イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

突然、消費者啓もう運動に乗り出したストックポート日報!フェアトレード運動を通じて公正な世界について考える

2018年09月22日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
フェアトレード FAIRTRADEってご存知でしょうか。



簡単に言ってしまえば、発展途上国で生産された製品を正当な価格で販売し、生産者に労働に見合った対価を支払う、という公正な取引のことです。

フェアトレード協会に承認を受けた製品には世界共通で認識される「FAIRTRADEマーク」が付けられます。



日本語で詳しく説明したウェッブサイトがたくさんあります。興味のある方はそちらを検索してみてくださいね。

イギリスでは消費生活に完全に浸透しています。

フェアトレードについて知らない人はほぼいないはずです。
いるとすれば、ゴミの仕分けをしたがらないタイプのお年寄り…などが思いついちゃいます。
とにかく、社会貢献のみならず生産、流通などに関して習う際にもフェアトレードは避けて通れない必修のテーマなので、ある一定の年齢以下の人たちは学校の社会科の授業で習っているはずなのです。

スーパーで売られているバナナ。


バナナはコーヒー豆と並ぶフェアトレードの代表的な対象食品です。


さて、とつぜん消費者運動に目覚めた!ストックポート日報にたびたび登場する、チャリティ・ショップ、オックスファムOxfam。


あー、もうすでにクリスマス・カードの販売促進!


一般の人から寄付された古着や日用品、書籍、レコード、DVDなどや協賛企業から寄付された新品の主に衣類を販売する店舗に常に一定のスペースを割いているフェアトレード製品の数々。


フェアトレード製品はコーヒー、紅茶、砂糖、チョコレートなど暑い国で育つ植物を主原料にした食品が主流です。


オックスファムは1940年代に古着を売ってヨーロッパの戦災被害者に援助の手を差し伸べる活動を始めて以来、当時は認識度が非常に低かったフェアトレード活動(厳密にはアメリカではじまったそうですが)をイギリスに浸透させるのに多大な貢献をしてきました。

と言っても、実は店舗面積が狭く、どちらかというとあまり裕福ではない客層をターゲットにした、ストックポートタウンセンターの裏通りに位置するオックスファム・ストックポート店、フェアトレード商品の売りあげは今ひとつです。



フェアトレードに関するごく基本的な話に戻ります。

フェアトレード製品はやはり割高です。

価格を下げる競争には生産する国での賃金を極限まで抑えることが必須。
もともと物価や賃金が格段に低い発展途上国でさらに生産者を搾取してまで安い製品を求め続けることが正しいのか。正しくないというのがフェアトレード運動の答えです。

日本ではフェアトレードに関する知識は浸透しつつあるものの普及はまだまだ、という話をよく聞きます。

日本では百円均一店が人気だそうですね。
そこで売られている、品質もセンスもそれなりに良い大量の製品を生産している発展途上国の貧しい人たちの賃金がいくらなのか労働条件はどうなっているのか、大人の30%から50%の賃金で働かせることができる12歳以下の子供が生産に従事していないかと考えてみる人が日本に果たしてどれだけいるのでしょうか。

「100均」でモノを買うのをやめれば発展途上国の人々の生活水準が向上するという簡単な問題ではなさそうですし、「100均」は日本でも増えているという所得の低い人にとっては重宝な場所なはずですね。

でも「生活を彩る楽しい小物たち」などなくても困らないモノを100円だから、という理由だけで買い続ける人が後を絶たない日本では、企業に「原価があがっても正当な賃金を払っているところから買おう」と思わせる説得力がないと思うのです。



オックスファム・ストックポート店でもクリスマス(3か月も先だってば~!)のギフト需要を見越して、独自に開発発注した、途上国の工芸品を販売しています。


日常に消費する食品すべてをフェアトレード製品に切り替えるのはさすがに予算上のハードルが高いという人も、ギフトにはフェアトレード製品、あるいはオックスファムなどの発展途上国への支援グッズを選んで「意識の高さをアピールしたい」という人はけっこういるんだと思います。

オックスファムは長い時間をかけて、「フェアトレード製品(あるいは生産者を支援する製品)を買うのはカッコイイ」という認識をイギリスの消費者に植え付けるのに一役買ったいくつかの団体のひとつです。

特大ひざ掛け毛布、38ポンド(5,592円)。


「38ポンドは高い!」という人がけっこういます。IKEA なんかでは18ポンドぐらいで似たような製品が売られていそうです。
でも、日本で、日本の職人が手織りで生産した毛布が6,000円以下で買えますか!?


私が買ってもいいとおもうのは、古タイヤの再生品、フォト・フレーム。(タイヤくさい)


となりは自転車のチェーンを再生したカフス・ボタン。
自転車のチェーンの再生品はいろいろあります。大きな店舗のオックスファムやオンラインで購入できます。

オリジナル商品、水筒とお弁当箱はストックポート店では売れませんがずーっと棚の上の誰も手の届かないところに置いてあります。(さすがに値段が高いです)




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