級をひきつける娯楽要素たっぷり、現在でもじゅうぶん賑わっています。

 

実はストックポート日報は、「イギリス観光ブログ」なのです。ご存知ない方も多いでしょうけど。

原点に立ち返って、次回からは観光案内記事をしばらくお送りします。

 

夜の9時、ホテルの部屋の窓から水平線に沈む美しい夕日が連日見られました。

「地球の歩き方」にも載っているはずのブラックプールは格好の観光ネタ!

ただ、ブラックプールには ... 日本人に人気のロンドン、コッツウォルズや湖水地方、オックスフォードやケンブリッジなどと違い、古い街並みや文化、自然景観の美しさやショッピングの楽しみ...など、ー般の日本人が期待する観光要素が圧倒的に欠落しています!

それでも、長く滞在する機会がある方にはぜひぜひ寄ってみてほしい、ー味違う英国体験、いかがでしょうか。英国人の生活を理解するうえで欠かせない見ものがたっぷりです!

海水浴シーズン前の、長い長い海岸(フィルダ・コースト Fylde Coast ) の海の景色は圧倒的に素晴らしかったですよ。

 

 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
犬と暮らす日々 (浅井洋)
2024-05-23 11:53:20
blackpool
 日本語にすると 出かけにくい 場所みたいな
  感じが するのでしょが
   英語では しゃれた 響きなんでしょうね
 庶民の休暇の場所として
  発展したのでしょね
昔の 熱海かも 知れませんね
浅井さんへ (江里)
2024-05-25 05:32:45
浅井さん、
「出かけにくい場所」?なんで?あっ、ブラックプール、黒いプールですか、その発想はなかったです!聞きなれた地名なので意味なんて考えたことはなかったです。
広島だって「広い島」なんて連想しませんよね。ヒロシマはヒロシマ。
熱海(熱い海!!)は子供のころ行ったはずですが何をしたか記憶にありません。日本の温泉地って、そもそも子供には楽しくない場所だと思います。ブラックプールは遊ぶところがいっぱいあります。
「昔の熱海」って...今は、さびれちゃったのでしょうか。
犬と暮らす日々 (浅井洋)
2024-05-25 17:00:24
3年位 前に 土石流で30名程  亡くなって
その 盛り土が 違法 積み上げだったと して
熱海の すぐ 東の沢? 伊豆山で まだ ゴタゴタしてますので 熱海に 旅行は 行きにくいですよね
犬と暮らす日々 (浅井洋)
2024-05-25 17:04:24
僕が 子供の頃60年以上前
  父母に 連れられて 行った 熱海は
   その 思い出は 楽しかった ですよ
 お宮の松とか 言って
  金色夜叉 寛一お宮の2人ずれ と
    子供心に 父が歌ってたの 覚えてます

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