イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ブラックプールの一番新しいピア、海辺の週末

2024年05月27日 00時22分26秒 | イングランド北部

イングランド北西部最大の海辺の観光地、ブラックプール Blackpool観光案内、続きです。

 

ブラックプールには英国の海辺の休暇シーンにはなくてはならない遊興施設「ピア(遊歩桟橋)」が3本もあります。

ー番古いノース・ピア the North Pier 。☟☟

前回までのブラックプール記事のリンクです☟

家を離れる理由があった、晴天続きの週末に行った北西部有数の海浜行楽地、ブラックプール

かつてのお金持ちの海岸保有地、ブラックプールの古き良き時代の面影を残す古い桟橋

南下するにつれ大衆化がすすむブラックプールのピア2本目

ー番南のサウス・ピア the South pier は一番新しいピアです。...と言っても完成は1893年。19世紀も末、お金持じゃなくても海辺で休暇が過ごせるようになってき始めた頃でしょう。

それでも、工場などで働く労働者階級がおおぜいブラックプールにやってくるのは、鉄道が普及した1920年以降ですから、まだまだ先ですね。

大衆娯楽路線を前面に押し出した、サウス・ピアの入り口です。

「家族向けファンフェアfunfair(=小規模の移動遊園地)入場無料」と書かれています。

「ファンフェア」の写真は撮りませんでした。

 

土曜日に、1日乗り放題のトラム(路面電車)のチケットを使って、南端の終点まで行ってみました。

トラムの終点はサウス・ピアを通り越し、10分ほどの海岸線を少し離れた住宅街の中にありました。1度降車してまた乗り直し、町の中心まで戻り、夫がビールを飲みたがったのでサウスピアに入ることにしたのです。私は お酒が飲めない人がパブで注文する定番 のフルーツドリンク、J2O (ジェイトゥオー)でお相伴です。

 

ゴーカートやジェットコースター、回転木馬などなど、派手にペイントされたレトロで小規模なライド(乗り物)が盛りだくさん。1枚1ポンド10ペンスのチケットを何枚か買い、ライドごとに違う数だけ渡す仕組みです。

ライドに乗れるのは子供だけ、なのはちょっと特筆ものです。

海に突き出した後半分がファンフェアのエリアで、残りはホットドッグや揚げたてドーナツ、アイスクリーム、チップス(ポテトフライ)、綿あめなど身体に悪そうなスナック類を売る楽しい出店や、ぬいぐるみなどが景品にもらえるにぎやかな縁日の屋台風のゲーム設備がありました。

写真を撮るのを忘れた...

ジプシーの手相占い!(写真はサウスピアの宣伝ウェッブサイトから勝手に借りました)

これ...当たるんですよ。

30年以上前、北東部の海岸地、スカーボローのずらりと並んだ小屋掛けの一軒で水晶玉をのせたテーブルを前に、貫禄のあるおばあさんに手相を見てもらいました。学生時代です。前の夫との結婚、離婚、そして再婚を予言されました。(ドンピシャリです)その10年近く後、まだ結婚していなかった今の夫と2人の子供とスカーボローに行った時に、また見てもらいたくて、あのおばあさんを探したのですが見つかりませんでした。ジプシーの不法ビジネスは町から撤退させられ、市の鑑札を受けたジプシー占いだけが許可を得て店開きをしていたとのことでした。

けっきょく、夫にバカにされつつ見つけ出した別の「認可」ジプシー占いになにも事情を話さずにみてもらったら...「今の相手はいい人だから信頼してよし」とお墨付きをもらいました。それを夫に伝えるとひどく感激して「見てもらってよかった」と態度をがらりと変えて喜んでくれました。結局そのあと結婚して今にいたります。

金曜日のセントラル・ピアのファンフェアはガラガラでしたが、さすがに土曜日、シーズン前だとは言え子供連れでけっこうにぎわっていました。

アストロターフ(人工芝)を敷き詰めた屋外バーでー休みしました。

暑くも寒くもなく、潮風が顔にあたり気持ちよく過ごせた屋外バーでした。が、やはりサービスなのでしょう、ポップミュージックが大音量で鳴り響いていました。

いちばん最初の写真は、このバーから撮った町の中心部の眺めです。見えているのは真ん中のセントラル・ピア。

定期的に、震度1程度の微震のような揺れを感じました。グラスに入った飲み物の表面にもさざ波が立っては消えます。砂浜の上7mぐらいの高さに築後百数年たった細い鉄の脚で支えられた床がいつ崩れてもおかしくない気がしてきて不安になりました。夫は、私も揺れを感じると知ってホッとしていました。細かな揺れが体調不良のための目まいなのではないかと心配になっていたそうです。

 

セントラル・ピアの「付け根」の部分の屋外バーも、このバーも使い捨てではないしっかりした造りのプラスチック製のグラスを使っていました。「酔った勢いのケンカの武器に使われないように、治安の悪いエリアのパブはプラスチック製のグラスを使う」と夫が言っていましたが...ガラスの破片が砂浜に落ちたら危険ですよね。海浜エリアならではの安全策でしょう。

 

サウス・ピアの鉄柵はすべて味気のないこの「グリッド(建てに並ぶ棒)」タイプでした。

19世紀、ビクトリア時代の建築の面影は全くなし!

 

土曜日の午後、サウス・ピアのあたりの砂浜やファンフェアにはなぜか、ヒジャブをまとった女性を含むムスリム(パキスタン系)の人々をものすごく多くみかけました。子だくさんの家族のほか、年齢まちまちの女性ばかりのグループも多かったです。

イスラム教の祭日か何かなのか?わかりません。独自の言語で話している集団もあり、ー般の英国人はなんとなく敬遠しているようでした。

私たちが夕食を終えた日暮れ後には、日中あれほど多くいたムスリム集団が完全に消滅していました。

そう言えば日没後、外出しているムスリム女性を見かけないのは国中どこも同じです。男女問わず飲酒は宗教上のタブーですし、飲んで浮かれている人たちとの同席も避けているのかもしれません。日帰りの人は帰宅、泊まりの人はホテルに引き上げたのでしょう。

土曜日の夜、海辺の歓楽街でナイトライフを楽しむ英国人のはしゃぎぶりと好対照です。

結婚を間近に控えた女性を囲んで女性だけで夜の町に繰り出すヘン・ナイト hen night (メンドリの夜会)の集団や、その男性版のスタッグ・ナイト stag night (雄鹿の夜会)と思われる男性グループにもたくさん遭遇しました。ブラックプールはそういう需要も満たす町らしいです。

ノース・ピアで見かけた「bride to be もうすぐ花嫁」と書かれたタスキに友人たちに贈られたベールとティアラ、無駄にセクシーなドレス...と非常にわかりやすい身なりの花嫁を擁するヘン・ナイトの集団です☟

男女別に集まる結婚の前祝いの集団は道で歌をうたったりダンスをしたり、おどけたポーズで写真を撮ったり大はしゃぎでしたが迷惑ではありません。むしろ周りはほほ笑ましく見ていたはずです。祝福の言葉をかける通りがかりの人もたくさんいました。

英国に来てから34年... 私は道やベンチや電車の座席で酔いつぶれて寝ている人を見かけたことがありません。道に残ったゲロは見たことがありますが、公道で嘔吐している人を見かけたこともありません。

私が住んでいたころの日本では日常茶飯事でしたが。(今は違うのでしょうか)

 

ブラックプール・タワー the Blackpool Tower の向かいの金ぴかタイル張りの建物の1階は観光案内所ですが、1階が、「結婚登記所 wedding registry office」なのです。

英国では2人の証人をたてて市の係官の前で宣誓する儀式をしなければ結婚が成立しません。海の前に市役所の出張所があり簡易結婚式ができるなんてステキです!

土曜日の夜にヘン・ナイトやスタッグ・ナイトで羽目を外した翌日の午後、ここで式を挙げたメンドリや雄鹿もいたかもしれません。婚約者同士のヘン・ナイトとスタッグ・ナイトが遭遇するのは縁起が悪いそうなのですが...どちらかのグループが隣町に行けば解決!

ブラックプール、続きます。

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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犬と暮らす日々 (浅井洋)
2024-05-27 11:09:27
仲のヨロシイ事で
Unknown (kakowaka)
2024-06-02 21:25:08
イギリスでも手相を見るんですね。
ジプシーさんの手相占いは日本のものと同じようなものなんでしょうか…
なんだか、洋の東西を問わず、人間は似たような事をするんですねぇ。

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