毎日が、始めの一歩!

日々の積み重ねが、大事な歴史……

母よ 幸あれ! 和楽あれ! 池田先生の写真と言葉によって築かれる人生の土台

2023年05月13日 | 妙法

母よ 幸あれ! 和楽あれ! 池田先生の写真と言葉「四季の励まし」2023年5月14日

 【写真説明】白と黄のゆりの花が凜と咲く。2011年(平成23年)5月、池田大作先生が都内でカメラに収めた。
 ゆりは古来、母性の象徴とされ、人々に愛されてきた。白ゆりは、女性部のシンボルでもある。
 かつて先生は詠んだ。「白ゆりの 不思議な香りは 天までも 昇りて諸天も 我らを護らむ」
 母の慈愛が、どれほど深く尊いか。日蓮大聖人は「『大悲』とは、母の子を思う慈悲のごとし」(新1005・全721)と、仏法の大慈大悲を“母の心”に譬えられている。
 きょうは「母の日」。生命を育み、輝かせゆく母たちに、心からの感謝を伝えたい。
 

池田先生の言葉

 母は、
 わが家の太陽である。
 いな、
 世界の太陽である。
 いかに暗き
 厳しい状況になっても、
 母がいると
 笑顔の満開の光が
 消えることはない。
  
 母が輝けば、
 周囲の暗闇も明るくなる。
 笑顔の花が
 一輪また一輪と咲き薫る。
 広布の道を進む
 母の祈りと行動は、
 必ず地域再生の
 大きな力になっていく。
  
 生命を育む力。
 生命を尊ぶ心。
 本来、
 「命」そのものに
 国境も差別も格差もない。
 あってはならない。
 それを誰よりも実感し
 知悉しているのは、
 女性である。
 創価の女性たちは、
 生命尊厳の大哲学を掲げ、
 一人の人を大切にする
 実践をたゆみなく
 積み重ねている。
 それが、
 いかに重要な
 平和創出の意義を
 持っているか、
 計り知れない。
  
 人を育てる苦労と喜びは
 何と尊く、深いものか。
 わが子のため、
 わが友のため、
 祈り、悩み、尽くす。
 その目に見えない
 労苦と奮闘は、
 必ずや自分自身の生命の
 福徳となって積まれる。
 そして、その福徳が、
 そのまま、
 わが子に、わが友に
 伝わっていく。
  
 今ほど、母の願いが、
 皆の心に
 深く響く時はない。
 今ほど、母の声が、
 皆に勇気を贈る時はない。
 母よ、強くあれ!
 幸あれ! 和楽あれ!
 健康あれ!
 偉大なる
 「人間世紀の母」たち、
 万歳!

――共育のまなざし〉 食事によって築かれる人生の土台2023年5月13日

料理研究家 土井善晴さんに聞く ㊦
それぞれの家の台所は、地球とつながっている。
 
  •  

 料理することは、実は地球とつながることでもある――。料理研究家の土井善晴さんは、家庭料理における「一汁一菜」の提案を通して、料理の持つ幅広い力について発信しています。12日付の㊤に続き、料理することの奥深さを聞きました。(聞き手=掛川俊明、村上進)

自然が作るおいしさ

 ――前回の㊤(12日付)では、一汁一菜というスタイルについて伺いました。ご飯と味噌汁は食べ飽きない、という話は印象的でした。
 
 食べ飽きるものと、そうでないものがあるのは、自然と人工の違いです。人工を優先するのは西洋的な考えによるものです。
 「脳が喜ぶ快楽的なおいしさ」と「細胞の一つが喜ぶおいしさ」をどう捉えるかという違いもありますね。肉の脂身やマグロのトロが、食べると反射的に「おいしい!」となるのは、舌先と直結した脳が喜ぶ「快楽的なおいしさ」です。
 「細胞の一つが喜ぶおいしさ」というのは、食べた後に「身体がきれいになったような気がする」ということがあるでしょう。落ち着いて静かにしていないと気が付かないことかもしれません。
 快楽的なおいしさというのは、カーニバル(お祭り)で食べるものです。静かにしていないといけないのは、野菜の風味、毎日食べる味噌や漬物といった自然が作る穏やかなおいしさです。それは心地よさとして身体が受け止めているのです。
 前者はあえていえば晴れの食べ物で、後者は毎日の料理の中にあるものです。お店で食べるラーメンや焼き肉は、前者になるでしょう。
 たまに食べて楽しむものと、毎日食べて心身を整える食べ物を意識して区別してください。
 快楽的な食べ物って、受け身でいられますから、楽ちんなんですね。後者の食べ物は、静かにしていなければ聞こえてこない川のせせらぎや、鳥のさえずりのような音に例えられますね。静かにしていないと聞こえてこないおいしさが、感性を磨いてくれるのです。

「ええかげん」

 ――小さな変化に気付いて、感性を磨く。料理には、そうした力も備わっていたんですね。
 
 私は大阪生まれですが、大阪の言葉には、今でも知恵がたくさんあると感じています。大阪の言葉に限りませんが、土地の言葉は、その土地とつながった、地に足が着いた言葉なんですね。子どもの頃は、「ええかげんにしなさい」言うて、よう大人に叱られました。
 「ええかげん」とは、昨日と今日は違うやろということです。「アホの一つ覚え」言うて、同じことばかりしてたらいけません。ちゃんと自分で考えて、どこまでが良くて、どこからが悪いかを、状況に応じて自分で判断できなあかんと言うてるわけです。
 昨日と今日は違います。この世は、ものともの、人と人、ものと人、自然と人、全て関係の間で変化するのです。いつもいろんなことを感じたり、思ったりするでしょう。それが情緒です。
 自分で直観的にどうするかを感じなさい。いくら考えても分かることじゃないし、教えられることじゃない。「ドントシンク、フィール!(考えるな、感じろ!)」って、ブルース・リーが言うてたやつです。料理もそうですね。自分を信じて料理できたらいい。
 レシピいうのは他人の感性に依存するということですから、それこそ「ええかげん」にしたらいいのです。レシピ通り調味料を正確に計量するだけでは、なんにも楽しくないでしょう。クリエーション(創造)である料理がただの計量作業になってしまう。それではもったいない。
 大阪の言葉には「知らんけど」というのもあります。何でも分かっているのかなと思いきや、最後に「知らんけど」って言うのです。それが正しいか、間違いかはきちんと自分で考えて答えを出しなさいよ、っていう意味です。無責任に聞こえますけど、相手の考えを尊重するということです。
 今よく聞く「自己責任」とは違います。自分で信じたことが間違ってたら、自分で責任を取ればいいだけのことなんです。そんなん当たり前のことでしょう。自己責任は人に対していう言葉じゃない。「自己責任」という人がいちばん無責任な人じゃないでしょうか。

「進化」と「深化」は違う

 私たちは、新しいことをやらんとあかん、誰もやっていないことをやりなさいと、「進化」しろとずっと言われてきたんです。和食には「何もしないことを最善とする」という考えが根本にあります。それが素材を生かすこと。今あるもの(旬)を食べることです。だから、和食は工夫しないことが大事なんですね。それが和食の真価です。そこに「道」があることが分かるでしょう。
 では、「進化」とは何か? 西洋の自然観から生まれた人間の存在価値です。和食における、人間存在の創造は「深化」です。西洋の人間存在の創造である「進化」とは、まるっきり違うのです。でも、日本の私たちは半分西洋人のつもりですから、話がややこしい。「進化」には、そう生きるべきという宗教や哲学が土台にあります。その土台なしに「進化」しようとするから薄っぺらいのです。ちょっと難しくなりました。私たち日本人が得意なことは「深化」です。
 ある時、高校で講演をしたら、生徒から「家庭料理のない家もあるんだから、そんな話をしないでください」と言われたことがあります。1人暮らしでも自分で作って自分で食べることが大事だと言ってきましたので、彼にも自分で作って食べなさいと言いました。
 料理とは人間を人間たらしめる行為だからです。人間は料理する動物だからです。人間は料理することで人間になりました。料理は文化です。文化とは、人間が自らの命を守る術なのです。

自然と人間の間に

 ――著書では、地球と人間の間に料理があると書かれています。自然や地球は、日常とは離れた大きなもののように感じますが、料理とはどのように関係するのでしょうか?
 
 料理しようと思えば、自然を思う。自然を思えば自然を大切にしようと思うでしょう。翻って、食べる家族を見れば、家族を思って料理するでしょう。すなわち、料理する人は、地球(自然)と人間の間にあるのです。それぞれの家の台所は、地球とつながっていることが分かるでしょう。
 今、世界の大問題は環境危機でしょう。このままでは30年先には、人間の力で自然を制御できる限界を超えてしまうといいます。自分のことならどうでもいいと言えますが、子どもたちや、まだ生まれてこない孫を思うと、ちゃんと考えないといけません。全ての命は、次の世代のためにあるのです。私たちに何ができるか。それは料理することだと考えています。
 味噌汁の中に何でも入れて食べ切ることです。みんながそうすれば、家庭におけるフードロスはすぐにでも解決します。ちゃんと知ることですね。現状から目を背けないでほしい。ちゃんと地球に参加しろということです。

「もの喜び」する

 ――著書では「料理をなめてはいけない」というタイトルの章もありました。
 
 そうなんです。料理をなめたらあかんのですよ。
 「食べるだけの人」は、自分勝手でしょう。おなかがすけば機嫌が悪くなるし、酒を飲めば酔っぱらう。身体と精神は平衡するのです。食べるだけの人の多くは、男の人でした。
 「人間が何を食べてきたか」という書物は何冊もあるでしょう。それって、男の権力の歴史なんですね。一方、「人間はどんな思いで料理をしてきたか」ということを、きちんと考えた学術書は、世界中どこを探してもありません。
 料理する人の思想をみんなが持つべきです。一汁一菜でいいですから、全ての人が料理できるようになると、料理する人の気持ちが分かるでしょう。そうすれば何かが変わるかもしれません。
 料理して食べるという暮らしに幸せはあるのです。いつも変わらないところに無限の気付きがあるのです。具だくさんの味噌汁の話をしましたが、一わんの中に無限の自由があります。有限の無限です。有限の世界の中に、毎日違うものができてくる。それを見つけるのです。
 自ら発見するところに喜びがあります。小さな発見の積み重ねが、大発見、大発明にもつながるのです。
 小さな気付きをする人を関西では「もの喜びする人」といいます。お料理をしても、自分で食材の違いに気付いて変更できる人、お料理を食べても自分で気付いて喜べる人です。そんな人は自らうれしくなって、笑顔になって、周りの人を幸せにできる人なのです。

 どい・よしはる 1957年生まれ。料理研究家。「おいしいもの研究所」代表。十文字学園女子大学特別招聘教授。東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。日本の伝統生活文化を現代に生かす術を提案。著書に『一汁一菜でよいという提案』(新潮文庫)、『くらしのための料理学』(NHK出版)など多数。


ヒーローズ 逆境を勝ち越えた英雄たち

2023年05月07日 | 妙法

〈ヒーローズ 逆境を勝ち越えた英雄たち〉第31回 パール・バック2023年5月7日

全ての母に真心からの感謝を――池田大作先生が深紅のカーネーションをカメラに収めた(2007年5月撮影)。先生は語っている。「妙法に生きぬく女性が、幸せにならないわけがない。必ず最高に幸福な人生を歩んでいける。創価の母たちを、そして娘たちを全宇宙の仏菩薩が讃え、断固として守ることは、絶対に間違いないのである」
全ての母に真心からの感謝を――池田大作先生が深紅のカーネーションをカメラに収めた(2007年5月撮影)。先生は語っている。「妙法に生きぬく女性が、幸せにならないわけがない。必ず最高に幸福な人生を歩んでいける。創価の母たちを、そして娘たちを全宇宙の仏菩薩が讃え、断固として守ることは、絶対に間違いないのである」
 
〈パール・バック〉
どんな変化があろうとも、
今日こそ最良の一日にしようという
勇気と信念で、新しい日々を始めよう。

 85年前の1938年、アメリカ人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した人物がいる。
 
 女性の名はパール・バック。代表作『大地』などを著した小説家であり、差別や暴力と戦い抜いた社会活動家としても知られる。
 
 彼女は言う。
 
 「生命と満足の秘訣は、どんな変化があろうとも、今日こそ最良の一日にしようという勇気と信念をもって、新らしい日々を始めることです」
 
 パール・バックと同時代を生きた「アメリカの人権の母」エレノア・ルーズベルト大統領夫人はつづっている。
 
 「もし我々年長者が、バック夫人のごとき勇気を示せば、おそらく次の世代の人々は、我が国を真の民主主義国家にする勇気を持つことでしょう」

アメリカの小説家パール・バック(1892―1973)©AP/アフロ
アメリカの小説家パール・バック(1892―1973)©AP/アフロ

 
 昨年、生誕130年を迎えたパール・バックは、アメリカ・ウェストバージニア州で生まれた(1892年6月)。生後数カ月で宣教師である父の任地・中国へ移住。幼少期から10代後半までを異国の地で過ごした。
 
 “青い目で金髪の外国人”として、偏見のまなざしを向けられることもあったという。西洋と東洋の間で生きるような孤立感は後年、人種差別撤廃運動などに身を投じるきっかけとなった。
 
 そんな彼女の成長に大きな影響を与えたのが、母の存在だった。列強諸国の侵略下にあった中国で、一家は憎悪の対象となり、時に命に危険が及ぶ困難に襲われた。
 
 しかし、母はどんな試練にも負けなかった。進んで人々の中へ飛び込み、母子のための健康相談所や読書指導の教室などを開設。宿命に泣く女性に同苦する姿が親しみを呼び、母の周りには中国の婦人たちが集まってきた。
 
 母のことを述懐したパール・バックの言葉にこうある。
 
 「わたしのもっているすべてのものは、母から与えられた」
 
 「母の澄んだ声は常に勝利の響きをもっていた」と――。

中国・鎮江市に立つパール・バックの旧居©アフロ
中国・鎮江市に立つパール・バックの旧居©アフロ
 
〈パール・バック〉
しなければならないことは
目の前にあります。今こそ女性が
自分自身を考え、扉を開く時です。

 高等教育を受けるため、パール・バックが中国からアメリカに渡ったのは18歳の時である。
 
 バージニア州のランドルフ・メイコン女子大学に入学。成績は優秀で、特に言語学や文学などの科目に力を注いだ。在学中には、小説の執筆も開始。卒業後は母の病の報を受け、中国に戻った。
 
 やがて農業経済学者で宣教師の夫と結婚。それから3年後の1920年、待望の長女キャロルを出産する。だが、喜びもつかの間、最愛の母が他界してしまう。
 
 さらに試練は続いた。夫が教壇に立つ南京大学で英文学を教えていた彼女だったが、娘に発育の遅れを感じ、その原因究明と治療を求め、アメリカの病院へ向かう。診断の結果、重い知的障がいがあることが判明。完治が見込めないと告げられたショックは、あまりにも大きかった。
 
 そこからパール・バックの苦悩の人生が始まった。悲嘆に暮れて中国に帰り、1人でいる時は「わたしの全身をすべて悲しみにまかせて泣いていました」と振り返っている。あまりのつらさに娘の死を願ったことさえあった。
 
 そうした歳月を経て、彼女は徐々に「悲しみとの融和の道程」を歩み出し、事実をあるがままに受け入れていく。「これが、わたしの人生なのだ。わたしはそれを生きぬかなくてはならないのだ」と。そして、娘の存在に深い意味を見いだし、後の文学活動と平和運動の力へと変えていったのである。
 
 「人はすべて人間として平等であること、また人はみな同じ権利を持っていることをはっきり教えてくれたのは、ほかならぬわたしの娘でした」
 
 「ノーベル賞は、この娘が与えてくれた」

ノーベル文学賞の授賞式に出席したパール・バック㊧(1938年12月、スウェーデンのストックホルムで) ©Bettmann/Getty Images
ノーベル文学賞の授賞式に出席したパール・バック㊧(1938年12月、スウェーデンのストックホルムで) ©Bettmann/Getty Images

 
 娘が9歳になった29年、将来を見据えて、アメリカの施設に預けることに。愛するわが子を支えるため、パール・バックは懸命に筆を振るった。
 
 翌30年、中国における東西両文明の確執を描いた『東の風・西の風』を出版。31年には、中国の農民生活に光を当てた『大地』を発表し、ベストセラー作家に。同作品で、全米の報道・文学界における栄誉「ピュリツァー賞」を受賞した。
 
 42歳になると、アメリカに永住帰国(34年)。人種差別や男女差別の撤廃運動などに積極的に取り組むようになる。
 
 ノーベル文学賞作家となってからも、信念のペンを執り続け、後年は恵まれない子どもたちへの支援に尽力。私財を投じてパール・バック財団などを創設した。
 
 73年3月、パール・バックは80年の生涯を閉じる。
 
 「しなければならないことはすでに目の前にあります。チャンスがあなたを待ち受けているのです。いまこそ、女性が自分自身を考え、扉を開く時です」
 
 「すべての活動になくてはならないのは、希望なのです!」

 ――動乱期の中国で過ごした日々。障がいのある娘の誕生。夫の無理解と離婚……。幾多の苦難の壁に直面しても「希望」を捨てなかった彼女の人生は、没後半世紀を経た今も、偉大な作品、珠玉の言葉と共に、世界中の人々を鼓舞し続ける。

母への感謝を忘れず、親孝行の人生を! 栄光の大空へ羽ばたけ!――未来を創りゆく使命深き子どもたちに、慈愛の励ましを送る池田先生ご夫妻(1991年9月、アメリカのボストンで)
母への感謝を忘れず、親孝行の人生を! 栄光の大空へ羽ばたけ!――未来を創りゆく使命深き子どもたちに、慈愛の励ましを送る池田先生ご夫妻(1991年9月、アメリカのボストンで)
 
〈パール・バックを語る池田先生〉
最も大きな苦しみを乗り越えた人は
最も大きな境涯を開き、
最も大きな幸福を広げゆく人だ。
この人間革命の体験を分かち合う
行動が平和と勝利の道を創るのだ。

 1960年5月、パール・バックは日本を訪問。東京など各地に足を運んでいる。
 
 同年5月3日、池田先生が第3代会長に就任。世界広布の大長征を開始した。
 
 後に先生は、意義深き「5・3」を「創価学会母の日」にと提案。本年で制定35周年を迎えた。この間、折々にパール・バックの生き方を通し、母たち女性たちに励ましを送っている。
 
 「彼女は語っている。
 
 『悲しみには錬金術に似たところがある』『悲しみが喜びをもたらすことはありませんが、その知恵は幸福をもたらすことができるのです』
 
 ましてや、苦労した人が一番、幸福になれる信心である。妙法を唱えながら貫いた努力と忍耐は、必ず未来の宝と輝くことを、明るく確信していただきたい」(2012年6月22日付「随筆 我らの勝利の大道」)
 
 「何があっても、たじろがない。嘆かない。たとえ、今が悔し涙の連続であろうと、無敵の祈りは、一切を栄光の歴史に昇華してゆくのだ。
 
 重い障がいのある娘を育てつつ、『母の肖像』『大地』等の名作を世に問い、平和運動に邁進したアメリカの女性作家パール・バックは叫んだ。『最も悲しみに満ちた行路を歩んでいる間に、人の精神はすべて尊敬に値することを知りました』
 
 最も深い悲しみから立ち上がった人は、最も深い哲学を学んだ、最も深い慈悲の人だ。最も大きな苦しみを乗り越えた人は、最も大きな境涯を開き、最も大きな幸福を広げゆく人だ。
 
 この人間革命の体験を友に語り、分かち合う、母たちの行動が『幸福と平和と勝利の道』を創り開くのである。
 
 『広宣流布は、女性の力で成し遂げられる!』
 
 恩師のこの確信は、私の胸にも、絶対の確信として輝き渡っている。母の祈りは、皆の心を動かさずにはおかない。母の言葉は、友の胸を揺さぶらずにはおかない。(中略)
 
 さあ、強く朗らかに、また堂々と、自身の体験を、創価の正義を、語り抜こうではないか!
 
 偉大なる幸の教養博士よ、万歳! 人間世紀の母たちよ、万歳!」(15年6月8日付「随筆 民衆凱歌の大行進」)
 
 パール・バックの『母の肖像』の結びには「彼女をめぐって生活していた私たちにとっては、何と素晴らしい生活であったろう!」と、母への感謝がつづられていた。
 
 かつて先生は、この言葉を紹介し、高らかに宣言した。
 
 「わが『創価の母』たちは今、彼女たちが夢見た平和と幸福と人道のスクラムを、世界中で、幾重にも大きく広げてくださっている。その尊貴な実像は、素晴らしい『創価の母の肖像』として、永遠に仰がれ、讃えられ、留められていくにちがいない」
 

 【引用・参考】パール・バック著『母の肖像』村岡花子訳(『ノーベル賞文学全集』7所収、主婦の友社)、同著『母よ嘆くなかれ』伊藤隆二訳(法政大学出版局)、ピーター・コン著『パール・バック伝 上下巻』丸田浩ほか訳(舞字社)、松坂清俊著『知的障害の娘の母:パール・バック』(文芸社)ほか
 

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創価学会の日」「創価学会母の日

2023年05月04日 | 妙法

5・3「創価学会の日」「創価学会母の日」を祝賀 第13回本部幹部会2023年5月4日

  • 「心に不動の師弟山を」池田先生がメッセージ
  • 原田会長、永石女性部長が各部の代表と
  • 欧州、オセアニア8カ国・地域の友が参加

 5・3「創価学会の日」「創価学会母の日」を慶祝する第13回本部幹部会が3日午後、巣鴨の東京戸田記念講堂で行われた。原田会長、長谷川理事長、永石女性部長らが各部の代表、来日した欧州とオセアニアの8カ国・地域37人のリーダーと共に出席。池田大作先生は祝福のメッセージ(3面)を贈り、我ら創価の師弟は5月3日から元初の生命で出発し、全てを希望へ、前進へ、勝利へと転じ、共々に金剛不壊の仏の大境涯を築いていくのであると強調。心に不動の師弟山を抱き、勇敢な対話と師弟の祈りで新たな地涌の陣列を創り広げながら、人生に幸福和楽の春を、社会に価値創造の春を、人類に平和共生の春を輝かせていこうと述べた。(2面に関連記事。全国配信は11日から14日〈配信の会場と時間等は各県・区で決定〉。「モバイルSTB」での配信は11日から21日。「SOKAnet会員サポート」では配信しません)

希望へ勝利へ 元初の生命で出発
栄光の「5・3」から広宣流布大誓堂完成10周年の「11・18」へ!――次なる広布の峰に向かって心一つに出発する本部幹部会。かけがえのない同志一人一人を最大に励まし、新たな人材を輩出しながら勇躍前進をと誓い合った(巣鴨の東京戸田記念講堂で)
栄光の「5・3」から広宣流布大誓堂完成10周年の「11・18」へ!――次なる広布の峰に向かって心一つに出発する本部幹部会。かけがえのない同志一人一人を最大に励まし、新たな人材を輩出しながら勇躍前進をと誓い合った(巣鴨の東京戸田記念講堂で)

 会合に先立ち、欧州とオセアニアのメンバーが紹介されると、歓喜と歓迎の大拍手が響いた。
 
 3年4カ月ぶりにSGI(創価学会インタナショナル)の代表が参加した本部幹部会。長く続いたコロナ禍の中でも、各国・各地の友は、不屈の智慧を発揮し、広布前進への奮闘を重ねてきた。
 
 「“苦難の時こそ師弟の精神を強めるチャンス”と約し合い、進んできました。師の平和闘争に学びながら、一人一人に寄り添い、希望の対話をさらに広げていきます」(ベルギーのキヨシ・モリタ青年部長)
 
 「新たな決意で世界広布に出発するとの思いで来日しました。池田先生をはじめ、世界の同志との心の絆を強く感じています。社会が混沌とする中だからこそ、人間主義の哲学を掲げ、新時代を築いていきます」(オーストラリアのスージー・チャン婦人部長)
 
 今再び世界の友と集い合い、平和建設の大航海へ船出する――待ち望んだ瞬間だった。
 
 池田先生はメッセージの中で、海を越えて集った求道の友を労いつつ、妙法流布に駆ける全同志の勇躍の姿を心からたたえた。
 
 栄光の「5・3」から、広宣流布大誓堂完成10周年の「11・18」へ!――新しき決意で広布即世界平和の大行進が始まった。

広布拡大の先駆は常に青年!――男女学生部をはじめ、男子部、女性部の池田華陽会・ヤング白ゆり世代の友が新たな歴史を開く決意にあふれて(東京戸田記念講堂で)
広布拡大の先駆は常に青年!――男女学生部をはじめ、男子部、女性部の池田華陽会・ヤング白ゆり世代の友が新たな歴史を開く決意にあふれて(東京戸田記念講堂で)

 「5・3」は、1951年(昭和26年)に戸田城聖先生が第2代会長に就き、生涯の願業として75万世帯の弘教を掲げた日であり、60年(同35年)に池田先生が32歳の若さで第3代会長に就任し、世界広布へ勇んで打って出た日である。
 
 学会の“元日”である「5・3」は、新生の息吹で“弟子が立ち上がる日”である。
 
 そして「5・3」は、「創価学会母の日」でもある。88年(同63年)4月27日の全国婦人部幹部会で、池田先生が“学会で最も大切な記念日である「5月3日」を、創価の女性を最大にたたえ、顕彰する日としてはどうか”と提案。女性部の友は、今年で制定35周年となるこの日を目指し、幸福と希望のスクラムを朗らかに広げてきた。女性部は今月、池田華陽会の華陽カレッジを各地で開催。さらに6月には、グループ発足45周年を記念する女性部総会をにぎやかに行う。このほど、池田先生の言葉が記された記念のしおりも完成。「全員が主役」の集いとして、楽しく語らいながら、草の根の絆を一段と強く結び広げゆく。

6月の女性部総会を記念して作成された「しおり」
6月の女性部総会を記念して作成された「しおり」

 新たな前進への誓いに満ちた本部幹部会では、池田主任副会長が池田先生のメッセージを紹介。先生は、“師弟の凱歌轟く大晴天の「5・3」に、全同志の偉大なる大奮闘への感謝を込めて”と述べ、3幅の書を披露した。
 
 「白百合乃調べ」
 
 「師弟山」
 
 「春光地湧(涌)乃友」
 
 墨痕鮮やかな書が壇上に運ばれると、感動の拍手が高鳴った。
 
 次いで、欧州SGIの共同議長に就いたスザンヌ・プリチャードさん、ロバート・ハラップさんが登壇。「ヨーロッパ会議」発足50周年の節を刻む今月を、各国の同志が地涌の連帯の拡大で飾った喜びを語りつつ、欧州を覆う不信と分断の闇を破り、協調と連帯の時代を築く誓いを力強く述べた。

ワン・ヨーロッパ! ウィズ・センセイ!(欧州は一つ! 池田先生と共に!)――欧州SGIのプリチャード、ハラップ両共同議長が、平和世紀への開拓を呼びかける(東京戸田記念講堂で)
ワン・ヨーロッパ! ウィズ・センセイ!(欧州は一つ! 池田先生と共に!)――欧州SGIのプリチャード、ハラップ両共同議長が、平和世紀への開拓を呼びかける(東京戸田記念講堂で)

 音楽隊の創価グロリア吹奏楽団と鼓笛隊の創価シャイニングスピリッツが「戴冠式行進曲」(マイアベーア作曲)を祝賀演奏。続いて、梁島男子部長が、明年3月に迎える池田先生の青年部の室長就任70周年、広布後継の「3・16」を記念して、明春、「世界青年平和大会(仮称)」を開催することを発表した。永石女性部長は、女性部発足から2年の今、池田華陽会をはじめ若い世代が生き生きと折伏に励む姿を紹介。最も大切な最前線のグループに力を注ぎ、麗しい女性部の連帯を築きながら、創価の哲学を語り広げようと述べた。

希望の音律よ届け! 躍動感あふれる演奏を披露した音楽隊・創価グロリア吹奏楽団と鼓笛隊・創価シャイニングスピリッツ(同)
希望の音律よ届け! 躍動感あふれる演奏を披露した音楽隊・創価グロリア吹奏楽団と鼓笛隊・創価シャイニングスピリッツ(同)

 原田会長は、全同志の健闘をたたえ、誠実の人が勝つ社会をつくるために前進また前進をと強調。広布推進の最重要の鍵は「人材」であると述べ、勤行をはじめとする信仰の基本を教える納得の対話、相手を深く知る一対一の語らいで信行学の実践に主体的に取り組むメンバーを増やし、信心の歓喜みなぎる組織を築こうと訴えた。
 
 最後に、99年5月の本部幹部会での池田先生のスピーチ映像を視聴した。
 
 ※本部幹部会の「モバイルSTB」での配信は、11日午前9時から(インターネットを通してダウンロードが必要です)。「SOKAnet会員サポート」では配信しません。

大樹と育て! 参加した未来部の代表
君たち、あなたたちこそ社会の限りない希望――本部幹部会に参加した未来部の代表が、原田会長、永石女性部長らと記念のカメラに。若き友の瞳には“師弟のバトンを継ぐ正義の人材に!”との誓いがみなぎる(東京戸田記念講堂で)
君たち、あなたたちこそ社会の限りない希望――本部幹部会に参加した未来部の代表が、原田会長、永石女性部長らと記念のカメラに。若き友の瞳には“師弟のバトンを継ぐ正義の人材に!”との誓いがみなぎる(東京戸田記念講堂で

第13回本部幹部会への池田先生のメッセージ2023年5月4日

  • 人間革命の不屈の舞で 人類に平和共生の春を
1999年5月の本部幹部会でスピーチする池田先生(東京牧口記念会館で)
1999年5月の本部幹部会でスピーチする池田先生(東京牧口記念会館で)

 一、それは、天も晴れ、地も晴れ、友の心も晴れわたる1951年(昭和26年)の5月3日、恩師・戸田城聖先生の第2代会長就任式での懐かしい一コマであります。

 式典の最後に、戸田先生が学会歌の指揮を威風堂々と執られた際、その勢いで卓上の水差しとコップがぶつかって、どちらも割れてしまったのです。
 みんな、驚きもし、慌てもしました。

 ところが、戸田先生は、にっこりと語られました。
 ――水差しとコップが、お互いに相手を責めても始まらない。信心も同じだよ。誰からも決して壊されない自分になるのです。人ではない。自分でどんな宿命も変えられるのが、信心なんだよ、と。

 我ら創価の師弟は一年また一年、5月の3日に、旭日のごとく元初の生命で出発し、明るく仲良く朗らかに、全てを希望へ、前進へ、勝利へ転じて、共々に金剛不壊の仏の大境涯を築いていくのです。

 ヨーロッパとオセアニアの尊き同志を迎え、日本全国そして全世界の友と、師弟の凱歌轟く大晴天の5月3日の本部幹部会、誠におめでとう!(大拍手)

「創価学会母の日」35周年――慈悲と福智の笑顔を讃えよ
「白百合乃調べ」の書が「創価学会母の日」を祝して披露された
「白百合乃調べ」の書が「創価学会母の日」を祝して披露された

 一、きょうは、全同志の偉大なる大奮闘への感謝を込めて、三つの書を披露させていただきます。
 
 はじめに、「創価学会母の日」の35周年を祝して、「白百合乃調べ」であります。
 
 恩師は、よく言われました。「世間には意地悪な顔や、ヤキモチ焼きの悪口がいっぱいだ。その中で、白百合の香りも高き、わが学会の女性たちの福運ある笑顔を見給え! 清々しい慈悲の声を聞き給え!」と。
 
 うれしいことに、創価の母たち・女性たちが健気にも謳い上げてきた、この「白百合の調べ」は、今まさに日本も世界も、「ヤング白ゆり」の世代と「華陽姉妹」のスクラムに、生き生きと受け継がれ、はつらつと奏でられております。
 
 古来、ヨーロッパでは、白百合は「希望」や「清らかさ」の象徴とされ、「正義の旗」とも、「喜びを伝える教師」とも讃えられてきました。まさしく慈折広布へ、ひとすじに進む女性リーダーの福智の生命そのものであります。
 
 今月の「華陽カレッジ」、また来月の「女性部総会」の楽しく賑やかな大成功を、皆で祈り大応援しましょう。この「白百合乃調べ」の書は、創価世界女性会館に、妻と私からのお祝いとして贈らせていただきます(大拍手)。

青年部と未来部よ、「従藍而青」の人間王者と育て
池田先生がかつてしたためた「師弟山」の書。不動の師弟の心で進みゆけ、と
池田先生がかつてしたためた「師弟山」の書。不動の師弟の心で進みゆけ、と

 一、次の書は、「師弟山」であります。
 
 日蓮大聖人は、「須弥山と申す山の大地をつ(突)きとお(通)して傾かざるがごとし。天・地・人を貫いて少しも傾かざるを王とは名づけたり」(新2032・全1422)と仰せになられました。
 
 御本仏に直結し、広宣流布の誓願で結ばれた創価三代の師弟は、大地を突き通して聳え立つヒマラヤのごとく、いかなる嵐にも微動だにしません。
 正義の師弟という不動の山を心に抱けば、何ものにも惑わず、何ものをも恐れず、何ものにも負けない不二の力を無窮に発揮できるのであります。
 
 創立の師・牧口常三郎先生は、山は人物の育成処であり、人材の出発点であると論じられました。我らの永遠不滅なる師弟山から、いよいよ従藍而青の青年部・未来部を育て、地球民族の衆望を担い立つ人間の王者、哲学の王者、民衆の王者を、澎湃と送り出していこうではありませんか!

平和の春を送る地涌の使命をとどめた「春光地湧(涌)乃友」
平和の春を送る地涌の使命をとどめた「春光地湧(涌)乃友」

 一、最後に、「春光地湧(涌)乃友」であります。
 
 地涌の菩薩とは、あえて最も厳しい試練の冬の時代に躍り出て、「春の光」を赫々と放ちゆく生命です。「冬は必ず春となる」という「人間革命」「宿命転換」「立正安国」の不屈の舞を、歓喜踊躍して繰り広げるのです。
 
 大聖人は、法華経に地涌の菩薩が「地よりして涌出す」と説かれる意義を、「『地』よりとは、我ら衆生の心の大地のことである。『涌出』とは、広宣流布の時、一閻浮提の一切衆生が法華経の行者となることを言うのである」(新1161・全834、趣意)と示してくださっております。

池田先生の提案による5・3「創価学会母の日」制定35周年の佳節を飾ろうと、対話・激励に走り抜いて迎えた女性部の友(東京戸田記念講堂で)
池田先生の提案による5・3「創価学会母の日」制定35周年の佳節を飾ろうと、対話・激励に走り抜いて迎えた女性部の友(東京戸田記念講堂で)

 もとより男女はきらわず、民族も文明も宗教さえも超えて、誰もが地涌の生命を持っています。万人が妙法という大宇宙の究極の法則との出あいを待っています。
 
 法華経に「同時に涌出せり」とある通り、今、世界広布は同時進行で展開し、聖教新聞には桜梅桃李の多彩な人華の勝利劇が、日々、躍動しております。信頼し合い、励まし合う笑顔と笑顔が、これほど光る新聞はないでしょう。
 
 私たちは、いやまして「声、仏事をなす」(新985・全708等)と、勇敢に誠実に快活に対話へ打って出てまいりたい。そして心も広々と、「師弟共に唱うる」題目の音声で、この地球を包みながら、新たな地涌の友を創り広げ、人生に幸福和楽の春を、社会に価値創造の春を、人類に平和共生の春を輝かせていくことを深く誓い合って、私のメッセージとします。
 
 わが全宝友の益々の健康長寿と無事安穏、そして福徳無量を祈りに祈ります(大拍手)。

5月3日の朝。旭日が総本部の広宣流布大誓堂を赫々と照らし、空を走る雲は「Vサイン」を描き出した
5月3日の朝。旭日が総本部の広宣流布大誓堂を赫々と照らし、空を走る雲は「Vサイン」を描き出した