4月13日(日)から19日(土)までの1週間の東京新聞からの抜き書きをまとめる。1週間で書きだした記事は29本、文字数にして約6000字だ。もちろんこの29本には私という人間のバイアスがかかっている。東京新聞にはもっとたくさんの記事があるが、その中から〈私が〉気になったものを選んでいるからだ。(東京新聞を選んでいること自体もバイアスだ)。その29本をグルーピングしたら以下のように7つになった。それぞれを紹介して簡単に覚書を書いておく。
【集団的自衛権】
1、司法の独立なく無効 砂川判決前に米大使と最高裁長官会談 〔4月15日・火〕
2、強引論法 学者ら批判 「砂川判決」根拠に集団的自衛権 〔4月15日・火〕
3、集団的自衛権 行使範囲を明示せず 政府原案 あいまい「日本の安全に影響」 〔4月18日・金〕
4、「立憲デモクラシーの会」設立 解釈改憲にノー 学者50人が連携 〔4月17日・木〕
近ごろ話題になっている「解釈改憲による集団的自衛権の行使容認」という問題だ。この話、少しずつ話題がスライドしながらも長い間続いている。それ自体が政権側の1つの作戦なのではないかと思う。集団的自衛権の行使を認めたいなら、憲法改正を正面から問うべきである。憲法改正は難しそうだから、九十六条の「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、これを国会が発議し」というのを「2分の1」にしようとする。それもダメだと内閣法制局長官を代えてでも解釈改憲をしようとする。欲しいものをどうしても手に入れようとする駄々っ子のようである。
歴代政権は現行憲法下では集団的自衛権の行使は不可能と解釈してきた。それをひっくり返すために「砂川判決」を引っ張り出してきた。砂川事件はただでさえ問題が指摘されている事件だ。それに本来、集団的自衛権を問題とした裁判ではなく、米軍基地の存在が憲法違反かどうかを問うたものである。専門家に言わせれば、こんなことを言い出すのは、憲法や法律についてかなり疎い人間だそうだ。それでも、政府、与党はそれなりの政治力を持ち危険だということから、学者が声を上げたり、「立憲デモクラシーの会」を設立したりしている。
ただ、安倍政権は解釈改憲による集団的自衛権の行使容認を、力づくでも推し進めると思う。安倍首相がもっともやりたいのは「戦後レジームからの脱却」である。そして「集団的自衛権の行使」はそのための重要なファクターだ。さらに言えば、力ずくで進める以上の洗練された手法を考えることができないからだ。いずれにせよ、安倍政権を支持した人たちには、今後の展開にしっかりと責任を持ってもらいたいものだ。
【福島第一原発】
1、高濃度汚染水を誤移送 福島第一 200トン予定外の場所に 〔4月13日・日〕
2、新型除染装置またトラブル 汚染水漏れる 〔4月17日・木〕
3、福島第一「地下水」井戸の1本 トリチウム基準値超1600ベクレル 〔4月18日・金〕
4、除染装置の汚染水漏れ 監視怠る単純ミス 福島第一 〔4月19日・土〕
福島第一原発に限って言えば、汚染水問題が日常的に続いている。それこそ毎日のように漏れているので、国民の方もだんだんと慣れてしまう。何度も書いているが、いま毎日のように起こっていることは、3.11以前であればすべて一面トップでもおかしくないような内容だろう。
あるいは、3.11以前の取り上げ方が過剰だったのだ、という人がいるかもしれない。しかしそれは違うと思う。戦争が始まる前に外国で日本人が殺されれば、それが1人であっても大きなニュースになる。そして戦争が始まったとする。最初の死者はインパクトが強いだろう。しかし戦死者が10人、100人、1000人となるうちに、1人の死はたいしたインパクトを持たなくなる。
だから1人の死など大したことがないと言えるだろうか。僕は違うと思う。確かに人間は1人の死に慣れてしまうだろう。しかし慣れそうな時に想像力を発揮することを自分に課すことが大切だ。なぜなら、1人の死は数からすれば小さいが、その死が訪れた当人にとっては「全体的な出来事」である。また、家族や近しい人々にとっても大きな出来事である。
福島原発も同じだ。日々、汚染水が漏れているからといって、それに慣れてはいけない。どこかでそれを「全体的な出来事」として受け止めざるを得ない人たちがいる。そういう人たちに重荷を押し付けることになってしまうからだ。
【原発絡み】
1、原発事故副読本 東電が作成へ 「当事者」疑問の声も 〔4月15日・火〕
2、原発ゼロ共闘巻き返し 小泉・細川氏「自然エネ」法人設立へ 〔4月16日・水〕
3、避難指示区域の線量調査 政府、半年間公表せず 除染後でも高数値 住民に不安の声 〔4月17日・木〕
4、「安心神話」と共同歩調? 国直轄の除染 危険手当減額 作業員の流出に拍車も 〔4月17日・木〕
5、農家被ばく事務職の倍 福島第一周辺 政府ようやく推計 公表遅れ対策進まず 〔4月19日・土〕
これは本来ならば、1つ1つの内容を細かく見ていきたいものばかりだ。しかし時間の都合でそれもできない。東電が「原発事故副読本」を作ろうというのはおかしい。東電の今までの体質を考えれば、きっと「安心神話」を書こうとするだろう。かりにきちんとした内容でも今の東電を信じる人間はいないだろう。それに副読本作成の費用はどうするのだ。また電気料金に上乗せするのだろうか。
そういう東電の後ろ向きの姿勢を全力でサポートしているように見えるのが政府である。3や5のように政府は情報公開をしない。これは事故当時から一貫している。(きっと事故以前にもそうだったのだろう)。
そんな中、小泉・細川両氏が「自然エネルギー推進会議」を設立するという。彼らの年齢を考えると、それほど多くのことは期待できないだろう。それに続く世代、同様の問題意識を持っている人たちがどれだけ長期的に取り組めるかが課題である。ただ、大手メディアはそういう動きをあまり報道しないだろう。
【自主規制】
1、憲法・原発集会拒否も 後援 自主規制拡大 千葉・白井市「政治的色彩」あれば× 〔4月16日・水〕
2、護憲PR電車中止 土佐電鉄「意見広告」批判受け 〔4月16日・水〕
3、千葉市も自主規制 平和集会後援断る 〔4月17日・木〕
基準の正しさについては、後援では憲法なのか原発なのかで違うだろう。また、公的な場所なのか、土佐電鉄のような私的な場所なのかでも違うだろう。ただ少なくともこの手の話題がこのところ続いている。東京都美術館での展示の問題、はだしのゲンの閲覧の問題もそうだ。
この手の問題で気になるのは、「政治的な中立性」という言葉が使われることだ。いろいろと意見が分かれることについて、「政治的な中立性を考えて……」という理由が言われることが多い。しかし「政治的な中立性」とは、何と何の中立性を言っているのか。あるテーマに関して、市民の中にAとBという相反する意見がある。その際に、役所がどちらかに肩入れすることはできない。そういうのならわかる。
しかし、ここのところ問題になっているのは、市民の間での意見の異なりではない。(もちろん表面的にはそう見えるよう)。安倍政権の意向と、ある市民の意見の異なりが問題になっているのだ。そういうケースになると、役所が「政治的中立性」を言い出す。
原発であれば後援を拒否するのも分かるが、護憲集会であれば拒否はできないはずである。「護憲」というのは、現行の憲法を守ろうという立場である。そして憲法九十九条では、公務員はこの憲法を尊重し擁護する義務を負う、とある。つまり、護憲を後援しないのは憲法に反する行為になるのだ。公立学校の教師が国歌を歌うかチェックするのと同じ基準でチェックしてもらいたいものだ。ルールに対する信頼が担保されるためには、ダブルスタンダードは用いてはならないのだ。
【安倍政権】
1、エネ計画53%評価せず 消費増税後に不安67% 共同世論調査 〔4月13日・日〕
2、閣議決定万能の危険(新聞を読んで 二木啓孝) 〔4月13日・日〕
3、何でも閣議決定の背景 小粒議員軽んじる官僚 与党内議論すら不十分 〔4月16日・水〕
4、中学公民教科書独自採択 竹富町、文科省に説明 〔4月17日・木〕
5、マイナンバーなし崩し利用 捜査機関へ提供拡大 「秘密法と連動 国民を管理」 〔4月18日・金〕
6、政府 ミサイル部品、輸出検討 武器三原則撤廃で初 〔4月18日・金〕
「原発の再稼働」「武器輸出三原則の変更」「集団的自衛権の解釈改憲」「特定秘密保護法」など、個別のマターには反対が多い。「エネ計画」への評価も同様だ。しかし安倍政権の支持率が高いので、こういうことがまかり通ってしまう。何度も書くが、安倍政権が無茶をするのは、それを支えている民意があるからだ。そのように引き受けないと、いつまでたったも選挙に行って、あとは文句を言っているだけの国民が作る国のままだ。
実際、国民は選挙時の投票行動以外には政治的な思考も行動もしないと高を括っているから、何でも閣議決定で進めようなどと考えることができるのだ。この国にはさまざまな問題があるが、その1つには、国民が短期的にしかものを見れないということがある。震災後、国民のほとんどは脱原発を決めた。そしてほとんどすべての政党も脱原発の方向を示した。しかし今は、原発再稼働まっしぐらである。そうしても国民は怒らない、もう忘れてしまっている、行政はそう思っているのだ。
STAP細胞事件やフェリー沈没事件などは社会的には短期的な話題だ。(関係者にとってはもちろんシリアスで長期的だ)。そういうものに関しては、忘れてしまっても仕方がない。しかし中には長い時間、忘れてはいけないものがある。それは重要な制度やルールを変更するような場合だ。制度やルールは、変更したときには現象的にはなんら変化はない。単に言葉が変わるだけだ。しかし、それは長い時間をかけて、現実を変容させていく。そして現実が変容したときには、もう制度やルールは定着して、もはや元に戻すことができなくなる。安倍政権は、制度やルールをさまざまに変えようとしている。この辺りはきちんとウォッチして行かなければならない。特に安倍政権を支持した人たちは。
【国際】
4、ウクライナ東部 親ロ派庁舎占拠拡大 新政権 統治能力弱まる 〔4月13日・日〕
3、ウクライナ東部 親ロシア派庁舎占拠拡大 退去期限超え緊張続く 〔4月15日・火〕
3、ウクライナ 東部で強制排除会し 軍用飛行場新ロシア派4人死亡か 〔4月16日・水〕
5、新ロシア派勢力に兵士投降 ウクライナ東部緊迫 住民呼びかけ 拍手と歓声 〔4月17日・木〕
3、ウクライナ危機 ロシア大統領軍事介入に含み 〔4月18日・金〕
6、シリア政府拷問 1万人超を殺害 専門家チーム 証拠写真5万5000枚撮影 〔4月17日・木〕
基本的にはウクライナ問題である。しかし特に興味があるわけではない。専門家などに言わせると、今回のロシアの動きはポスト冷戦期までの世界の常識では理解できない事態らしい。すなわち新たな世界史的な段階に入ったのかもしれないということだ。その辺りがまったく分からないので、あえてウクライナ問題くらいは追いかけて行こうと思い、書き抜いている。
【その他】
1、新国立競技場 収支計画黒字ありき 〔4月13日・日〕
特にコメントはない。これも国民が長期的にものを見る力がないことを前提にしたやり方に思える。徹底的にバカにされているのだ。
〔4月13日・日〕
1、新国立競技場 収支計画黒字ありき 〔4月13日・日〕
東京五輪のメインスタジアムとなる東京・明治神宮外苑の新国立競技場をめぐり、都が2016年五輪を招致した際に準備担当だった鈴木知幸・順天堂大学客員教授が東京新聞の取材に応じ、五輪後の収支の見通しが甘すぎると批判した。
2、エネ計画53%評価せず 消費増税後に不安67% 共同世論調査 〔4月13日・日〕
共同通信社が11、12日両日に実施した全国電話世論調査によると、消費税率が8%に引き上げられた4月1日以降、消費を「控えていない」とした人は63.7%。増税後の日本経済の先行きに不安を感じているとの回答は「ある程度」を含め67.5%に上った。
3、閣議決定万能の危険(新聞を読んで 二木啓孝) 〔4月13日・日〕
閣議決定。このところ報道に頻繁に出てくる。安倍内閣は武器輸出解禁の防衛装備移転三原則に続き、集団的自衛権行使容認の解釈改憲も閣議決定する予定だ。……国会の議論軽視で思い出すのはヒトラーが1933年に成立させた「全権委任法」だ。立法権を政府に移譲させたこの法律の後、ドイツがどうなったかはご存知の通り。
4、ウクライナ東部 親ロ派庁舎占拠拡大 新政権 統治能力弱まる 〔4月13日・日〕
新ロシア派のデモ隊による州政府庁舎の占拠が続くドネツク州などウクライナの東部3州で、親ロ派武装集団による地元行政、治安機関に対する急襲が急拡大している。ドネツク州のスラビャンスクで12日、市庁舎が千人以上のデモ隊に占拠され、ロシア国旗が掲げられ地元警察署やウクライナ保安局も武装集団に占拠された。
5、高濃度汚染水を誤移送 福島第一 200トン予定外の場所に 〔4月13日・日〕
東京電力は14日、福島第一原発で、使う予定のなかった仮設ポンプ4台が動き、原子炉建屋やタービン建屋地下の高濃度汚染水約200トンを予定とは異なる建屋地下に移してしまったと発表した。
〔4月15日・火〕
1、司法の独立なく無効 砂川判決前に米大使と最高裁長官会談 〔4月15日・火〕
砂川事件の最高裁判決が出される前、裁判長として担当していた田中耕太郎最高裁判所長官は、マッカーサー駐日大使と非公式に複数回会談していたことが、機密指定を解かれた米公文書の記録で判明している。
2、強引論法 学者ら批判 「砂川判決」根拠に集団的自衛権 〔4月15日・火〕
55年前に出された砂川事件の最高裁判決を根拠にして、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更に突き進む安倍晋三首相。首相らの主張に、憲法学者や法曹関係者から「あまりにも唐突な解釈だ」「そんな学説は聞いたこともない」と反発が強まっている。
3、ウクライナ東部 親ロシア派庁舎占拠拡大 退去期限超え緊張続く 〔4月15日・火〕
ウクライナ東部で新ロシア派武装集団による行政・治安機関の占拠が14日、さらに拡大した。親欧州派のウクライナ政権のトゥルチノフ大統領代行が設定した退去期限を超えたが、占拠はこれを無視している。タス通信によると、トゥルチノフ氏は同日、東部での強制排除の開始について大統領令に署名した。
4、原発事故副読本 東電が作成へ 「当事者」疑問の声も 〔4月15日・火〕
東京電力は14日、福島第一原発事故や廃炉作業の現状などについて、小中学生向けの副読本を作成する方針を示した。市町村教育委員会などを通じ、全国に配布したい考えだ。子どもにも原発事故をめぐる状況を理解してもらう狙いだが、事故の当事者が作成することを疑問視する声も上がっている。
〔4月16日・水〕
1、憲法・原発集会拒否も 後援 自主規制拡大 千葉・白井市「政治的色彩」あれば× 〔4月16日・水〕
千葉県白井市が、市民団体などが開く集会やイベントの共催・後援要件を厳しくする規約改訂を行い、本年度から憲法や原発など世論を二分するテーマの行事は事実上、後援しない方針を決めた。市が後援した護憲団体主催の後援会に対する保守系市議の批判に配慮した。自治体が「政治的中立」を理由に市民団体が主催する憲法の集会などの後援申請を拒否するケースは長野県千曲市や神戸市などで相次いでいるが、他の自治体にも自主規制が波及していること実態が明らかになった。
2、原発ゼロ共闘巻き返し 小泉・細川氏「自然エネ」法人設立へ 〔4月16日・水〕
「原発ゼロ」を掲げる小泉純一郎。細川護煕両元首相が再び動き出した。国民運動の拠点となる新たな一般社団法人「自然エネルギー推進会議」を設立する。来年春の統一地方選での脱原発勢力の拡大も視野に、細川氏が敗北した2月の東京都知事選からの巻き返しを狙うが、知事選で見えた課題もある。
3、ウクライナ 東部で強制排除会し 軍用飛行場新ロシア派4人死亡か 〔4月16日・水〕
ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は15日、新ロシア派武装勢力などが行政・治安機関庁舎などを占拠した東部ドネツク州で、強制排除に向けた作戦を開始したと明らかにした。
4、何でも閣議決定の背景 小粒議員軽んじる官僚 与党内議論すら不十分 〔4月16日・水〕
国の行方を左右する重大なテーマが、次々と閣議決定で決められていく。武器輸出の解禁、原発の維持推進を柱とするエネルギー基本計画はすでに決められ、事実上の改憲である集団的自衛権の行使容認まで閣議決定で決着されようとしている。これは一種の独裁にも見える。本来なら、こうした暴走を抑止すべき国会や与党内の動きは鈍い。何が原因なのか。
5、護憲PR電車中止 土佐電鉄「意見広告」批判受け 〔4月16日・水〕
高知市の土佐電気鉄道が、5月3日の憲法記念日に合わせて走らせてきた、護憲をPRする路面電車の運行を今年から中止することが16日、分かった。車体には市民団体の負担で「守ろう平和憲法」などのメッセージが描かれていたが、市民から「意見広告だ」と批判されたのが理由。市民団体からは異論も出ている。
〔4月17日・木〕
1、千葉市も自主規制 平和集会後援断る 〔4月17日・木〕
憲法や原発をテーマにした市民団体のイベントなどの後援申請を拒否する自治体が相次いでいる問題で、千葉市も4月から、平和に関する行事の後援などの申請要件厳格化し、実質的には拒否していることが分かった。市ではこれに先立ち、1月の平和集会の後援を拒否していた。
2、「立憲デモクラシーの会」設立 解釈改憲にノー 学者50人が連携 〔4月17日・木〕
集団的自衛権の行使を憲法解釈の変更で認めようとする安倍晋三首相の姿勢に危機感を抱く学者たちが18日、「立憲デモクラシーの会」を設立する。法学や政治学、社会学、哲学など幅広い分野から約五十人が呼びかけ人となり、安倍政権は憲法と民主主義を変質させかねないと国民に警鐘を鳴らす。
3、避難指示区域の線量調査 政府、半年間公表せず 除染後でも高数値 住民に不安の声 〔4月17日・木〕
東京電力福島第一原発事故に伴う避難住民の帰還に向け、個人被ばく線量の実態を調べている内閣府原子力被災者支援チームが昨年10月に作成された中間報告書を半年間にわたり公表していなかったことが、分かった。
4、新型除染装置またトラブル 汚染水漏れる 〔4月17日・木〕
東京電力福島第一原発で試験運転中の新型除染装置「アルプス」で16日、汚染水約1トンが漏れた。1㍑あたり380万ベクレルと放出基準の数万倍の放射性ストロンチウムが含まれていた。
5、新ロシア派勢力に兵士投降 ウクライナ東部緊迫 住民呼びかけ 拍手と歓声 〔4月17日・木〕
新ロシア派武装集団による警察署などの占拠が続くウクライナ東部クラマトルスクでは16日、武装勢力に攻撃され、投降を余儀なくされた兵士が、新ロシア派の住民の歓迎を受けながら装甲車を明け渡す光景も見られた。
6、シリア政府拷問 1万人超を殺害 専門家チーム 証拠写真5万5000枚撮影 〔4月17日・木〕
国連安全保障理事会は15日非公式の会合を開いた。治安当局の拷問の実態を調査している専門家チームは、シリア政府が約1万1000人を組織的に拷問、殺害したという証拠の写真について説明した。
7、「安心神話」と共同歩調? 国直轄の除染 危険手当減額 作業員の流出に拍車も 〔4月17日・木〕
福島原発事故の被災地で除染作業にかかわる作業員の危険手当「特殊勤務手当」が初めて減額されることになった。国は「事故から3年たって線量が下がり、作業員の負担が減ったから」と説明するが、果たして額面通りに受け取って良いものか。
8、中学公民教科書独自採択 竹富町、文科省に説明 〔4月17日・木〕
沖縄県竹富町が採択地区協議会の選んだ中学公民教科書とは別の教科書を使っている問題で、町教育委員会の教育長が17日、文部科学省を訪れ、教科書採択で国の是正要求には従わないと決めた経緯を説明した。文科省は今後、地方自治法に基づく違法確認訴訟に踏み切るかどうかを判断する。
〔4月18日・金〕
1、集団的自衛権 行使範囲を明示せず 政府原案 あいまい「日本の安全に影響」 〔4月18日・金〕
安倍政権は憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認の範囲を明確にしない内容を検討していることが分かった。行使を容認できるケースを「放置すれば日本の安全に重大な影響が及ぶ場合」と定義し、これが自衛権を発動できる「わが国を防衛するための必要最小限の範囲」に入ると新たに解釈する。「重大な影響」「必要最小限度」の基準が何を指すかは解釈変更後の政策判断や法整備に委ねる。
2、福島第一「地下水」井戸の1本 トリチウム基準値超1600ベクレル 〔4月18日・金〕
東京電力は17日、福島第一原発で地下水を汲み上げて海に放出する「地下水バイパス」の汲み上げ井戸の1本から、東電の放出基準(1㍑あたり1500ベクレル)を超える1600ベクレルのトリチウムが検出されたと発表した。他の井戸と合わせた水の濃度が基準値内なら、海に放出する方針を改めて示した。
3、ウクライナ危機 ロシア大統領軍事介入に含み 〔4月18日・金〕
ロシアのプーチン大統領は17日、モスクワで国民とのテレビ対話を開いた。同日、スイス・ジュネーブでは、ウクライナ情勢の打開を目指す欧米とウクライナが四者外相級協議でロシアと対峙。プーチン大統領は協議の重要性を強調しつつ、クリミア併合をあらためて正当化し、ウクライナ東部への軍事介入にも含みを残した。
4、マイナンバーなし崩し利用 捜査機関へ提供拡大 「秘密法と連動 国民を管理」 〔4月18日・金〕
昨年5月に国会で可決、成立した国民一人一人に番号を割り当てるマイナンバー制度で、政府税制調査会(首相の諮問機関)は、資産や所得を把握するため、個人の預金口座と結びつける方針を打ち出した。マイナンバー法の施行令では、捜査機関への情報提供も幅広く認め、なし崩しに利用範囲が拡大している。国による国民の管理が、ますます強くなろうとしている。
マイナンバー制度では、個人情報の流出の危険性がかねて指摘されてきた。上智大の島田教授は「もし口座情報からどの業者にいくら支払ったのかなどが知られれば、個人の好みが分かってしまう。年金や社会保障料、税務の情報と結びつけられれば、どんな人間であるかが丸裸になり悪用される危険性はより高まる」と指摘する。
マイナンバー法では、利用の範囲を明記。正当な理由のない第三者への提供や不正取得には罰則が定められている。ところが、これには抜け道がある。第十九条で「政令で定める公益上の必要があるとき」には、第三者に提供できるようにした。
3月31日に公布されたマイナンバー法の施行令では、この個人情報を提供できる相手が、捜査機関などに広く認められた。公正取引委員会や少年法上の捜査をする警察のほか、具体的な刑事事件が発生していなくても、公安調査庁が治安の調査名目などで収集できるようになった。裁判所の令状も必要としない。
(デスクメモ)ああ、やっぱり。「3年後をめどに見直す」としながら、運用開始前から利用範囲を拡大していく。脱税なんて、関係ない。秘密保護法で情報をコントロールしながら、マイナンバー法で、国民の管理は強めていく。これが、国家というものの本質だ。情報流出や悪用の被害は覚悟しておかねばならない。
5、政府 ミサイル部品、輸出検討 武器三原則撤廃で初 〔4月18日・金〕
小野寺五典防衛相は18日の記者会見で、武器輸出を原則禁止してきた武器輸出三原則の撤廃を受け、迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC2)を製造する三菱重工業に対して、米企業から基幹部品の輸出要請があったと明らかにした。政府は三菱から正式な輸出申請を受けた後、可否を判断するが、武器輸出を原則容認する防衛装備移転三原則の初めての案件になりそうだ。
〔4月19日・土〕
1、農家被ばく事務職の倍 福島第一周辺 政府ようやく推計 公表遅れ対策進まず 〔4月19日・土〕
東京電力福島第一原発事故で避難を強いられている住民が帰還した場合の年間被曝線量の推計値を、18日に政府が公表した。比較的線量の少ない地域でも、屋外作業する農家などは事務職に比べ、2倍程度の被爆をする可能性が高いとの結果だった。ただ、この現実は1年近くも前に本紙や自治体が調べたデータが示しており、今さら感がぬぐえない。
2、除染装置の汚染水漏れ 監視怠る単純ミス 福島第一 〔4月19日・土〕
東京電力福島第一原発で試験運転中の新型除染装置「ALPS(アルプス)」で、放射性物質に汚染された吸着剤を含む水1トンが移送先の専用容器からあふれた事故で、東電は18日、容器の水位を見張らないまま汚染水を移送していたのが原因だったことを明らかにした。
【集団的自衛権】
1、司法の独立なく無効 砂川判決前に米大使と最高裁長官会談 〔4月15日・火〕
2、強引論法 学者ら批判 「砂川判決」根拠に集団的自衛権 〔4月15日・火〕
3、集団的自衛権 行使範囲を明示せず 政府原案 あいまい「日本の安全に影響」 〔4月18日・金〕
4、「立憲デモクラシーの会」設立 解釈改憲にノー 学者50人が連携 〔4月17日・木〕
近ごろ話題になっている「解釈改憲による集団的自衛権の行使容認」という問題だ。この話、少しずつ話題がスライドしながらも長い間続いている。それ自体が政権側の1つの作戦なのではないかと思う。集団的自衛権の行使を認めたいなら、憲法改正を正面から問うべきである。憲法改正は難しそうだから、九十六条の「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、これを国会が発議し」というのを「2分の1」にしようとする。それもダメだと内閣法制局長官を代えてでも解釈改憲をしようとする。欲しいものをどうしても手に入れようとする駄々っ子のようである。
歴代政権は現行憲法下では集団的自衛権の行使は不可能と解釈してきた。それをひっくり返すために「砂川判決」を引っ張り出してきた。砂川事件はただでさえ問題が指摘されている事件だ。それに本来、集団的自衛権を問題とした裁判ではなく、米軍基地の存在が憲法違反かどうかを問うたものである。専門家に言わせれば、こんなことを言い出すのは、憲法や法律についてかなり疎い人間だそうだ。それでも、政府、与党はそれなりの政治力を持ち危険だということから、学者が声を上げたり、「立憲デモクラシーの会」を設立したりしている。
ただ、安倍政権は解釈改憲による集団的自衛権の行使容認を、力づくでも推し進めると思う。安倍首相がもっともやりたいのは「戦後レジームからの脱却」である。そして「集団的自衛権の行使」はそのための重要なファクターだ。さらに言えば、力ずくで進める以上の洗練された手法を考えることができないからだ。いずれにせよ、安倍政権を支持した人たちには、今後の展開にしっかりと責任を持ってもらいたいものだ。
【福島第一原発】
1、高濃度汚染水を誤移送 福島第一 200トン予定外の場所に 〔4月13日・日〕
2、新型除染装置またトラブル 汚染水漏れる 〔4月17日・木〕
3、福島第一「地下水」井戸の1本 トリチウム基準値超1600ベクレル 〔4月18日・金〕
4、除染装置の汚染水漏れ 監視怠る単純ミス 福島第一 〔4月19日・土〕
福島第一原発に限って言えば、汚染水問題が日常的に続いている。それこそ毎日のように漏れているので、国民の方もだんだんと慣れてしまう。何度も書いているが、いま毎日のように起こっていることは、3.11以前であればすべて一面トップでもおかしくないような内容だろう。
あるいは、3.11以前の取り上げ方が過剰だったのだ、という人がいるかもしれない。しかしそれは違うと思う。戦争が始まる前に外国で日本人が殺されれば、それが1人であっても大きなニュースになる。そして戦争が始まったとする。最初の死者はインパクトが強いだろう。しかし戦死者が10人、100人、1000人となるうちに、1人の死はたいしたインパクトを持たなくなる。
だから1人の死など大したことがないと言えるだろうか。僕は違うと思う。確かに人間は1人の死に慣れてしまうだろう。しかし慣れそうな時に想像力を発揮することを自分に課すことが大切だ。なぜなら、1人の死は数からすれば小さいが、その死が訪れた当人にとっては「全体的な出来事」である。また、家族や近しい人々にとっても大きな出来事である。
福島原発も同じだ。日々、汚染水が漏れているからといって、それに慣れてはいけない。どこかでそれを「全体的な出来事」として受け止めざるを得ない人たちがいる。そういう人たちに重荷を押し付けることになってしまうからだ。
【原発絡み】
1、原発事故副読本 東電が作成へ 「当事者」疑問の声も 〔4月15日・火〕
2、原発ゼロ共闘巻き返し 小泉・細川氏「自然エネ」法人設立へ 〔4月16日・水〕
3、避難指示区域の線量調査 政府、半年間公表せず 除染後でも高数値 住民に不安の声 〔4月17日・木〕
4、「安心神話」と共同歩調? 国直轄の除染 危険手当減額 作業員の流出に拍車も 〔4月17日・木〕
5、農家被ばく事務職の倍 福島第一周辺 政府ようやく推計 公表遅れ対策進まず 〔4月19日・土〕
これは本来ならば、1つ1つの内容を細かく見ていきたいものばかりだ。しかし時間の都合でそれもできない。東電が「原発事故副読本」を作ろうというのはおかしい。東電の今までの体質を考えれば、きっと「安心神話」を書こうとするだろう。かりにきちんとした内容でも今の東電を信じる人間はいないだろう。それに副読本作成の費用はどうするのだ。また電気料金に上乗せするのだろうか。
そういう東電の後ろ向きの姿勢を全力でサポートしているように見えるのが政府である。3や5のように政府は情報公開をしない。これは事故当時から一貫している。(きっと事故以前にもそうだったのだろう)。
そんな中、小泉・細川両氏が「自然エネルギー推進会議」を設立するという。彼らの年齢を考えると、それほど多くのことは期待できないだろう。それに続く世代、同様の問題意識を持っている人たちがどれだけ長期的に取り組めるかが課題である。ただ、大手メディアはそういう動きをあまり報道しないだろう。
【自主規制】
1、憲法・原発集会拒否も 後援 自主規制拡大 千葉・白井市「政治的色彩」あれば× 〔4月16日・水〕
2、護憲PR電車中止 土佐電鉄「意見広告」批判受け 〔4月16日・水〕
3、千葉市も自主規制 平和集会後援断る 〔4月17日・木〕
基準の正しさについては、後援では憲法なのか原発なのかで違うだろう。また、公的な場所なのか、土佐電鉄のような私的な場所なのかでも違うだろう。ただ少なくともこの手の話題がこのところ続いている。東京都美術館での展示の問題、はだしのゲンの閲覧の問題もそうだ。
この手の問題で気になるのは、「政治的な中立性」という言葉が使われることだ。いろいろと意見が分かれることについて、「政治的な中立性を考えて……」という理由が言われることが多い。しかし「政治的な中立性」とは、何と何の中立性を言っているのか。あるテーマに関して、市民の中にAとBという相反する意見がある。その際に、役所がどちらかに肩入れすることはできない。そういうのならわかる。
しかし、ここのところ問題になっているのは、市民の間での意見の異なりではない。(もちろん表面的にはそう見えるよう)。安倍政権の意向と、ある市民の意見の異なりが問題になっているのだ。そういうケースになると、役所が「政治的中立性」を言い出す。
原発であれば後援を拒否するのも分かるが、護憲集会であれば拒否はできないはずである。「護憲」というのは、現行の憲法を守ろうという立場である。そして憲法九十九条では、公務員はこの憲法を尊重し擁護する義務を負う、とある。つまり、護憲を後援しないのは憲法に反する行為になるのだ。公立学校の教師が国歌を歌うかチェックするのと同じ基準でチェックしてもらいたいものだ。ルールに対する信頼が担保されるためには、ダブルスタンダードは用いてはならないのだ。
【安倍政権】
1、エネ計画53%評価せず 消費増税後に不安67% 共同世論調査 〔4月13日・日〕
2、閣議決定万能の危険(新聞を読んで 二木啓孝) 〔4月13日・日〕
3、何でも閣議決定の背景 小粒議員軽んじる官僚 与党内議論すら不十分 〔4月16日・水〕
4、中学公民教科書独自採択 竹富町、文科省に説明 〔4月17日・木〕
5、マイナンバーなし崩し利用 捜査機関へ提供拡大 「秘密法と連動 国民を管理」 〔4月18日・金〕
6、政府 ミサイル部品、輸出検討 武器三原則撤廃で初 〔4月18日・金〕
「原発の再稼働」「武器輸出三原則の変更」「集団的自衛権の解釈改憲」「特定秘密保護法」など、個別のマターには反対が多い。「エネ計画」への評価も同様だ。しかし安倍政権の支持率が高いので、こういうことがまかり通ってしまう。何度も書くが、安倍政権が無茶をするのは、それを支えている民意があるからだ。そのように引き受けないと、いつまでたったも選挙に行って、あとは文句を言っているだけの国民が作る国のままだ。
実際、国民は選挙時の投票行動以外には政治的な思考も行動もしないと高を括っているから、何でも閣議決定で進めようなどと考えることができるのだ。この国にはさまざまな問題があるが、その1つには、国民が短期的にしかものを見れないということがある。震災後、国民のほとんどは脱原発を決めた。そしてほとんどすべての政党も脱原発の方向を示した。しかし今は、原発再稼働まっしぐらである。そうしても国民は怒らない、もう忘れてしまっている、行政はそう思っているのだ。
STAP細胞事件やフェリー沈没事件などは社会的には短期的な話題だ。(関係者にとってはもちろんシリアスで長期的だ)。そういうものに関しては、忘れてしまっても仕方がない。しかし中には長い時間、忘れてはいけないものがある。それは重要な制度やルールを変更するような場合だ。制度やルールは、変更したときには現象的にはなんら変化はない。単に言葉が変わるだけだ。しかし、それは長い時間をかけて、現実を変容させていく。そして現実が変容したときには、もう制度やルールは定着して、もはや元に戻すことができなくなる。安倍政権は、制度やルールをさまざまに変えようとしている。この辺りはきちんとウォッチして行かなければならない。特に安倍政権を支持した人たちは。
【国際】
4、ウクライナ東部 親ロ派庁舎占拠拡大 新政権 統治能力弱まる 〔4月13日・日〕
3、ウクライナ東部 親ロシア派庁舎占拠拡大 退去期限超え緊張続く 〔4月15日・火〕
3、ウクライナ 東部で強制排除会し 軍用飛行場新ロシア派4人死亡か 〔4月16日・水〕
5、新ロシア派勢力に兵士投降 ウクライナ東部緊迫 住民呼びかけ 拍手と歓声 〔4月17日・木〕
3、ウクライナ危機 ロシア大統領軍事介入に含み 〔4月18日・金〕
6、シリア政府拷問 1万人超を殺害 専門家チーム 証拠写真5万5000枚撮影 〔4月17日・木〕
基本的にはウクライナ問題である。しかし特に興味があるわけではない。専門家などに言わせると、今回のロシアの動きはポスト冷戦期までの世界の常識では理解できない事態らしい。すなわち新たな世界史的な段階に入ったのかもしれないということだ。その辺りがまったく分からないので、あえてウクライナ問題くらいは追いかけて行こうと思い、書き抜いている。
【その他】
1、新国立競技場 収支計画黒字ありき 〔4月13日・日〕
特にコメントはない。これも国民が長期的にものを見る力がないことを前提にしたやり方に思える。徹底的にバカにされているのだ。
〔4月13日・日〕
1、新国立競技場 収支計画黒字ありき 〔4月13日・日〕
東京五輪のメインスタジアムとなる東京・明治神宮外苑の新国立競技場をめぐり、都が2016年五輪を招致した際に準備担当だった鈴木知幸・順天堂大学客員教授が東京新聞の取材に応じ、五輪後の収支の見通しが甘すぎると批判した。
2、エネ計画53%評価せず 消費増税後に不安67% 共同世論調査 〔4月13日・日〕
共同通信社が11、12日両日に実施した全国電話世論調査によると、消費税率が8%に引き上げられた4月1日以降、消費を「控えていない」とした人は63.7%。増税後の日本経済の先行きに不安を感じているとの回答は「ある程度」を含め67.5%に上った。
3、閣議決定万能の危険(新聞を読んで 二木啓孝) 〔4月13日・日〕
閣議決定。このところ報道に頻繁に出てくる。安倍内閣は武器輸出解禁の防衛装備移転三原則に続き、集団的自衛権行使容認の解釈改憲も閣議決定する予定だ。……国会の議論軽視で思い出すのはヒトラーが1933年に成立させた「全権委任法」だ。立法権を政府に移譲させたこの法律の後、ドイツがどうなったかはご存知の通り。
4、ウクライナ東部 親ロ派庁舎占拠拡大 新政権 統治能力弱まる 〔4月13日・日〕
新ロシア派のデモ隊による州政府庁舎の占拠が続くドネツク州などウクライナの東部3州で、親ロ派武装集団による地元行政、治安機関に対する急襲が急拡大している。ドネツク州のスラビャンスクで12日、市庁舎が千人以上のデモ隊に占拠され、ロシア国旗が掲げられ地元警察署やウクライナ保安局も武装集団に占拠された。
5、高濃度汚染水を誤移送 福島第一 200トン予定外の場所に 〔4月13日・日〕
東京電力は14日、福島第一原発で、使う予定のなかった仮設ポンプ4台が動き、原子炉建屋やタービン建屋地下の高濃度汚染水約200トンを予定とは異なる建屋地下に移してしまったと発表した。
〔4月15日・火〕
1、司法の独立なく無効 砂川判決前に米大使と最高裁長官会談 〔4月15日・火〕
砂川事件の最高裁判決が出される前、裁判長として担当していた田中耕太郎最高裁判所長官は、マッカーサー駐日大使と非公式に複数回会談していたことが、機密指定を解かれた米公文書の記録で判明している。
2、強引論法 学者ら批判 「砂川判決」根拠に集団的自衛権 〔4月15日・火〕
55年前に出された砂川事件の最高裁判決を根拠にして、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更に突き進む安倍晋三首相。首相らの主張に、憲法学者や法曹関係者から「あまりにも唐突な解釈だ」「そんな学説は聞いたこともない」と反発が強まっている。
3、ウクライナ東部 親ロシア派庁舎占拠拡大 退去期限超え緊張続く 〔4月15日・火〕
ウクライナ東部で新ロシア派武装集団による行政・治安機関の占拠が14日、さらに拡大した。親欧州派のウクライナ政権のトゥルチノフ大統領代行が設定した退去期限を超えたが、占拠はこれを無視している。タス通信によると、トゥルチノフ氏は同日、東部での強制排除の開始について大統領令に署名した。
4、原発事故副読本 東電が作成へ 「当事者」疑問の声も 〔4月15日・火〕
東京電力は14日、福島第一原発事故や廃炉作業の現状などについて、小中学生向けの副読本を作成する方針を示した。市町村教育委員会などを通じ、全国に配布したい考えだ。子どもにも原発事故をめぐる状況を理解してもらう狙いだが、事故の当事者が作成することを疑問視する声も上がっている。
〔4月16日・水〕
1、憲法・原発集会拒否も 後援 自主規制拡大 千葉・白井市「政治的色彩」あれば× 〔4月16日・水〕
千葉県白井市が、市民団体などが開く集会やイベントの共催・後援要件を厳しくする規約改訂を行い、本年度から憲法や原発など世論を二分するテーマの行事は事実上、後援しない方針を決めた。市が後援した護憲団体主催の後援会に対する保守系市議の批判に配慮した。自治体が「政治的中立」を理由に市民団体が主催する憲法の集会などの後援申請を拒否するケースは長野県千曲市や神戸市などで相次いでいるが、他の自治体にも自主規制が波及していること実態が明らかになった。
2、原発ゼロ共闘巻き返し 小泉・細川氏「自然エネ」法人設立へ 〔4月16日・水〕
「原発ゼロ」を掲げる小泉純一郎。細川護煕両元首相が再び動き出した。国民運動の拠点となる新たな一般社団法人「自然エネルギー推進会議」を設立する。来年春の統一地方選での脱原発勢力の拡大も視野に、細川氏が敗北した2月の東京都知事選からの巻き返しを狙うが、知事選で見えた課題もある。
3、ウクライナ 東部で強制排除会し 軍用飛行場新ロシア派4人死亡か 〔4月16日・水〕
ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は15日、新ロシア派武装勢力などが行政・治安機関庁舎などを占拠した東部ドネツク州で、強制排除に向けた作戦を開始したと明らかにした。
4、何でも閣議決定の背景 小粒議員軽んじる官僚 与党内議論すら不十分 〔4月16日・水〕
国の行方を左右する重大なテーマが、次々と閣議決定で決められていく。武器輸出の解禁、原発の維持推進を柱とするエネルギー基本計画はすでに決められ、事実上の改憲である集団的自衛権の行使容認まで閣議決定で決着されようとしている。これは一種の独裁にも見える。本来なら、こうした暴走を抑止すべき国会や与党内の動きは鈍い。何が原因なのか。
5、護憲PR電車中止 土佐電鉄「意見広告」批判受け 〔4月16日・水〕
高知市の土佐電気鉄道が、5月3日の憲法記念日に合わせて走らせてきた、護憲をPRする路面電車の運行を今年から中止することが16日、分かった。車体には市民団体の負担で「守ろう平和憲法」などのメッセージが描かれていたが、市民から「意見広告だ」と批判されたのが理由。市民団体からは異論も出ている。
〔4月17日・木〕
1、千葉市も自主規制 平和集会後援断る 〔4月17日・木〕
憲法や原発をテーマにした市民団体のイベントなどの後援申請を拒否する自治体が相次いでいる問題で、千葉市も4月から、平和に関する行事の後援などの申請要件厳格化し、実質的には拒否していることが分かった。市ではこれに先立ち、1月の平和集会の後援を拒否していた。
2、「立憲デモクラシーの会」設立 解釈改憲にノー 学者50人が連携 〔4月17日・木〕
集団的自衛権の行使を憲法解釈の変更で認めようとする安倍晋三首相の姿勢に危機感を抱く学者たちが18日、「立憲デモクラシーの会」を設立する。法学や政治学、社会学、哲学など幅広い分野から約五十人が呼びかけ人となり、安倍政権は憲法と民主主義を変質させかねないと国民に警鐘を鳴らす。
3、避難指示区域の線量調査 政府、半年間公表せず 除染後でも高数値 住民に不安の声 〔4月17日・木〕
東京電力福島第一原発事故に伴う避難住民の帰還に向け、個人被ばく線量の実態を調べている内閣府原子力被災者支援チームが昨年10月に作成された中間報告書を半年間にわたり公表していなかったことが、分かった。
4、新型除染装置またトラブル 汚染水漏れる 〔4月17日・木〕
東京電力福島第一原発で試験運転中の新型除染装置「アルプス」で16日、汚染水約1トンが漏れた。1㍑あたり380万ベクレルと放出基準の数万倍の放射性ストロンチウムが含まれていた。
5、新ロシア派勢力に兵士投降 ウクライナ東部緊迫 住民呼びかけ 拍手と歓声 〔4月17日・木〕
新ロシア派武装集団による警察署などの占拠が続くウクライナ東部クラマトルスクでは16日、武装勢力に攻撃され、投降を余儀なくされた兵士が、新ロシア派の住民の歓迎を受けながら装甲車を明け渡す光景も見られた。
6、シリア政府拷問 1万人超を殺害 専門家チーム 証拠写真5万5000枚撮影 〔4月17日・木〕
国連安全保障理事会は15日非公式の会合を開いた。治安当局の拷問の実態を調査している専門家チームは、シリア政府が約1万1000人を組織的に拷問、殺害したという証拠の写真について説明した。
7、「安心神話」と共同歩調? 国直轄の除染 危険手当減額 作業員の流出に拍車も 〔4月17日・木〕
福島原発事故の被災地で除染作業にかかわる作業員の危険手当「特殊勤務手当」が初めて減額されることになった。国は「事故から3年たって線量が下がり、作業員の負担が減ったから」と説明するが、果たして額面通りに受け取って良いものか。
8、中学公民教科書独自採択 竹富町、文科省に説明 〔4月17日・木〕
沖縄県竹富町が採択地区協議会の選んだ中学公民教科書とは別の教科書を使っている問題で、町教育委員会の教育長が17日、文部科学省を訪れ、教科書採択で国の是正要求には従わないと決めた経緯を説明した。文科省は今後、地方自治法に基づく違法確認訴訟に踏み切るかどうかを判断する。
〔4月18日・金〕
1、集団的自衛権 行使範囲を明示せず 政府原案 あいまい「日本の安全に影響」 〔4月18日・金〕
安倍政権は憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認の範囲を明確にしない内容を検討していることが分かった。行使を容認できるケースを「放置すれば日本の安全に重大な影響が及ぶ場合」と定義し、これが自衛権を発動できる「わが国を防衛するための必要最小限の範囲」に入ると新たに解釈する。「重大な影響」「必要最小限度」の基準が何を指すかは解釈変更後の政策判断や法整備に委ねる。
2、福島第一「地下水」井戸の1本 トリチウム基準値超1600ベクレル 〔4月18日・金〕
東京電力は17日、福島第一原発で地下水を汲み上げて海に放出する「地下水バイパス」の汲み上げ井戸の1本から、東電の放出基準(1㍑あたり1500ベクレル)を超える1600ベクレルのトリチウムが検出されたと発表した。他の井戸と合わせた水の濃度が基準値内なら、海に放出する方針を改めて示した。
3、ウクライナ危機 ロシア大統領軍事介入に含み 〔4月18日・金〕
ロシアのプーチン大統領は17日、モスクワで国民とのテレビ対話を開いた。同日、スイス・ジュネーブでは、ウクライナ情勢の打開を目指す欧米とウクライナが四者外相級協議でロシアと対峙。プーチン大統領は協議の重要性を強調しつつ、クリミア併合をあらためて正当化し、ウクライナ東部への軍事介入にも含みを残した。
4、マイナンバーなし崩し利用 捜査機関へ提供拡大 「秘密法と連動 国民を管理」 〔4月18日・金〕
昨年5月に国会で可決、成立した国民一人一人に番号を割り当てるマイナンバー制度で、政府税制調査会(首相の諮問機関)は、資産や所得を把握するため、個人の預金口座と結びつける方針を打ち出した。マイナンバー法の施行令では、捜査機関への情報提供も幅広く認め、なし崩しに利用範囲が拡大している。国による国民の管理が、ますます強くなろうとしている。
マイナンバー制度では、個人情報の流出の危険性がかねて指摘されてきた。上智大の島田教授は「もし口座情報からどの業者にいくら支払ったのかなどが知られれば、個人の好みが分かってしまう。年金や社会保障料、税務の情報と結びつけられれば、どんな人間であるかが丸裸になり悪用される危険性はより高まる」と指摘する。
マイナンバー法では、利用の範囲を明記。正当な理由のない第三者への提供や不正取得には罰則が定められている。ところが、これには抜け道がある。第十九条で「政令で定める公益上の必要があるとき」には、第三者に提供できるようにした。
3月31日に公布されたマイナンバー法の施行令では、この個人情報を提供できる相手が、捜査機関などに広く認められた。公正取引委員会や少年法上の捜査をする警察のほか、具体的な刑事事件が発生していなくても、公安調査庁が治安の調査名目などで収集できるようになった。裁判所の令状も必要としない。
(デスクメモ)ああ、やっぱり。「3年後をめどに見直す」としながら、運用開始前から利用範囲を拡大していく。脱税なんて、関係ない。秘密保護法で情報をコントロールしながら、マイナンバー法で、国民の管理は強めていく。これが、国家というものの本質だ。情報流出や悪用の被害は覚悟しておかねばならない。
5、政府 ミサイル部品、輸出検討 武器三原則撤廃で初 〔4月18日・金〕
小野寺五典防衛相は18日の記者会見で、武器輸出を原則禁止してきた武器輸出三原則の撤廃を受け、迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC2)を製造する三菱重工業に対して、米企業から基幹部品の輸出要請があったと明らかにした。政府は三菱から正式な輸出申請を受けた後、可否を判断するが、武器輸出を原則容認する防衛装備移転三原則の初めての案件になりそうだ。
〔4月19日・土〕
1、農家被ばく事務職の倍 福島第一周辺 政府ようやく推計 公表遅れ対策進まず 〔4月19日・土〕
東京電力福島第一原発事故で避難を強いられている住民が帰還した場合の年間被曝線量の推計値を、18日に政府が公表した。比較的線量の少ない地域でも、屋外作業する農家などは事務職に比べ、2倍程度の被爆をする可能性が高いとの結果だった。ただ、この現実は1年近くも前に本紙や自治体が調べたデータが示しており、今さら感がぬぐえない。
2、除染装置の汚染水漏れ 監視怠る単純ミス 福島第一 〔4月19日・土〕
東京電力福島第一原発で試験運転中の新型除染装置「ALPS(アルプス)」で、放射性物質に汚染された吸着剤を含む水1トンが移送先の専用容器からあふれた事故で、東電は18日、容器の水位を見張らないまま汚染水を移送していたのが原因だったことを明らかにした。