(つづき)
西鉄のサイトでもダイヤ改正の概要が発表され、改正後の時刻検索もできるようになった。
毎年、発表前にどれだけ要点をまとめられるかに力を注いでいる面があるのだが、今年はあまり見て回ることができず、いまいちという感想である。
ただ、「いかに少ないポイントを見て概要をつかめるか」については、年々上達しているような気もする(笑)。
この記事からは、公式発表や新時刻検索の内容も踏まえ記述していく。
・金武~羽根戸地区大減便
「1番」の金武~野方方面の本数が半分以下になり、「2番」の羽根戸経由も半減である。
飯盛、羽根戸のあたりは廃止候補に挙げられているため、仕方ないのかもしれない。
こうなるのなら、「羽根戸道」の名称は変えないでいてほしかった。
福岡市内でも、板屋、志賀島、上の原、椎原、曲渕などの末端部や山間部については、「補助金で維持」ということがあり得ると思うのだが、羽根戸のような多くのバスが走っている地域に挟まれた場所であっても、補助金(=税金)でバス路線を維持するということが果たして行われるのだろうか。
もしそれが行われれば、西鉄が「利用者が少ないから廃止したい」と言って、住民が「バスがないと困る」と言えば、都市部であっても、補助金路線がどんどん増えるという事態にもなりかねず、一定のルール作りが必要なのではないだろうか。
・「2番特快」に上り新設
平日朝2本のみの運行である。
「3番特快」は、西新より郊外部では各駅停車(種別としては「快速」)に成り下がっているが、「2番」のほうは、本数は少ないながらも郊外部でもいまだに「特快」である。
・室住団地地区の補足
野方・室住団地~原~藤崎方面(下りは「2-3番」、上りは「2番」)は、平日2割以上の減便となっている。
また、「8番」も約3割の減便であり、かなり厳しい状況だ。
・「3番」の山間部
昨年7月7日の記事で、“もし早良区の末端部、椎原・曲渕地区のバスに福岡市の補助金が入り、「曲渕~陽光台(複乗)~西神の原~脇山小(複乗)~椎原」のような路線ができたとしたら、それは「3番」となるだろうか、それとも「無番」となるだろうか”と書いていたのだが、今回まさにそのままの路線が登場する(番号は「無番」ではなく「3番」)。
陽光台or脇山小学校での乗り換えを前提とした、山間部だけを走る路線である。
「17番」に脇山小学校経由が復活したのも、これと関係ありそうだ。
・「15番」に博多ふ頭行き新設
「15番」の城南線系統の一部が、土日祝日限定で、博多駅から博多ふ頭まで延長される。
薬院駅前からは番号が、博多ふ頭行きの統一番号である「99番」に変わる。
薬院駅から博多ふ頭に行く路線はこの「15番」だけしかないのだが、中央ふ頭行きの「88番」に歩調を合わせ、薬院駅から番号を変えるようだ。
「15番」には、「博多駅~ゆめタウン博多」という全く別個の系統(もともとは同じ)もあるので、「10番」の九大病院系統の土日祝日運行を取りやめるのであれば、土日祝日のみ運行される博多ふ頭行きは「10番」でもよかったのではないだろうか(博多駅の時点では「99番」に変わっているし、博多駅での乗り場も交通センターの中と外で異なるため、別にいいのかもしれないけど)。
・千早駅~火の見下方面の大減便
香椎ローカルの「3番」は「廃止」という表現が用いられている。
ただ、「千早駅~火の見下~流通センター~土井営業所」については、
千早駅~火の見下~流通センター~土井営業所~「4番」~天神
天神~「4-3番」(都心向けは「4番」)~千早駅~火の見下~流通センター~土井営業所
という2つの系統により、一日数本のみ残ることになり、いずれも「千早駅~火の見下~流通センター~土井営業所」間は「3番」として運行されるようだ。
以前の記事で“ごく最近についてみると、西鉄の路線バスの全体的な運行本数は減少傾向にあり、少ない本数でいろんなところを結ぶ必要性がより高まってきたことから、便数に反比例して系統数は再び増加に転じているように見え、「DKH」の傾向はやや逆戻りしている感もある”と書いたことがあったが、これはまさにそういう状況である。
なお、千早駅~西鉄香椎間は廃止となり、西鉄香椎の「IIK」はさらに低下することになる。
・「23番」の新宮緑ケ浜行きが「26番」に変更
“「23番」の新宮緑ケ浜行きは、「23番」ではなく「26番」としたほうがよいのでは?”ということはこれまで何度も書いてきたのだが、ようやく実現である。
なんでここまで時間がかかったのかという感もあるが、「26番」の赤間行きの記憶が薄れてきた今だからこそ、とも言えるのかも。
なお、都心向けは「23番」のままとのこと。
「26番」の都心向けは現在運行されておらず、仮に緑ケ浜を「26番」として出発しても、福工大前では「23番」に変えないといけなくなる(←「必ず変えなきゃいけない」という訳ではないですけどね)ことから、“別に始発から「23番」でもいいやん”という判断なのだろう。
・「29N」経路変更
駅東ランプ経由の循環運行(→駅東ランプ→博多駅→呉服町ランプ)となる。
「合同庁舎」の博多駅方面行きの乗り場は、現在の一日1本から10本となり、便数が10倍に増える(反対方向は従来通り)。
JRとの「競合」という観点で捉えれば博多駅までの所要時間が短くなる一方、JRとの「住み分け」という観点で捉えれば博多駅周辺地区(呉服町~駅前一丁目)への所要時間が長くなる訳で、「住み分け」よりも「競合」を選んだという見方もできる。
果たしてこの選択の結果はどう出るだろうか?
・「54-1番」の補足
第一報の記事にて「小笹~~福岡タワー南口間」について「経由地未確認」としていたが、この間の経由地は、
【~笹丘一丁目~梅光園口~六本松二丁目~鳥飼~西新~地行~国立医療センター~】
であった。
九大前と福岡タワー南口の間を実に1時間20分をかけて結ぶ。
「六本松二丁目」に「96番」(旧「11番」も含め)以外のバスが停車することはこれまであったのだろうか…。
なお、「54-1番」は全便「快速」であるが、「59番」と同様、快速区間は平尾~天神のみという、長い運行区間のうちのごく一部であるため、快速区間から離れたエリアにおいては、バスの行き先表示やバス停の時刻表の表示を工夫しないと混乱(乗り控え)が起きるのではないだろうか。
なお、笹丘一丁目から東行きは枝番がとれて「54番」として運行されるもようである。
それならば、草香江から西新~タワー方面は「25番」などに変えたほうが無難なのではないだろうか。
どうせだったら、「53番」が空いているのだから、「54-1=53」で全線を「53番」として走らせてもよかった気がする(枝番のハイフンはマイナスの意味ではないですけどね)。
・「62-1番」などの補足
第一報の記事にて“「2-3番」のように郊外向けのみなのか、双方向ともなのかは不明”と書いていたが、郊外向けは全線「62-1」、都心向けは老司で枝番が取れるようだ。
また、「48-1番」都心向けは向新町で、「48-2番」郊外向けは美野島三丁目で、それぞれ枝番が取れるとのこと。
この例をみると、前述の「2-3番」についても、野方→室住団地→原は「2-3番」として運行して、原で枝番を取るのが適切なのではないだろうか。
・「63番」の減便
影が薄く経由地もなかなか定まらない「63番」だが、ひっそりと減便である。
ただ、通勤時間帯に、地下鉄渡辺通駅の利用者と思われる人が、渡辺通一丁目から乗って住吉四丁目~美野島一丁目あたりまで利用しているのを目にすることから、一定の需要はあるのではないかと思う。
例えば、「302番」を博多駅まで行かないようにして、「~都市高速~天神~渡辺通一丁目~住吉四丁目~美野島一丁目~百年橋~那の川~渡辺通一丁目~天神~都市高速~」のような循環経路で運行してみるとか…いかがでしょう(都心部での行先番号は考える必要あり)。
・那珂川ローカル関係
「4番」が大橋駅~老司団地のみの運行となり、この「臨時便」→「62番」→「4番」と受け継がれてきた老司団地から博多南駅への足が途絶えてしまうことになる。
老司団地~やよい坂~鶴田は那珂川町ではなく福岡市であり、「かわせみ」でもカバーできそうにないことから、「復活」は難しいかもしれない。
また、「62番」の市の瀬系統も大幅減便、市の瀬と博多南駅との間を結ぶ「8番」も廃止である。
「かわせみ」との間で既に話がついているのかは知らないが、このエリアについては「メリハリつけすぎ」という印象である。
・行先番号の「統一」関係
前回大幅に進んだ都心部での行先番号の統一だが、今回行われるのではないかと予想していた「天神→国体道路→博多駅」「六本松→城南線→博多駅」「蔵本→天神→西公園(大濠公園)」などでは特に行われないもようである。
一方で、前述の「48-1」「48-2」「54-1」「62-1」など、都心向けで、本線と合流した時点で枝番を外すことによる番号の「統一」は進むことになる。
ただ、「4-1番」「29-1番」は名島から都心向けでも枝番が外れなかったりで、いろんなルールが混乱しているのが現状だ(時を経るにつれ整理されていくとは思うけど)。
(つづく)
西鉄のサイトでもダイヤ改正の概要が発表され、改正後の時刻検索もできるようになった。
毎年、発表前にどれだけ要点をまとめられるかに力を注いでいる面があるのだが、今年はあまり見て回ることができず、いまいちという感想である。
ただ、「いかに少ないポイントを見て概要をつかめるか」については、年々上達しているような気もする(笑)。
この記事からは、公式発表や新時刻検索の内容も踏まえ記述していく。
・金武~羽根戸地区大減便
「1番」の金武~野方方面の本数が半分以下になり、「2番」の羽根戸経由も半減である。
飯盛、羽根戸のあたりは廃止候補に挙げられているため、仕方ないのかもしれない。
こうなるのなら、「羽根戸道」の名称は変えないでいてほしかった。
福岡市内でも、板屋、志賀島、上の原、椎原、曲渕などの末端部や山間部については、「補助金で維持」ということがあり得ると思うのだが、羽根戸のような多くのバスが走っている地域に挟まれた場所であっても、補助金(=税金)でバス路線を維持するということが果たして行われるのだろうか。
もしそれが行われれば、西鉄が「利用者が少ないから廃止したい」と言って、住民が「バスがないと困る」と言えば、都市部であっても、補助金路線がどんどん増えるという事態にもなりかねず、一定のルール作りが必要なのではないだろうか。
・「2番特快」に上り新設
平日朝2本のみの運行である。
「3番特快」は、西新より郊外部では各駅停車(種別としては「快速」)に成り下がっているが、「2番」のほうは、本数は少ないながらも郊外部でもいまだに「特快」である。
・室住団地地区の補足
野方・室住団地~原~藤崎方面(下りは「2-3番」、上りは「2番」)は、平日2割以上の減便となっている。
また、「8番」も約3割の減便であり、かなり厳しい状況だ。
・「3番」の山間部
昨年7月7日の記事で、“もし早良区の末端部、椎原・曲渕地区のバスに福岡市の補助金が入り、「曲渕~陽光台(複乗)~西神の原~脇山小(複乗)~椎原」のような路線ができたとしたら、それは「3番」となるだろうか、それとも「無番」となるだろうか”と書いていたのだが、今回まさにそのままの路線が登場する(番号は「無番」ではなく「3番」)。
陽光台or脇山小学校での乗り換えを前提とした、山間部だけを走る路線である。
「17番」に脇山小学校経由が復活したのも、これと関係ありそうだ。
・「15番」に博多ふ頭行き新設
「15番」の城南線系統の一部が、土日祝日限定で、博多駅から博多ふ頭まで延長される。
薬院駅前からは番号が、博多ふ頭行きの統一番号である「99番」に変わる。
薬院駅から博多ふ頭に行く路線はこの「15番」だけしかないのだが、中央ふ頭行きの「88番」に歩調を合わせ、薬院駅から番号を変えるようだ。
「15番」には、「博多駅~ゆめタウン博多」という全く別個の系統(もともとは同じ)もあるので、「10番」の九大病院系統の土日祝日運行を取りやめるのであれば、土日祝日のみ運行される博多ふ頭行きは「10番」でもよかったのではないだろうか(博多駅の時点では「99番」に変わっているし、博多駅での乗り場も交通センターの中と外で異なるため、別にいいのかもしれないけど)。
・千早駅~火の見下方面の大減便
香椎ローカルの「3番」は「廃止」という表現が用いられている。
ただ、「千早駅~火の見下~流通センター~土井営業所」については、
千早駅~火の見下~流通センター~土井営業所~「4番」~天神
天神~「4-3番」(都心向けは「4番」)~千早駅~火の見下~流通センター~土井営業所
という2つの系統により、一日数本のみ残ることになり、いずれも「千早駅~火の見下~流通センター~土井営業所」間は「3番」として運行されるようだ。
以前の記事で“ごく最近についてみると、西鉄の路線バスの全体的な運行本数は減少傾向にあり、少ない本数でいろんなところを結ぶ必要性がより高まってきたことから、便数に反比例して系統数は再び増加に転じているように見え、「DKH」の傾向はやや逆戻りしている感もある”と書いたことがあったが、これはまさにそういう状況である。
なお、千早駅~西鉄香椎間は廃止となり、西鉄香椎の「IIK」はさらに低下することになる。
・「23番」の新宮緑ケ浜行きが「26番」に変更
“「23番」の新宮緑ケ浜行きは、「23番」ではなく「26番」としたほうがよいのでは?”ということはこれまで何度も書いてきたのだが、ようやく実現である。
なんでここまで時間がかかったのかという感もあるが、「26番」の赤間行きの記憶が薄れてきた今だからこそ、とも言えるのかも。
なお、都心向けは「23番」のままとのこと。
「26番」の都心向けは現在運行されておらず、仮に緑ケ浜を「26番」として出発しても、福工大前では「23番」に変えないといけなくなる(←「必ず変えなきゃいけない」という訳ではないですけどね)ことから、“別に始発から「23番」でもいいやん”という判断なのだろう。
・「29N」経路変更
駅東ランプ経由の循環運行(→駅東ランプ→博多駅→呉服町ランプ)となる。
「合同庁舎」の博多駅方面行きの乗り場は、現在の一日1本から10本となり、便数が10倍に増える(反対方向は従来通り)。
JRとの「競合」という観点で捉えれば博多駅までの所要時間が短くなる一方、JRとの「住み分け」という観点で捉えれば博多駅周辺地区(呉服町~駅前一丁目)への所要時間が長くなる訳で、「住み分け」よりも「競合」を選んだという見方もできる。
果たしてこの選択の結果はどう出るだろうか?
・「54-1番」の補足
第一報の記事にて「小笹~~福岡タワー南口間」について「経由地未確認」としていたが、この間の経由地は、
【~笹丘一丁目~梅光園口~六本松二丁目~鳥飼~西新~地行~国立医療センター~】
であった。
九大前と福岡タワー南口の間を実に1時間20分をかけて結ぶ。
「六本松二丁目」に「96番」(旧「11番」も含め)以外のバスが停車することはこれまであったのだろうか…。
なお、「54-1番」は全便「快速」であるが、「59番」と同様、快速区間は平尾~天神のみという、長い運行区間のうちのごく一部であるため、快速区間から離れたエリアにおいては、バスの行き先表示やバス停の時刻表の表示を工夫しないと混乱(乗り控え)が起きるのではないだろうか。
なお、笹丘一丁目から東行きは枝番がとれて「54番」として運行されるもようである。
それならば、草香江から西新~タワー方面は「25番」などに変えたほうが無難なのではないだろうか。
どうせだったら、「53番」が空いているのだから、「54-1=53」で全線を「53番」として走らせてもよかった気がする(枝番のハイフンはマイナスの意味ではないですけどね)。
・「62-1番」などの補足
第一報の記事にて“「2-3番」のように郊外向けのみなのか、双方向ともなのかは不明”と書いていたが、郊外向けは全線「62-1」、都心向けは老司で枝番が取れるようだ。
また、「48-1番」都心向けは向新町で、「48-2番」郊外向けは美野島三丁目で、それぞれ枝番が取れるとのこと。
この例をみると、前述の「2-3番」についても、野方→室住団地→原は「2-3番」として運行して、原で枝番を取るのが適切なのではないだろうか。
・「63番」の減便
影が薄く経由地もなかなか定まらない「63番」だが、ひっそりと減便である。
ただ、通勤時間帯に、地下鉄渡辺通駅の利用者と思われる人が、渡辺通一丁目から乗って住吉四丁目~美野島一丁目あたりまで利用しているのを目にすることから、一定の需要はあるのではないかと思う。
例えば、「302番」を博多駅まで行かないようにして、「~都市高速~天神~渡辺通一丁目~住吉四丁目~美野島一丁目~百年橋~那の川~渡辺通一丁目~天神~都市高速~」のような循環経路で運行してみるとか…いかがでしょう(都心部での行先番号は考える必要あり)。
・那珂川ローカル関係
「4番」が大橋駅~老司団地のみの運行となり、この「臨時便」→「62番」→「4番」と受け継がれてきた老司団地から博多南駅への足が途絶えてしまうことになる。
老司団地~やよい坂~鶴田は那珂川町ではなく福岡市であり、「かわせみ」でもカバーできそうにないことから、「復活」は難しいかもしれない。
また、「62番」の市の瀬系統も大幅減便、市の瀬と博多南駅との間を結ぶ「8番」も廃止である。
「かわせみ」との間で既に話がついているのかは知らないが、このエリアについては「メリハリつけすぎ」という印象である。
・行先番号の「統一」関係
前回大幅に進んだ都心部での行先番号の統一だが、今回行われるのではないかと予想していた「天神→国体道路→博多駅」「六本松→城南線→博多駅」「蔵本→天神→西公園(大濠公園)」などでは特に行われないもようである。
一方で、前述の「48-1」「48-2」「54-1」「62-1」など、都心向けで、本線と合流した時点で枝番を外すことによる番号の「統一」は進むことになる。
ただ、「4-1番」「29-1番」は名島から都心向けでも枝番が外れなかったりで、いろんなルールが混乱しているのが現状だ(時を経るにつれ整理されていくとは思うけど)。
(つづく)