虎よ、虎よ!

2023-05-30 12:37:23 | Book
サイボーグ009の加速装置の元ネタが出てくるということで読んでみたが、とにかくすごい小説。
加速装置はギミックの一つにすぎず、自由にテレポートできるようになった人類のためのテレポートステーションを始めとする、SFネタの宝庫。
それぞれのネタを独立して膨らませるだけでも一本書けそうだが、惜しみなく使い、圧倒的な世界観を構築している。これだけのことを一人で考え付くとは、まさに天才といってよい。
一方で、天才ゆえか、斬新なものを作ろうとして、独善的で読者を置いてきぼりにしていくところも多々あり、すごい小説だとは思うが面白さは今一つ。
映像化は何度か企画されるも実現していないが、ピータージャクソンの指輪物語のように、才能ある映像作家がうまく原作を消化して映像化すれば、傑作になる可能性はある。

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