沖縄・尖閣諸島周辺海域で起きた中国の漁船衝突事件の船長が釈放された。次々と理不尽な報復を仕掛ける中国の戦略は許せないと思うが、結局最後までそれに振り回されてしまったようだ。最後ではなく、まだ終わってはいないが。
ここに来て船長を釈放したことについては賛否両論があろうが、納得いかないのは政府が船長の釈放を検察のせいにしてしまったことである。なんと那覇地検の判断だそうだ。那覇地検が国際問題も考慮して決定したので政府は関与していないそうだ。ふざけるんじゃない。そんなことがあり得ないのは小学生にもわかる。
そもそも司法の独立があって介入できないなどと言っているようだが、司法権を有するのは裁判所だけ。検察庁(正確には検察官)は、れっきとした行政機関であり、法務大臣の指揮下にある。検察庁法で指揮権も与えられている。必要があるのならいい加減な弁解をせずに、こんな重要なことこそ堂々と政治主導で行うべきだろう。
政治主導という名のもとに、立法権しか持たない(閣僚以外の)国会議員が行政権に介入し、都合よく立法権と行政権を融合させてしまったのはどこのだれだっただろうか。そうした人が本来の行政権に属する検察庁を独立させてしまうとは、自己矛盾もはなはだしい。