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小説「新・人間革命」に学ぶ 第27巻 御書編

2021年03月18日 | 妙法

小説「新・人間革命」に学ぶ 第27巻 御書編2021年3月18日

  • 連載〈世界広布の大道〉
イラスト・間瀬健治
イラスト・間瀬健治

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第27巻の「御書編」。小説で引用された御書、コラム「ここにフォーカス」と併せて、識者の声を紹介する。挿絵は内田健一郎。

学会が仏法の正義守り抜く
【御文】

 時の貫首為りと雖も仏法に相違して己義を構えば之を用う可からざる事(御書1618ページ、日興遺誡置文

【通解】

 たとえ、時の貫首(一宗の法主)であっても、仏法の正義に背いて、勝手な自説を立てた場合には、これを用いてはならない。

【小説の場面から】

 <1943年(昭和18年)6月末、軍部政府の弾圧を恐れた宗門は、法主同席のもと、「学会も、一応、神札を受けるようにしてはどうか」と迫る>
 
 神札を受けることは、正法正義の根本に関わる大問題である。また、信教の自由を放棄し、軍部政府の思想統制に従うことでもある。牧口は、決然と答えた。
 
 「承服いたしかねます。神札は、絶対に受けません」
 
 (中略)
 
 その場を辞した牧口は、激した感情を抑えながら、愛弟子の戸田に言った。
 
 「私が嘆くのは、一宗が滅びることではない。一国が眼前でみすみす亡び去ることだ。宗祖大聖人のお悲しみを、私はひたすら恐れるのだ。今こそ、国家諫暁の秋ではないか!」
 
 弟子は答えた。
 
 「先生、戸田は命をかけて戦います。何がどうなろうと、戸田は、どこまでも先生のお供をさせていただきます」
 
 創価の師弟とは、生死をかけた広宣流布への魂の結合である。
 
 それからほどなく、牧口と戸田は、「不敬罪」並びに「治安維持法違反」の容疑で、逮捕、投獄されたのだ。(中略)会長の牧口常三郎らが逮捕されるや、周章狼狽した宗門は、牧口一門の総本山への登山を禁ずるなど、学会との関わりを断とうとしたのだ。
 
 日蓮大聖人の仏法の清流は、正法正義を貫いた牧口と戸田城聖の、創価の師弟によって死守されたのである。
 
 (「正義」の章、122~124ページ)
 

青年は勇んで民衆と同苦を
【御文】

 一切衆生の異の苦を受くるは悉く是れ日蓮一人の苦なるべし(御書758ページ、御義口伝)

【通解】

 一切衆生が受けているさまざまな苦悩は、ことごとく日蓮一人の苦である。

【小説の場面から】

 <1978年(昭和53年)5月5日、山本伸一はマスコミ各社の記者と懇談。青年時代に、人々と同苦していくことの大切さが論じられていく>
 
 ここには、全人類のさまざまな苦悩をわが苦とされ、万人に成仏の道を開かれた御本仏の、大慈大悲の御境涯が述べられている。その大聖人の御心を、わが心として立つのが、われら末弟の生き方である。自分のことだけを悩み、汲々としているのではなく、周囲の人たちと、あらゆる人びとと同苦し、苦悩を分かち合い、崩れざる幸福の道を示すために、広宣流布に生き抜くのだ。
 
 あの友の悩みに耳を傾け、懸命に励ましの言葉をかける。この人に、なんとしても幸せになってほしいと、必死に仏法を語り、題目を送る――われらの健気なる日々の実践こそが、大聖人に連なる直道であるのだ。
 
 その時、自身の偏狭なエゴイズムの殻は破られ、地涌の菩薩の、御本仏の大生命が胸中に脈動し、境涯革命の歯車が回転するのだ。
 
 伸一は、(中略)記者たちに語っていった。
 
 「苦労せずしては、人の苦しみはわかりません。もしも、そんな指導者が社会を牛耳るようになれば、民衆が不幸です。だから私は、未来を担う青年たちに、『苦労しなさい』と言い続けています。人びとの苦悩がわかる人になってもらいたいんです。そのためには、自ら困難を避けず、勇んで苦労を引き受け、人一倍、悩むことです」
 
 (「激闘」の章、226~227ページ)
 

ここにフォーカス 師の志の継承

 第27巻の連載は、2013年10月から開始されました。広宣流布大誓堂が完成したのは、同年11月のことです。
 
 2013年は、“黄金の3年”と意義付けられた、開幕の年に当たります。この年の夏、池田先生は「深く大きく境涯を開き、目の覚めるような自分自身と創価学会の発迹顕本を頼む」と指導しました。全国の同志は、この指針を深く心に刻み、“師弟誓願の殿堂”完成の瞬間を目指して、祈りを深め、広布にまい進してきました。その糧となったのが『新・人間革命』の連載でした。
 
 世界平和の構築のため、人類の未来のため、50年、100年先まで展望し、手を打っていく山本伸一。同巻に描かれる、その奮闘と精神を学びながら、創価の前進は勢いを増していったのです。
 
 落慶記念勤行会に先立つ11月5日、池田先生ご夫妻が出席しての入仏式が執り行われました。その日の連載には、「大事業は、一代で成し遂げられるものではない。弟子が、さらに、そのまた弟子が、先師の志を受け継ぎ、創業の思いで、全身全霊を注いでこそ、成就されるものである」とつづられています。
 
 ここに広宣流布を永遠たらしめる要諦があります。世代から世代へ、師の志を継承していく――それは、一人一人の水の流れるような地道な実践の積み重ねにあるのです。

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