毎日が、始めの一歩!

日々の積み重ねが、大事な歴史……

さい帯血からiPS細胞

2016年08月29日 | 政治

再生医療へ重要な一歩

公明新聞:2016年8月28日(日)付

さい帯血から作ったiPS細胞提供までの流れ
さい帯血からiPS細胞


対談
山本香苗さん(党造血幹細胞移植推進PT座長)
高須直子さん(京都大学iPS細胞研究所副所長)
京都大学iPS細胞研究所は23日、病気やけがで失われた臓器や組織を復元する再生医療に役立ててもらおうと、赤ちゃんのへその緒や胎盤に含まれるさい帯血から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、研究機関などに提供することを始めました。今回の意義などについて、高須直子同副所長と山本香苗・公明党造血幹細胞移植推進PT座長(参院議員)が語り合いました。

研究機関に提供開始

成人血液に比べ高品質 山本
日本人の約17%カバー 高須

山本香苗さん山本 昨年7月、厚生労働副大臣だった時に山中伸弥所長から「さい帯血から作ったiPS細胞が間もなく出来上がる」という話を聞いて、今か今かと待っていました!

高須  iPS細胞を作ったのは昨年でしたが、その後に品質評価を徹底的にやり、それが終わったのが今年7月末でした。

山本  さい帯血由来のiPS細胞は、成人の血液から作った場合に比べて、遺伝子変異が少ない点で高品質なのが特徴ですね。

高須  はい。加えて、iPS細胞をたくさん作れる点でも優れています。

さい帯血由来のiPS細胞と、昨年8月に提供を始めた末梢血(手足など末梢部位を流れている血液)由来のiPS細胞のうち、その後に分化させたい神経、心筋などの細胞に適した方を研究機関に選んで使ってもらいます。

山本  患者に届けるまでには、まだ時間がかかりますが、極めて重要な一歩です。

高須  研究所では2013年度から、このように他人の細胞からiPS細胞をあらかじめ作製し、保存しておく「iPS細胞ストック」を進めてきました。
      患者本人の細胞を使った場合より、時間や費用の削減に寄与できるのが利点です。

山本  他人の細胞を移植しても拒絶反応が起きないんですよね。

高須  今回の「第1号」は、日本人に最も多い型のHLAの細胞(さい帯血)から作りました。
        日本人の約17%に拒絶反応なく移植できると考えられています。


当面の目標は、さい帯血や末梢血由来のiPS細胞を数種類のHLA型から作り出し、17年度末までに日本人のそれぞれ3~5割程度をカバーすることです。


さい帯血は“宝の山”

法整備で利用を後押し 山本
公明党の追い風に感謝 高須

山本  12年10月、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった直後の山中所長が、公明党の会合で「さい帯血という“宝の山”を、
         iPS細胞という違う形で患者のために使わせてもらいたい」と熱く語られました。
       それを聞いて、「さい帯血がiPS細胞となって、より多くの命を救うことができるんだ」と感動したことを今も覚えています。

高須   この年はさい帯血がiPS細胞作製に使えるようになった画期的な年でした。

山本   はい。9月には、白血病などの治療に有効な造血幹細胞(骨髄、末梢血幹細胞、さい帯血)の移植を一体的に進める法律が成立しました
         (14年1月施行)。


        35条には「さい帯血を研究のために提供できる」という規定があり、iPS細胞研究へのさい帯血利用が法的に担保されたんです。

高須   そうです。これは私たちへの追い風になりました。山中所長が同年春にNPO法人・さい帯血国際患者支援の会の有田美智世理事長たち
          に相談したりしていたことだったので。


山本    実はそれを知って法律に盛り込んだんです。

高須    初耳です!

山本    公的さい帯血バンクに凍結保存されているさい帯血は、移植のために提供されたものです。
          しかし実際は、保存から10年たったものや細胞数が少ないものは破棄されたり、研究機関に提供されたりしていました。

        こうした実態を踏まえ、各バンクがさい帯血を提供する際のルールを明確化し、法定化したんです。

高須    公的さい帯血バンクは、まさにiPS細胞ストックの土台です。本当に感謝しています。

山本    公明党は有田さんたちと共に200万人超の署名を集め、1998年にさい帯血移植への保険適用、
          99年に公的さい帯血バンクの設立を実現しました。また、多くの女性党員がさい帯血を採取した医療機関から
          保存場所への搬送に携わっており、今回のことをとても喜んでいます。


           今後も引き続き、再生医療の実用化に向けて党を挙げて取り組みます。

【HLA】

ヒト白血球型抗原の略称で、細胞の自他を区別する型。細胞にとっての血液型のようなもの。自身の型と異なる場合、体が「異物」と認識し、免疫拒絶反応が起こる。
たかす・なおこ

1987年、広島大学大学院生物圏科学研究科修士課程を修了。住友製薬(現・大日本住友製薬)の研究所および知的財産部を経て、2008年から京都大学iPS細胞研究所に勤務。15年に教授に就任し、16年4月から副所長。


再生医療へ重要な一歩

公明新聞:2016年8月28日(日)付

さい帯血から作ったiPS細胞提供までの流れさい帯血から作ったiPS細胞提供までの流れ

さい帯血からiPS細胞
対談
山本香苗さん(党造血幹細胞移植推進PT座長)
高須直子さん(京都大学iPS細胞研究所副所長)

京都大学iPS細胞研究所は23日、病気やけがで失われた臓器や組織を復元する再生医療に役立ててもらおうと、赤ちゃんのへその緒や胎盤に含まれるさい帯血から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、研究機関などに提供することを始めました。今回の意義などについて、高須直子同副所長と山本香苗・公明党造血幹細胞移植推進PT座長(参院議員)が語り合いました。

研究機関に提供開始

成人血液に比べ高品質 山本
日本人の約17%カバー 高須

山本香苗さん山本 昨年7月、厚生労働副大臣だった時に山中伸弥所長から「さい帯血から作ったiPS細胞が間もなく出来上がる」という話を聞いて、今か今かと待っていました!

高須 iPS細胞を作ったのは昨年でしたが、その後に品質評価を徹底的にやり、それが終わったのが今年7月末でした。

山本 さい帯血由来のiPS細胞は、成人の血液から作った場合に比べて、遺伝子変異が少ない点で高品質なのが特徴ですね。

高須 はい。加えて、iPS細胞をたくさん作れる点でも優れています。

さい帯血由来のiPS細胞と、昨年8月に提供を始めた末梢血(手足など末梢部位を流れている血液)由来のiPS細胞のうち、その後に分化させたい神経、心筋などの細胞に適した方を研究機関に選んで使ってもらいます。

山本 患者に届けるまでには、まだ時間がかかりますが、極めて重要な一歩です。

高須 研究所では2013年度から、このように他人の細胞からiPS細胞をあらかじめ作製し、保存しておく「iPS細胞ストック」を進めてきました。

患者本人の細胞を使った場合より、時間や費用の削減に寄与できるのが利点です。

山本 他人の細胞を移植しても拒絶反応が起きないんですよね。

高須 今回の「第1号」は、日本人に最も多い型のHLAの細胞(さい帯血)から作りました。日本人の約17%に拒絶反応なく移植できると考えられています。

当面の目標は、さい帯血や末梢血由来のiPS細胞を数種類のHLA型から作り出し、17年度末までに日本人のそれぞれ3~5割程度をカバーすることです。

さい帯血は“宝の山”

法整備で利用を後押し 山本
公明党の追い風に感謝 高須

山本 12年10月、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった直後の山中所長が、公明党の会合で「さい帯血という“宝の山”を、iPS細胞という違う形で患者のために使わせてもらいたい」と熱く語られました。

それを聞いて、「さい帯血がiPS細胞となって、より多くの命を救うことができるんだ」と感動したことを今も覚えています。

高須直子さん高須 この年はさい帯血がiPS細胞作製に使えるようになった画期的な年でした。

山本 はい。9月には、白血病などの治療に有効な造血幹細胞(骨髄、末梢血幹細胞、さい帯血)の移植を一体的に進める法律が成立しました(14年1月施行)。

35条には「さい帯血を研究のために提供できる」という規定があり、iPS細胞研究へのさい帯血利用が法的に担保されたんです。

高須 そうです。これは私たちへの追い風になりました。山中所長が同年春にNPO法人・さい帯血国際患者支援の会の有田美智世理事長たちに相談したりしていたことだったので。

山本 実はそれを知って法律に盛り込んだんです。

高須 初耳です!

山本 公的さい帯血バンクに凍結保存されているさい帯血は、移植のために提供されたものです。しかし実際は、保存から10年たったものや細胞数が少ないものは破棄されたり、研究機関に提供されたりしていました。

こうした実態を踏まえ、各バンクがさい帯血を提供する際のルールを明確化し、法定化したんです。

高須 公的さい帯血バンクは、まさにiPS細胞ストックの土台です。本当に感謝しています。

山本 公明党は有田さんたちと共に200万人超の署名を集め、1998年にさい帯血移植への保険適用、99年に公的さい帯血バンクの設立を実現しました。また、多くの女性党員がさい帯血を採取した医療機関から保存場所への搬送に携わっており、今回のことをとても喜んでいます。

今後も引き続き、再生医療の実用化に向けて党を挙げて取り組みます。

【HLA】

ヒト白血球型抗原の略称で、細胞の自他を区別する型。細胞にとっての血液型のようなもの。自身の型と異なる場合、体が「異物」と認識し、免疫拒絶反応が起こる。

たかす・なおこ

1987年、広島大学大学院生物圏科学研究科修士課程を修了。住友製薬(現・大日本住友製薬)の研究所および知的財産部を経て、2008年から京都大学iPS細胞研究所に勤務。15年に教授に就任し、16年4月から副所長。

さい帯血からIPS細胞

2016年08月19日 | 政治

さい帯血からIPS細胞

NEW!2016年08月19日      テーマ: 公明党のチーム力
竹谷とし子です。

200万人以上の署名の後押しで実現したさい帯血バンク。たくさんの白血病の患者さんの命を救っています。

さらに、保存され使われなかったさい帯血から、山中伸弥先生が所長をされている研究機関で「IPS細胞」が作成され、患者さんにいつでも提供できるよう、ストック事業が始まった、という嬉しいニュースがありました。

「さい帯血からIPS細胞を作って、これをストックしていければ、患者さんが必要になった時に、より短期間で、コストも安く提供できる。ぜひ、公明党に力を貸して欲しい。」

ノーベル賞受賞直後に公明党の講演会に来て下さった山中先生からのお願いでした。

2012年10月18日 公明党 再生医療推進プロジェクトチーム会合にて山中先生と



その思いを真正面から受け止めて、保存されているさい帯血を研究にも利用できるよう「造血幹細胞移植推進法」に盛り込み、さらにIPS細胞を1日も早く患者さんが使えるよう「再生医療推進法」も公明党の推進で成立させました。

浜四津代表代行から松副代表、山本香苗女性局長、坂口力副代表と、バトンリレーで取り組んできたことが、しっかり実を結んでいます。

IPS細胞を患者さんが使うためには、「細胞の血液型」といわれるHLA型を合せる必要があります。輸血する時に血液型を合せるのと同じです。

山中先生の目標は、2020年までに80%の患者さんが使えるよう75種類の型のIPS細胞をストックすることです。

「新しい命がもうひとつの命を救う」さい帯血の取り組みから19年。命を守る公明党として、しっかり後押ししていきます。


イチローは絶対に

2016年08月10日 | スポーツ


「イチローは絶対に手放したくない」 絶賛の声が続々



 マイアミ・マーリンズのイチロー外野手が歴史的偉業を達成した。8月7日(現地時間)にコロラド州デンバーで行われた敵地ロッキーズ戦に「6番・中堅」で8試合ぶりに先発出場すると、7回の第4打席で右翼フェンス直撃の三塁打を放って史上30人目となるメジャー通算3000本安打に到達。

 16シーズン目での偉業達成はあのピート・ローズ氏(フィラデルフィア・フィリーズなどでプレー)と並んで史上最速タイ、三塁打での記録到達はポール・モリター(現ミネソタ・ツインズ監督)に次いで2人目となった。そして、この三塁打によって日米通算の三塁打数を116本とし、福本豊氏(オリックス・ブレーブスなどでプレー)の日本記録も更新した。

 実に感動的な場面だった。偉業を成し遂げた三塁ベース上のイチローに、三塁側ベンチからマーリンズのチームメートたちが駆け寄ってきて祝福。敵地ながらもクアーズフィールドの観客は総立ちでスタンディングオベーションを送り、その万雷の拍手と大歓声にイチローもヘルメットを取って応じた。

 そしてすでに塁上でも目に光るものがあったイチローは本塁生還後、ベンチに戻るとサングラス越しで戦況を見つめながら頬に涙を伝わらせ、さりげなく拭った。これまで数々の金字塔を打ち立てた際にもポーカーフェースを貫いたレジェンドが、試合中に初めて見せた男泣き。試合中継でもテレビカメラにこの様子が映し出され、ネット上でも大きな感動を呼び起こした。

 その主役は試合後、クアーズフィールドで大勢の報道陣が集まった会見に姿を見せた。ここでも笑顔であったり、時に目頭を熱くさせたり……。そんなイチローの会見内容については、すでにメディアで見聞きしている人も多いと思うが、余りにも素晴らしいコメントが多かったのでその一部を掲載したい。

●今の僕にとって何より大事なこと

――大記録を達成した今の率直な感想を聞かせてほしい。

イチロー: この2週間強ですね……。ずいぶん、犬みたいに年取ったんじゃないかと思うんですけれど、あんなに達成した瞬間にチームメートたちが喜んでくれて、ファンの人たちが喜んでくれた。僕にとって3000という数字よりも、僕が何かをすることで、僕以外の人たちが喜んでくれることが、今の僕にとって何より大事なものだということを再認識した瞬間でした。

――現在42歳だが、今も昔も変わらずに準備を怠ることがない。どうしてここまで野球を好きでいられるのか。

イチロー: うまくいかないことが多いからじゃないですか。これが、もし成功率が7割を超えなくてはいけない競技であったら辛いと思います。3割で良しとされる技術なので、打つことに関しては。これはいくらでも自分の志といったらちょっと重いですけど、それさえあればその気持ちが失われることはないような気がしますけどね。

――達成感をどういうふうに消化して、これから前に進むのか。

イチロー: 達成感って感じてしまうと、前に進めないんですか? そこがそもそも僕には疑問ですけど。達成感とか満足感は僕は味わえば味わうほど前に進めると思っているので、小さなことでも満足感、満足することはすごく大事なことだと思うんですよね。だから、僕は今日のこの瞬間、とても満足ですし、それを味わうとまた次へのやる気、モチベーションが生まれてくると、これまでの経験上、信じているので、これからもそうでありたいと思っています。

●イチローの存在を高く評価

 会見場でイチローが発した地元マイアミのメディアでも当然のように大きく扱われた。地元テレビ局の『FOXスポーツ・フロリダ』はこれらの言葉を英訳とともに番組内で同日の「速報」として放映し、出演したアンカーが「イチローはプレーだけでなく発言でも我々をいつも驚かせ、そして感動させてくれる。まるで野球の教科書のような素晴らしいレジェンドをマーリンズは永遠に手放してはいけない。ミスター・イチロー、あなたは生涯マーリンズのレジェンドだ」と真剣な表情で画面を通じてメッセージを送るワンシーンまで見られたほどだった。

 実際のところ、このイチローの「生涯マーリンズ」は希望的観測ではなく球団の中で“規定路線化”しているようだ。昨年10月にマーリンズと1年200万ドル(約2億500万円)、2017年は契約選択権付きの内容で契約を更新。しかし「1年契約」とはいうものの、球団側はこの先もイチローを手放すことは考えてはいない。

 イチローは現状で言えば、クリスチャン・イエリッチ、ジャンカルロ・スタントン、マルセル・オズナの3人に次ぐ外野手4番手。24?26歳の年齢で将来を嘱望される若い3人が優先的に先発起用されるのは、チーム事情を考えるとやむを得ない部分もある。それでも球団側はイチローの存在を高く評価し続けている。

 メジャー最年長野手のイチローに対し、正外野手の3人を含め若いチームメートたちが「ロール・モデル(お手本)」として尊敬の眼差しを向けているからだ。背番号51が模範的存在となって、それに連動するかのようにチーム全体の士気が向上し、弱小だったマーリンズが“リアル・プロフェッショナル”へと徐々に生まれ変わってきているのである。

 2013年は球団史上2度目の100敗を数え、3年連続ナ・リーグ東地区最下位。翌2014年も地区4位に沈んだ。しかしイチローを迎えた1年目の昨季こそ借金20で地区3位だったが、少しづつ順位を上げていき、ここまで今季は貯金を積み重ねて地区2位で公式戦の終盤を迎えようとしている。

 地区首位のワシントン・ナショナルズとは差があるものの、ワイルドカード争いにも食い込んでいることから実に13年ぶりとなるポストシーズン進出も現状で十分に狙える位置にいる。これも“イチロー・イズム”がチームにいい形で浸透しているからと言っていいかもしれない。

●「生涯マーリンズ」もほぼ確約

 それを証明するかのようにチーム編成の責任者であるマイケル・ヒルGMはイチローのグラウンド以外の貢献度についても次のように高く評価している。

 「選手の誰もがイチローのことを見ている。球場にいち早くやって来て、黙々と汗を流す。そして試合に備える。イチローにとっては当たり前のルーチンワークかもしれないが、若い選手にとってはそのすべてが模範的な行動になる。

 多くのメジャーリーガーが『イチローのようになりたい』と思っているわけで、その本物がチームの中にいるということは所属選手たちにとってこれ以上ない有益なプラス要素だ。だからイチローはプレー以外の面でもチームを間違いなく大きく変えてくれている」

 そう評価するヒルGM(昨季は編成本部長)の意向を汲んでマーリンズ側がイチローの代理人を務めるジョン・ボッグス氏に、昨年秋の契約更新の時点で「我々としては、いたいだけいてほしいと思っている」と異例の“終身雇用案”として内々に伝えたと報じるメディアも一部にあった。

 イチローも今のマーリンズでプレーする環境をとても気に入っているようだ。常時スタメンでの保障はなく、どうしても代打起用が多くなる状況下ではあるものの、そういう難しいスタンスを強いられることを差し引いても若いチームメートたちからリスペクトされ、そして打ち解け合う境遇に喜びを感じている。

 今季からチームを指揮するドン・マッティングリー監督もニヤリと笑いながら、こう補足する。

 「イチローは若い選手たちに何かを押し付けるのではなく、自分のプレーや言動によって周りを引きつけていくタイプ。そういう彼に選手たちは強い共感を覚えている。そういう意味でもマーリンズがすごくフィットしているのだろう。

 彼は試合だけでなく練習でもクラブハウスでも生き生きとしているし、それによってチームにもかけがえのない良い影響を与えてくれている。(『チームにいてほしいか』の問いに)当然だよ。こんな偉大なレジェンドを誰が手放すのかい?」

 これほどまでにメジャーリーグからリスペクトされる日本人選手は二度と出てこないかもしれない。「生涯マーリンズ」もほぼ確約され、今年10月には43歳となるイチローの今後の戦いにもまだまだ注目し続けたい。


都知事選「小池圧勝」の裏にある異例の行動力 目標を達成するカギは意志ややる気ではない

2016年08月08日 | 政治


都知事選「小池圧勝」の裏にある異例の行動力 目標を達成するカギは意志ややる気ではない




小池百合子氏の真価はこれから問われます(撮影:尾形 文繁)c 東洋経済オンライン 小池百合子氏の真価はこれから問われます(撮影:尾形 文繁)   
 無所属で立候補した小池百合子氏が、初の女性都知事に当選しました。今回の都知事選では、野党4党の推薦を受けた鳥越俊太郎氏、自民党の推薦を受けた増田寛也氏、そこに小池氏を加えた「三つどもえ」の戦いとしてメディアから注目を集めていましたが、終わってみれば小池氏の圧勝。これには、ひとえに彼女の行動力の高さがポイントだったのではないかと感じています。

 なぜこんなことを言うのか、それは目標を達成するためには、「行動」にフォーカスする必要があり、これは裏を返せば、行動したからこそ結果が出たともいえるからです。拙著『1%の素敵な人だけが実践している「なりたい自分」になる方法』でも解説していますが、目標を達成する人たちは、ほかの人と比べて意志の力が強いわけでもなく、やる気が高いわけでもありません。何よりもまず「行動」しているから、目標を達成できるのです。そして、これは小池氏も例外ではありません。

立候補表明から垣間見えた「異例の行動力」

 私は現在、行動習慣コンサルタントとして個人や法人を対象にセッションを行っていて、「行動科学マネジメント」という手法を用いています。これは米国発祥の行動分析学をベースにしたノウハウで、行動科学マネジメントでは、行動を【先行条件】【行動】【結果】の3つの要素から成り立っていると定義します。

 たとえば、今回の都知事選でいえば、次の3つに分けられます。

 【先行条件】立候補する


 【行動】選挙活動(PR)をする


 【結果】有権者に投票してもらう

 選挙をするためには、まず立候補しなければ始まりません(【先行条件】)。そして立候補すると、各自選挙活動をします(【行動】)。選挙活動を積み重ねた結果、候補者は有権者から投票をしてもらいます(【結果】)。

 これを今回の小池氏で当てはめて考えてみた場合、小池氏は自民党内の調整を待たず、早々に立候補を表明するという異例の行動に出ました。一般人であれば、都知事選という大舞台、思いつきこそするものの、行動に至る人は皆無でしょう。現に政治のプロである政治家、自民党内部からも批判の声が上がりました。しかし、今となっては、誰よりも早くに行動したことで、メディアからの注目を集めたといえます。

 「先出しジャンケン」ともいわれた立候補の表明は、身内から強いバッシングを受けましたが、有権者の目には、東京都議会という現体制に真っ向から切り込んでいく強い候補者像として映ったでしょう。イメージカラーである“グリーン”を取り入れながら、各地でPRしたのも存在感を強くアピールするための積極的な「行動」といえます。

「行動の見える化」で集中力を切らさずPR

 また、今回の小池氏の選挙活動において、行動科学マネジメントの観点で特筆すべきポイントがあります。それが「行動の見える化」です。行動科学マネジメントでは、行動を強化する手段のひとつとして位置づけていて、小池氏はこれを緻密に行ったため、投票数を伸ばせたともいえます。

 たとえば、小池氏の東京都知事選特設サイトを見るとわかりますが、HP上には東京都の地図がアップされ、街頭演説をしたエリアがすべてイメージカラーの緑で埋め尽くされています。過去の演説日程についても、日時、場所がつぶさに記載されています。このように自分の行動を「見える化」しておけば、告示から投開票日までの間、集中力を切らすことなく、選挙活動が続けられます。

 「行動の数=有権者へのPR数」ですから、多くの人たちにアピールができたはずです。演説時の動画をアップしたり、Twitterで有権者からの意見をもらったりするなどSNS対策にも抜かりはありませんでした。

行動こそが結果を手繰り寄せる

 もちろん、ほかのライバル候補者が行動していなかったわけではありません。ただ、増田氏陣営からは女性差別とも取れるヤジが飛び、鳥越氏からは女性スキャンダルが浮上。そんな中で男性都知事しかいなかった都知事選に女性として、ただひとり果敢に挑戦している姿が目にとまれば、誰もが自然と応援したくなります。女性票はもちろん、浮動票も小池氏に流れたのは当然といえるのかもしれません。

 これまでも小池氏は、環境相や女性初の防衛相を歴任しています。環境相時代には、「クールビズ」の定着に貢献するなど、類いまれな行動力に定評がありました。これだけ行動力のある政治家が初の女性都知事として就任するのですから、周囲の期待はとても高いものでしょう。

 私が思うに、政治とは行動の積み重ねです。有権者からの声なき声を拾い、それをいかに行動して形にしていくかが問われます。小池氏は、「これまでにない都政、これまでに見たことのないような都政を、みなさま方とともに進めてまいりたい」と話しているといいますが、同じ女性としてぜひともこれからの小池都知事が行動で都政を変えていくことを期待したいです。