毎日が、始めの一歩!

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【ヒーローズ 逆境を勝ち越えた英雄たち

2021年09月05日 | 妙法

【ヒーローズ 逆境を勝ち越えた英雄たち】第11回 アショーカ大王2021年9月5日

東京富士美術館の「アショカ、ガンジー、ネルー展」。大王ゆかりの品々を、池田先生が来賓のソニア・ガンジー元インド首相夫人(中央左)らと鑑賞する(1994年10月)
東京富士美術館の「アショカ、ガンジー、ネルー展」。大王ゆかりの品々を、池田先生が来賓のソニア・ガンジー元インド首相夫人(中央左)らと鑑賞する(1994年10月)
〈アショーカ大王〉
「法による勝利」こそ、すなわち
最上の勝利なり。それは現世また
後世にまで利益と安楽をもたらす。

 池田大作先生と対談した識者は、その人をたたえてやまない。
 
 20世紀最大の歴史学者アーノルド・トインビー博士は「仏教哲人王」と評し、欧州統合の父クーデンホーフ=カレルギー伯爵は「世界で最高に尊敬したい大王」と絶賛した。
 
 その人とは、インド史上最初の統一国家を築いたマウリヤ王朝の第3代の王・アショーカ大王である。
 
 時は紀元前3世紀。今から約2300年前、仏教に帰依したアショーカは、戦争を悔いて「武力による政治」を「人道による政治」へと大転換し、「法(ダルマ)による統治」を実践した。
 
 強者が弱者を支配する“弱肉強食の時代”。その中で福祉に力を入れ、井戸や道路などを整備し、人間はもとより家畜のための病院もつくった。正しい法に出あい、「民衆のために」生きようと決意したのである。
 
 アショーカは述べている。
 「世のすべての人の利益のために働くことよりも崇高な事業はない」「みずから民衆に親しみ、近づくことが、私がなせる最上のことである」と。そこには、活躍を支えてくれた民衆への感謝があったに違いない。
 
 さらにアショーカは、仏教興隆の礎を築き、その教えを基調とした思想を伝え広めるため、石柱や岩石に「法勅」(碑文)を刻み、各地に残した。

インド東部の都市ブバネーシュワル近郊のダウリにある、アショーカ大王の法勅を刻んだ巨大な岩碑
インド東部の都市ブバネーシュワル近郊のダウリにある、アショーカ大王の法勅を刻んだ巨大な岩碑
岩の上部は、象の形をしている
岩の上部は、象の形をしている

 仏典には「阿育」の名で登場し、釈尊に土の餅を供養した子どもが、その功徳で後にアショーカ大王として生まれたと説かれている。<「仏に土の餅を供養せし徳勝童子は阿育大王と生れたり」(御書1315ページ)>
 
 法勅の一つに、こうある。
 「法による勝利なるものこそ、これ、即ち、最上の勝利なれ……この法による勝利は、現世に関する利益安楽にして、また、後世に関するそれなり。人の凡ての愛楽をして、法に対する愛楽たらしめよ」
 
 全ての人はわが子である――この深き信念で万人の利益と安楽を求めたアショーカの生涯。それは「一切の衆生は吾が子なり」との釈尊の慈悲の精神を、現実の世界で実現しようとした“未聞の挑戦”であった。

〈アショーカ大王〉
私は満足しない。世のすべての
人々が幸福になるまでは。
それまで私は努力し働き続ける。

 「王の中の王」として、世界史に名を刻むアショーカ大王。しかし彼は、最初から慈悲の指導者だったわけではない。むしろ、残忍なまでに武力を行使する「暴君」と恐れられた。
 
 転機となったのは、即位から8年目。アショーカは大軍を率いて、インド南東部のカリンガ国(現在のオディシャ州など)を征服した。15万人が捕虜になり、10万人が殺されたといわれる「カリンガの大虐殺」である。
 
 戦乱が招いた地獄の惨劇を前に、悔恨の念が大王を襲う。
 
 「こんなことのために人は生まれたのか」「生きるとは、死ぬとは何のためか」――彼はその答えを仏教に見いだし、信仰の道を歩み始める。そして二度と戦争を起こさぬことを誓い、武器ではなく、「法」の剣を手に立ち上がったのである。
 
 仏教を根底にした慈悲の政治によって、国内では数々の社会事業が進められ、他国には平和使節が派遣された。
 
 彼は、個人としては熱心な仏教徒となったが、宗教を公平に扱ったことでも知られ、“法の阿育”として崇敬を集める。

アショーカ大王が釈尊成道の地ブッダガヤを訪れた様子をあらわしたレリーフ(複製。中央の柱を隔て、左が馬車に乗った姿。右が2人の妃に支えられているアショーカ)
アショーカ大王が釈尊成道の地ブッダガヤを訪れた様子をあらわしたレリーフ(複製。中央の柱を隔て、左が馬車に乗った姿。右が2人の妃に支えられているアショーカ)

 「私は満足しない。世のすべての人々が利益を得るまでは。それまで私は努力し、政務に励む」「現世と来世〔における利益と安楽〕は、最上の法に対する愛慕、最上の観察、最上の敬信、最上の怖畏、最上の努力がなければ、達成することは困難である」――この熱誠に貫かれた「法による統治」は、約30年という歳月にわたった。
 
 大王の没後、インドは分裂状態に陥るが、仏教は世界に広がり、さまざまな思想に影響を及ぼす“文化創造の源泉”となっていく。
 
 アショーカが建立した「獅子柱頭」は、現在のインドの国章に制定されている。

釈尊が初めて法を説いた地サールナートに、アショーカ大王が法による統治を目指して建てた記念碑の「獅子柱頭」(複製)。咆哮する4頭の獅子は、釈尊の説法の姿とされている
釈尊が初めて法を説いた地サールナートに、アショーカ大王が法による統治を目指して建てた記念碑の「獅子柱頭」(複製)。咆哮する4頭の獅子は、釈尊の説法の姿とされている
〈アショーカ大王を語る池田先生〉
人間、何が幸せか。一日一日、
「きょうもやり切った」「私は勝った」
という行動を重ねることだ。
毎日、自分として「これでよし」と
言えるよう精いっぱい生きることだ。

 インド発祥の仏教は、アショーカ大王の没後、中国、韓・朝鮮半島を経て、日本へ伝わった。
 
 日本では13世紀に日蓮大聖人が出現し、全人類の幸福と世界の平和を実現する「南無妙法蓮華経」の仏法を確立。その魂は創価学会の初代・牧口常三郎先生、第2代・戸田城聖先生、第3代・池田先生の三代会長に受け継がれ、「世界広宣流布」という師弟の大誓願となった。
 
 1961年1、2月、池田先生は大聖人が予見した「仏法西還」の第一歩をアジアにしるす。
 
 インドでは、アショーカ大王の法勅を刻んだ石柱を見学。その模様は小説『新・人間革命』第3巻「月氏」の章に詳しい。
 
 石柱の下の語らいで、山本伸一は述べている。
 
 「広宣流布の目的は、人びとが仏法を信じ、その結果、民衆が幸福になり、社会が平和になることにある。つまり、仏法の哲理が人間の生き方につながり、それが現実の社会に反映されなければならない。その一つの模範が、アショーカ大王の治世だと思う」
 
 以来、60星霜――。太陽の仏法は、先生を中心とした同志のスクラムによって全世界へと広がり、192カ国・地域を照らす希望の陽光となった。

池田先生ご夫妻が、インド文化国際アカデミー理事長のロケッシュ・チャンドラ博士ご夫妻と歓談(1998年11月、旧・聖教新聞本社で)。先生は博士との対談集『東洋の哲学を語る』で、戦争から平和への大転換に踏み出したアショーカ大王を「『自己の勝利者』であり、人類の歴史に燦然と輝く『不敗の勝利者』」とたたえた
池田先生ご夫妻が、インド文化国際アカデミー理事長のロケッシュ・チャンドラ博士ご夫妻と歓談(1998年11月、旧・聖教新聞本社で)。先生は博士との対談集『東洋の哲学を語る』で、戦争から平和への大転換に踏み出したアショーカ大王を「『自己の勝利者』であり、人類の歴史に燦然と輝く『不敗の勝利者』」とたたえた

 後に先生は、インド文化国際アカデミー理事長のロケッシュ・チャンドラ博士との対談の中で、アショーカを巡る語らいを展開。また、折々のスピーチや随筆などで大王の言葉と生涯を紹介してきた。
 
 「民族や文化の違いを超えて、同じ人間として、一つの世界に生き、ともどもに幸福を願う――これこそが、アショーカ王の行動を支えた人間観であり、世界観です。世界市民の哲学といえるでしょう」(対談集『東洋の哲学を語る』)
 
 「大王は『行動の人』であった。法勅に『私は、正しいと思ったことは、すべて我が身で実行したい。そして、正義を実現したいと願う』と――。
 人間、何が幸せか。一日一日、『きょうも、やり切った』『きょうも悔いがない』『きょうも、私は勝った』という行動を重ねることです。毎日、自分として『これでよし』と言えるよう、精いっぱいの努力で生きる。その積み重ねが、大勝利の人生となるのです」(本紙1993年7月17日付「名誉会長の語らい」)
 
 きょうの「行動」「努力」が未来を開く。永遠に変わらぬ、仏法勝利の方程式である。

【引用・参考】塚本啓祥著『アショーカ王碑文』(第三文明社)、木村日紀著『アショーカ王とインド思想』(教育出版センター)、定方晟著『アショーカ王伝』(法蔵館)、D・D・コーサンビー著『インド古代史』山崎利男訳(岩波書店)、K・C・チャクラヴァルティ著『古代インドの文化と文明』橋本芳契・橋本契共訳(東方出版)、図録『アショカ、ガンジー、ネルー展』(東京富士美術館)ほか
【引用・参考】塚本啓祥著『アショーカ王碑文』(第三文明社)、木村日紀著『アショーカ王とインド思想』(教育出版センター)、定方晟著『アショーカ王伝』(法蔵館)、D・D・コーサンビー著『インド古代史』山崎利男訳(岩波書店)、K・C・チャクラヴァルティ著『古代インドの文化と文明』橋本芳契・橋本契共訳(東方出版)、図録『アショカ、ガンジー、ネルー展』(東京富士美術館)ほか
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健康の智慧を 大満足の人生を

2021年09月05日 | 妙法

〈Seikyo Gift〉 健康の智慧を 大満足の人生を 池田大作先生の写真と言葉「四季の励まし」2021年9月5日

 【写真説明】7月13日に、池田大作先生が都内で撮影した蓮の花。薄紅がかった白色の花びらが凜と咲き、涼しさを届けてくれる。
 蓮華は、他の花々と違い、花と実が同時に成長する。ゆえに、仏法では、仏の生命を開く因も果も同時に具わる「因果俱時」の法理の譬えなどに用いられる。
 御書には「浄き事・蓮華にまさるべきや」(1109ページ)と。泥沼の中でも高潔な美しさを失わない蓮のように、我らも苦難や無理解に負けず、自他共の幸福に尽くす生き方を貫いていきたい。
 張りのある勤行・唱題で生活のリズムを整え、心身共に健康第一で進みゆこう。(8月1日付)

池田先生の言葉

 健康で、長生きをして、
 価値ある充実の人生を
 楽しんでいくのが、
 信仰の目的である。
 健康は、
 自らの智慧と
 決心でつくるものだ。
  
 聡明に自己を律し、
 賢明な生活を心掛け、
 自分自身の健康を
 勝ち取っていただきたい。
 健康を保っている
 ということ、
 それ自体が、勝利である。
  
 適度な運動も大事である。
 また、上手に休息をとる。
 ゆったりと睡眠をとる。
 疲れをためないよう
 工夫することだ。
 根本は、信心である。
 「健康でありますように」と
 毎日、御本尊に祈ることだ。
  
 題目は、
 宇宙根源のリズムであり、
 仏の偉大な生命力の
 根本である。
 ゆえに、
 妙法の大良薬を持つ人は、
 一人ももれなく
 「更賜寿命」して、
 大満足の使命の人生を
 存分に生き切ってほしい。
 また、生き切ることが
 できるのだ。
  
 懸命に努力し、
 もてる力を発揮する。
 その時に人は
 生きがいを感じる。
 元気になる。
 その意味で、
 学会活動は、
 最高の健康の道である。
  
 今は病気の人も、
 決して
 弱気になってはいけない。
 何があっても強気で!
 すべてに意味があるのだ。
 どんなことがあっても、
 微動だにしてはいけない。
 悠然と進むのだ。
 生命は永遠なんだから!
  
 暑い夏だからこそ、
 白馬が
 大草原を駆けゆくような
 清々しい題目で、
 生命力満々と、
 きょうも
 価値創造の行動を!

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