
前回の続きです。
生活雑貨の量販店、ウィルコ Wilko がうわさ通り開店していたことに、驚きです。

緩和されつつあるとはいえロックダウンがいまだに続く現在、医薬品や食料品など生活必需品を売る店以外、いっせい閉店を余儀なくされているはずなのに。
もちろん厳格な入場制限がありました。
10分並んで入店、これが目当ての、セクションです。

ウィルコは、「自家製酒(ビールとワインとシードル)づくり用品」売り場があることで愛好者の間では実はよく知られているのだそうです。
かなり特殊な需要です。
ストックポート店の酒造り用品売り場スペースはがっかりするほど小さく、しかも棚はスカスカ....。
3年前にルバーブワインを自家醸造した夫が、ヒマなので再びワインづくりを思い立ったのです
道具はすべてそろっています。
今度は正統派、赤ブドウのレッド・ワインに挑戦です。
挑戦と言ったって、以前のルバーブよりずーっとらくちんなのでした。
ルバーブワイン自家製醸造について書いた以前のストックポート日報の記事のリンクです。☟
夫がはじめてつくった自家製、ホレイシオ・ブランドのルバーブワイン、瓶詰完了!
道具はこの時(3年前)に、近所の「酒つくり用品専門個人商店」ですべて揃えました。
雑然とした店内には化学実験用品のようなフラスコやらビーカーやら小包された魔法の紛薬やら、さまざまな密閉容器(アンティーク物、多数)やら興味深いものが所狭しと並んでいましたっけ。
どれもホコリだらけで、商売が成り立っているのか心配になりました。
....その店は私たちが利用した3か月後に閉店廃業しました。
今回、主原料のグレープジュース....

...や、赤ワイン用のイースト、殺菌剤などの消耗品はオンラインの専門店で買いました。

コルクがおまけで少しついてきました。
(足りません)
夫にワインつくりについてアドヴァイスしてくれたインターネットゲーム友達が「ワイン用品を買うならウィルコが一番、もう開いているはずだ」と入れ知恵してくれたのです。
ウィルコには空の新品ボトル24本とコルクを買いに行きました。
使用済みの緑色のワインボトルをリサイクルするはずでしたが、ラベルがなかなか剥がれないので諦めました。
昔ながらの、切手にも使うアラビアゴムを使ったラベルは水につけておくとするっと剥がせるのですが、近頃のスーパーで販売されているお手頃ワインのラベルのほとんどはべっとり合成ノリを使っているらしく、紙をボロボロはがし、水につけてこするともっとネトネトしてきます。
並んで入ったウィルコの店内はガラガラ、1回に10人程度入れているらしい他の客を店内で見ることは一切ありませんでした。
中央の通路を行ったり来たりしている店員が、左右に広がる販売アイル(商品棚の間)に2人以上の客が入らないよう声をかけてまわっていました。
先週、夫が台所を突然掃除し始め....

(私が)洗った食器を乾かすために置いていたドレイン・ボードまで殺菌消毒しました。

この日は半日台所の使用禁止です。やれやれ。
ワインボトル30本分のワインが作れる、砂糖がたっぷり加えられた濃縮グレープジュースを染物にでも使うようなプラスチックのバケツにうつして、イーストをくわえ準備完了。簡単!
サイフォンの原理を利用して、テーブルにおいたバケツから床に置いた、「デミジョン」と呼ばれる1ガロン入りのボトルにビニールの管で流し入れます。

この作業は一人ではできません。
私がバケツのグレープジュースに突っ込んだ管の高さを調節して流れが止まらないように気をつけていました。
(手伝ったのはこれだけです)
これで、自然と発酵がはじまり1週間後にはワインが出来上がるということです。
本当に簡単です。
ただ、道具や作業場所の殺菌作業は時間をかけて念入りにやりました。
ワインづくりは昔からイギリスで大人気なのだそうです。
特に今、ロックダウンで家にずっといるヒマな人たちがおおぜい挑戦しています。
自家製ワインのいいところは.....経済性だそうです。
グレープジュースには酒税20%がかかりません。

そうだ、日本ではアルコール飲料づくりは許可制でしたね。
家庭での醸造は密造!で違法なのでした。
イギリスでは、ご心配なく、合法です。
ルバーブワインを作った時は大量のルバーブを洗って切って煮て濾して冷まして....とたいへんな手間でした。(私は一切手伝っていません)
ブドウのワインも本格的に手作りしたければ潰して、タネをとって、濾して.....とかなりな大ごとなはずです。
自宅でブドウを栽培している人や栽培農家から安く分けてもらえる人など以外は輸血用の血液のようなプラスチック容器入りの出来合いジュースを利用するのが一般的だそうです。
化学薬品が入っているようなプラスチックのボトルに入った濃縮グレープジュースは5リットルいりで36ポンド。

大さじにひとすくいおねだりして分けてもらいました。
プレーンヨーグルトに混ぜて食べてみたら.....

強烈に甘く、ブドウの風味は全くありませんでした。
すっぱくてあまりおいしくない(健康によい)プレーンヨーグルトがおいしく食べられましたが、このジュースだけだったら何しろ甘すぎて絶対にのどを通りません。
暖かい場所に置くと発酵が進むらしいので、デミジョン4本に詰まった甘いぶどうジュースは3階の夫の書斎の窓際に並べられました。

コッポンコッポン静かな音を立てて、コルクの栓につきたてたボコボコの管に水分があがっては落ちあがっては落ち.....
泡立ちも激しくボトルの肩の部分に音もなく寄せあげ続けます。

左端のびんのボコボコ管に赤いグレープジュースが上がってきてコポコポしているのはどうやらよくない兆候らしかったのです。
陽が当たりすぎでは....?
その通り。
涼しい一階の玄関ホールに移動です。

赤い液体のコポコポ湧きあがりはやみました。
透明な液体が上下しています。
静かな夜などコポンコボンポハポハ....と4本のボトルから揃わない発酵の音が離れていても聞こえてきます。
デミジョンに詰めてからもうすでに1週間ちょっとたちました。
あんなに甘かったグレープジュースがもうすでにアルコール度10%以上のワインになっているらしいのです。
イーストの作用で糖分がアルコール分に変化するそうです。
普通は2~3週間ほどかかるそうなのですが今回夫が買ったのは「1週間で発酵終了」の初心者むけキットです。
そろそろ、ウィルコで買った透明ボトルに詰めて(ウィルコには白ワイン用の透明ボトルしかありませんでした!)栓をする時です。
そのまましばらく置いて熟成させればもっとコクのあるおいしいワインになるのだとか。
あ、夫にたのまれていた版画のワインラベルづくりにかからねば!
6月半ばの夫の誕生日に1本あけるそうです。
かなり長いこと陽に当て続けたようなのですが飲めるのでしょうか!?
そのうち続報あり、乞うご期待。
久しぶりにコロナウィルスと関係のない話題で長い記事が書けました!!
ランキングから来ました。
お家でワイン作りいいですね。
日本ではお酒を作るのがダメなのは知りませんでした。覚えておきます^^
日本では酒税法っていうのがあるんですよね。(自信がなくなったので、グーグルして調べました)
家でつける梅酒はホワイトリカーなど高アルコール度の市販のアルコール飲料を買ってきてつけるので全く問題ないものの、アルコール度20度以下のアルコール飲料を使ってつけると違法だとか。
砂糖と果実といっしょにおくと再発酵が始まってしまい、「醸造」行為になってしまうのだとか?!
ややこしい。
でも通報する人なんていませんよね。