市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

国民向け爆竹をやりたがる(必須)

2013-06-08 | 社会
 
 爆竹がつぎつぎに音を立てて爆発をくりかえす。ぼくらはそれに驚いてはならない。橋下大阪市長、安陪首相、猪瀬東京都知事のここのところの言動は、ぼくには爆竹のはじける音、音に聞こえてならない。アベノミクの実効性が問われだした今週、安陪首相は、大学入試改革をぶち上げた。たった一度のペーパーテストで合否を決めるのでなく高校在学中の成績を参考にし、数度の試験を積み重ね、学生の資質を判断するというのである。要はペーパーテストの変種でしない。しかもテストを複雑に、手間を面倒にし、税金を浪費する。そして、判定はさらに曖昧化していく。おまけに受験生およびその家族に経済的にも心理的にもおお迷惑。しかも曖昧、学校管理がテストというより内申書優位となり、その脅迫で、生徒を個人から国民化する手段になりかねない。そればかりか、学校の格差をより助長していく。それを可能なかぎり実現するというのだ。大きな爆発音を立てた。つぎに三浦冒険家を審査委員長として、国民冒険大賞を設け、日本人に勇気を与える表彰の設立だ。三浦冒険家のエレベスト登山が、なんで老人たちの偉業であるのか、よく心理を洞察すれば、おなじ老人だからわかるのだが、それは、とどのつまりはせまりつつある寿命つきるのを逃れたい、現実逃避の自己満足な行為でしかないのだ。もし本当の冒険なら、年寄りを守る防衛チームをつけず、本当の登山を目指してやるべきであろう。エレベストであればなんでも許されるのかといいたいのだ。そんなのは、冒険でもなんでない。勇気でもない。

 勇気をあたえられる老人の行為はそんなものではないのだ。80歳を越えて、日常を健康に、健康とは肉体ばかりでなく意識の健康さがより重要なのだが、そんな老人は、みのまわりにいっぱい発見できる。誰でも身近にいる知人のだれかれを思い出して欲しい。ぼくなんかも、そんな知人の一人をあげると、83歳で、ご主人の病室のコンクリート床に2ヶ月近く、直に布団を敷いて看病しつづけ看取って、健康も明るさもうしなわなかったおばあさんがいた。そして、今、99歳を迎えて、昔働いていた老人福祉施設で元気で、楽しく生活をつづけている。また65歳で大腸がんを克服、まえから趣味でしていた、あらゆる機器の修復をする作業場を庭に自分て建築、数万個の機器の部品を収集、毎日、持ち込まれる電話、テレビ、その他ありとあらゆる日用品たとえばベッドを介護用に電動で動くベッドに改造するとか、いろいろ修理、またを再生してボランティア活動をしている80才の高齢男性とか、そういう名も無き英雄たちが、あちこちにいる。エレベストに上るのとどちらが人生の冒険者なのかかんがえるだけでわかろう。人目を引かなきゃ存在しない、つまり驚かす音がいるのだ。橋下は、大阪にオスプレイの訓練基地を引き受けると、論理は沖縄の困難を本土で引き受けるのは当然の義務だという。それは、一見正義、反論のできない自明性をもっているが、自分勝手に大阪を使うという馬鹿げた主張でしかない。猪瀬は、いきなり時計を2時間はやめようという。そうすれば世界の投機市場と時間的ずれが生じないからという。これも一人一人の立場をまったく無視した爆竹音であった。

 これら3首長の特色は、正義を言う名の爆竹で、正義のまえには国民は、黙って従うべきだというほど、意識が自分本位になっていることである。国民というのはあっても、ひとびとの暮らし意識も人生もまったく意識の中に上ってこないのだ。この日常が、ひとびとの生きた姿が意識に上らないということでは、保守の山崎正和もそうだが、かれは、かって日本を10の巨大都市に区分するという奇天烈な都市論を発表したことがる。つまり田舎に楽しみも高度な文化もないから、巨大都市にして楽しみと文化を生み出すというのだ。その想像を絶した、見えないぶり、爆竹への偏愛になるほど彼らしいという本音をみるおもいだった。今は体力を失いおとなしくなった石原旧都知事もその典型であったのを思い出せよう。

 どうやら、マネタリーによるデフレ脱却は不可能であることが、これから見えていくことになるだろうと思う。ぼくらは、その現実を受け入れてそこかれ出発しなおすことが必要だし、また十分に可能だと、ぼくは思う。しかし、その現実を覆い隠すようにつぎつぎを爆竹がもちだされ、火をつけられて意識を惑わされようとしている。爆竹ははじけて爆音をたてたら、なにも残らない。その無意味な爆竹によって、一見、正義に、合理的に、時代の風とみさせるが、ひっかからないような意識が肝要であろうかと思う。すくなくとも、これからの一年が正念場であろう。新時代はまだ来てない。開けてもいない。そう現状をとらえていくべきであろうと思う。

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