もうひとりの息子

「そして父になる」と同時期公開というすごい偶然だが、こちらも取り違えた子供が、ユダヤ人とパレスチナ人という強烈な設定となっている。
「そして父になる」では親視点の話であったが、こちらは子供視点の話となっており、当事者としては、現状を受け入れて折り合いをつけるしかないわけで、その分全体的に前向きな話となっている。
特にドラマチックな展開があるわけではなく、こういった事件が起きたらどうなるかを淡々とリアルに話がすすむため、ハッピーエンドによる爽快感は無く、いまひとつ製作者が何の意図をもってこういった作品を作るのかがよくわからない。

コールド・ウォー 香港警察 二つの正義

警察庁長官不在の香港で、警察官の集団拉致事件が発生する。
現場あがりの副長官リーが指揮をとるが、被害者の中に息子がいることが判明し、冷静さを失い強権的な捜査を強行する。危機感を覚えた管理部門出身のもう一人の副長官ラウが指揮権を奪い捜査を進めるが、捜査中に犠牲者が出てしまう。
インフェナルアフェア以来の完成度とのうたい文句通り、冒頭から警察内部の犯行を疑わせる描写があり、登場人物が皆怪しく見え、最後までハイテンションで話しが進んで行き、見応えがあった。

42 世界を変えた男

黒人初のメジャーリーガー「ジャッキー・ロビンソン」の伝記映画だが、とても感動した。
不屈の勇気で理不尽な人種差別に耐え忍び、野球選手として素晴らしいプレーを見せることで、周りの人々を少しづつ変えていく。
ハリソン・フォード扮するブルックリン・ドジャースの会長リッキーの、様々な圧力に屈すること無く信念を変えずにジャッキー・ロビンソンを支える姿勢も素晴らしかった。