イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

たまにだったら楽しめるスペインに住む息子が懐かしがる英国のこってり料理のお相伴

2023年09月06日 04時51分13秒 | 英国の食べ物、飲み物

昨日も気温は27℃ほど、空気が乾いた晴天で暑かったです。30℃越えの日本の皆様、残暑お見舞い申し上げます。

英国に帰省中、寒い寒いとこぼしていた息子は自然発火で山火事がおこる酷暑のスペインに戻って今さらながら故郷の涼しさのありがたみをかみしめているところでしょう。

バルセローナでシェフ(調理師)をしている息子のために私が作ったロースト・チキン roast chiken です。

英国では、日曜の午後の「サンデー・ロースト」としておなじみのロースト・チキンは手順がややこしいわけでも、材料が手に入りにくいわけでも何でもありません。チキンはスペインでも手に入りやすい食材だそうですし。

 

夫が(ただ一人)ベジタリアン...正確には(タコ、イカを除く)サカナを食べるペスカトリアンの我が家で、私と娘の二人だけのために丸ごとチキンをローストするのはおっくうです。たくさん食べる息子が来たからには...!と張り切って4~5人前の中サイズのチキンを買いました。

午後、外出先の息子から「夕食に帰れない」という連絡がありました。まあ、想定内の出来事でした...チキンを焼く手間は2人前だろうが3人前だろうが同じです。全く困りません(ただ、残念)

食卓の写真を撮って、お友達の家に集まって宅配ピザか何かを食べているという息子に送りつけてやりました。

食事をしないのにわざわざテーブルにのせた息子のディナー・プレートの写真も送ってやれ、と夫が言うのでそうしました。

「丸ごとチキンのロースト英国家庭流」を家族と食べる機会を逃した、スペインで一人暮らしの息子は残念がってくれましたが、1年ぶりに仲良しの友人たちと深夜まで集まる機会をもてて、嬉しそうでした。

すすんで食卓でチキンを切り分けてくれるのはチキンを食べないベジタリアンの夫です。申し訳ないのですが ... なぜか、欧米では肉の切り分けとバーベキュー調理は昔から男性の役割なのです。

以前、当時は男の子だった娘にその役割を引き継がせたのですが、どうにも危なっかしくて、やっぱり今も夫が切り分けて私たちの皿によそってくれています。

 

娘も私もそれほどたくさん食べられません。さすがにかなりの量が余りました。

深夜、帰宅した息子は冷蔵庫にしまってあったチキンのあまり(のごく一部)と冷えてプリプリ煮凝り状になったチキンの脂とグレイビーでサンドウィッチを作って食べたようです。

グレイビー gravy(たれ)も、即席顆粒「グレービーの素」に、水は一滴も加えず、ロースト中のチキンから出る「チキン・ジュース(チキンの脂)」だけで溶きました。冷えたら当然ゆるくかたまります。

翌朝は余ったご飯といっしょにチキンの脂で炒めてチキンチャーハン!私にも勧めてくれましたが、さすがに朝からこってりチキン料理は喉を通りません!味見だけして遠慮しました(おいしかったです)

翌日は、私がS&Bカレーの固形ルーを使って日本のカレーを作りました。

チキンに詰めてローストしたため脂を吸ってドロドロになったタマネギを入れ、コクはたっぷり。ほぐしたチキンの身をやっと使い切りました。

夫には冷凍のむきエビをたっぷり入れたあっさり目カレーを作りました。最初に大鍋で両方のカレーソースを作り、最後に2つの中サイズの鍋にわけて調理します。

英国では、クリスマスに食べたターキーのあまりを使ってつくる年末年始のターキー・カレーがおなじみです。タマネギをカレー粉で炒めて缶詰のトマトを加えて煮つぶす英国式のカレーですが。

取り切れない肉が少し残った骨と皮を弱火で煮込んでプルンプルンのスープストックを少量作り、冷凍してあります。

 

スペインでも比較的簡単に手に入るらしい...

大豆を甘いトマトソースでやわらかく煮たベイクト・ビーンズ baked beans の缶詰もたくさん買っておきました。イングリッシュ・ブレックファーストでおなじみです。普段はスーパーマーケットの格安自社ブランドを買って食べている私たちですが、海外から帰省する息子を歓迎するため、トップブランドのヘインツ Heinz を買っておきました。(写真は割高の一回分量の缶詰です)

 

ベイクト・ビーンズの古い写真を見つけました☟。パンデミック前に帰省した息子が私に作ってくれた略式イングリッシュ・ブレックファーストです。

トーストを、炒めたベーコンからしみだした脂に浸してこんがりと炒めてあります!!

帰省中もトレーニングを怠らないアマチュア・ボクサーの20代の息子と同じものを還暦の私が食べていいことなんか、あまりないですね。

若い男性はどうしてこんなにこってり料理が好きなのでしょうか。いつまでもこんなものばかり食べていていいわけないはずです!

 

夫は先週から、「1週間に70種類の野菜、果物を食べる」だけ、のへんてこりんなダイエット(食餌療法)を実行しています。

瘦身のためや健康上の問題点を改善するためではなく、「ソーセージ、チップス(ポテトフライ)、ビール、クリスプス(ポテトチップス)しか口にしない」成人病まっしぐらの英国人男性一般(誇張アリ)が食生活に責任を持つよう自覚させる健康プロジェクトの一環だとか。他に加工食品を控えるとか、紅茶を減らしてブラックコーヒーに置き換えるとか...医学的根拠のある健康法だそうです。

夫は私が料理した健康に害のあまりない食事をしているはずなのですが、とりあえず自分の分も含めて食べた野菜をリストアップする協力は申しでました。...乾燥ハーブやドライフルーツも数に入れていいということなので、意外と数は稼げるようです。

 

クリスマスに撮ったちょっときれいに盛り付けたロースト・チキンの写真です。

 

 

 

 

 

 

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4 コメント

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犬と暮らせば (浅井洋)
2023-09-06 10:52:52
やはり 家庭の味が 良いのでしょうね
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美味しそうです! (H.W.)
2023-09-07 07:55:31
詰め物をしたローストチキンなんてクリスマスみたいです!切り分けたお皿も美味しそうなこと!
そうですね、こちらでも「お肉を焼くのは男の人」というのは多いようです。うちは普段は全くしませんが、バーベキューの時だけは火起こしから全て仕切りたがります。
私はイングリッシュ・ブレックファーストが大好きなのですが、実際には旅行の時くらいしか食べません。普段は大半のこちらの人達と同様、朝食に何か調理をすることはほぼありません。
が、娘が帰って来ている時だけは、スクランブルエッグとベーコンを要求するので仕方なく。これにオレンジジュースが付くので「ホテルか?!」と思うのですが... まあ、今はもう年に2、3回、それぞれ長くて1週間程度のことなのですが。彼女自身、普段は朝食はとらないようですし、そもそも料理というほどのものはほとんどしないし、できないはずです。
江里さんはお料理がお上手なようにお見受けします。きっと手際が良い、要領が良いのではないかと。
“シェフでアマチュアボクサーの息子さん”というのも実に頼もしいですね。
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H.W.さんへ (江里)
2023-09-09 07:11:42
H.W.さん,
ポジティブなコメントありがとうございます!
お嬢さんは、オーストリア国内にお住まいなのでしょうか。お仕事されているのが頼もしいですね。
うちの娘は大学休学中で、臨時の仕事も見つかりません。休学中は学費も払わなくていいので緊張感がありません。家でお料理でも覚えてくれればいいんですけどね。復学はいつでもできるそうなのです。
私が決して上手ではないお料理をいつもやっていたためか、息子が興味をもって、職業にしてくれました。勉強は全くしませんでしたが、好きなことを仕事にできてうらやましいし、誇らしいです。
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浅井さんへ (江里)
2023-09-09 07:15:07
浅井さん、
「家庭の味」は作る側の自己満足かもしれません。
でもそう言っていただけると嬉しいです。
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