放流のため水中担架に乗せられたジンベエザメの「海くん」=29日午前、高知県土佐清水市 動画はこちらへ
大阪市港区の水族館「海遊館」で約3年10か月間飼育され、7月に引退したジンベエザメの「海くん」(雄、推定年齢9~10歳)が太平洋に放流されることになりました
海くんは2007年6月に室戸市沖で定置網にかかり保護。同年9月~2011年7月の間、大阪で飼育され、迫力ある泳ぎでファンを魅了してきました
捕獲時は全長4・1メートル、推定体重0・9トンだった海くんも、今では全長5・5メートル、推定体重1・5トンまで成長。
全長6メートルを超えると移送や飼育が難しくなるため引退が決まりました。海くんは専用の担架に乗せられ、漁船で約3キロ沖にえい航された後、放されました。見送った海遊館の飼育者は「さみしいけれど、広い海を泳ぎ回って長生きして」と別れを惜しんでいました。
ジンベエザメは、成長すると全長が12〜13mになる、世界でいちばん大きな魚類です。性格は大変おとなしくて、人を襲ったりはしません。
世界中のあたたかい海を、ゆっくりと泳ぎながら生活しており、日本にも初夏から秋にかけて、主に本州や四国、九州の太平洋側の沿岸を黒潮にのってやってきます。
ジンベエザメは海の中をただよっている、小さなエビの仲間(オキアミやイサザアミ、サクラエビ)などのプランクトンを食べます。
広い太平洋は故郷。今度は網にかからないように
。時々、人間を楽しませたことを良い思い出として、海の仲間たちと生き続けてくださいね。「海くん」ありがとう。