とんびの視点

まとはづれなことばかり

在庫一掃 4月4日(金)~4月12日(土)の東京新聞

2014年04月12日 | 雑文
4月に入り忙しくなってきた。しばらく忙しい日が続く。新聞ブログも思うように進まない。それでも日々、東京新聞をチェックしてタイトルとリード文程度の書き抜きはしている。4月4日(金)から4月12日(土)までの分がたまっている。書き抜いた記事は30本以上、文字数にして6500時程度だ。今回は内容面からそれらを整理を試みる。(書き抜いた記事は文末に載せておく)

あえてこの記事をトップに置く。東京新聞以外ではどう報道されているのだろう。気になる。

4月12日(土)
・憲法9条ノーベル賞候補
「憲法9条にノーベル平和賞を」と1人の主婦が始めた活動で、ノルウェーのノーベル賞委員会から、署名を集めた市民実行委員会や推薦人の大学教授らに、2014年のノーベル平和賞候補として正式に受理したとの通知が届いたことが分かった。今年の候補は278件で、10月10日に受賞者が発表される。

憲法9条がノーベル平和賞を受賞し、時の総理大臣などが授賞式でスピーチをする姿を想像して、なんとなく笑ってしまう。でも冗談でなく、受賞できるとよい。憲法9条の存在が世界、特に紛争地域で、日本を守っているという話は何度か見聞きした。集団的自衛権を行使したら失うメリットだ。

【集団的自衛権】
まずは、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認の問題だ。記事としては、以下のものに僕は引っかかった。
4月4日(金)
・高村氏が「限定行使論」 集団的自衛権 古賀氏も了承
4月6日(日)
・自民・石破氏 地球の裏「排除せず」 集団的自衛権 限定論と相反
・集団的自衛権 首相「同盟強化へ整備」 会談の米国防長官「歓迎」
4月7日(月)
・解釈改憲 59地方議会が危機感 「立憲主義を否定」政府に意見書
4月8日(火)
・地理的制限再び否定 集団的自衛権で石破氏 自民内から反発も
4月9日(水)
・55年前の砂川判決 首相「集団的自衛権含む」 行使容認論に拍車
4月10日(木)
・「砂川判決根拠にならず」集団的自衛権 公明副代表が指摘
4月11日(金)
・首相、歴代の議論無視 集団的自衛権「砂川が根拠」 判決正当性に疑問も

安倍政権は何とかして集団的自衛権を行使したいようだ。現状は、それを解釈改憲で可能にする。そのための根拠に「砂川判決」を持ち出してきた。まず第一に、集団的自衛権の問題は解釈改憲ではなく、憲法改正で議論すべき問題だ。だから本当なら、「砂川判決」が妥当か否かとか、限定行使なのか地理的制限がないのか、などの議論に引きずられてはいけないのだ。憲法改正か解釈改憲かという二択ではなく、解釈改憲の中での技術的な問題に議論を集中させようというのは、政府の意図的な作戦だろう。自民党内でのさまざまな議論、場合によっては公明党も含めた政権与党の議論は、憲法改正から解釈改憲による集団的自衛権行使容認への目くらましかもしれない。
その一方、国民の多くは解釈改憲には否定的である。59地方議会も解釈改憲に否定的な意見書をまとめている。しかし、安倍政権はそんなことはお構いなく、やりたいことをこのままやり進めるだろう。それを許すか否かは、政府や国会内での問題ではない。民意の問題である。5月にかけてまた抗議行動の日々がやって来るかもしれない。

【エネルギー基本計画】
次は「エネルギー基本計画」についてだ。自民党が政権をとったときから予想されていたが、やはり原発推進に舵を切った。国民の大半は脱原発依存を望んでいる。ここにも民意無視の姿勢が見てとれる。

4月4日(金)
・原発「反省」後回し エネ計画案自公了承 再生エネ数値目標設けず
4月9日(水)
・自公「脱原発」公約破棄 政府エネ計画 正式了承
4月12日(土)
・原発推進 エネ計画閣議決定 原子力ムラ復権
・原発膨張へ舵 エネ計画閣議決定 「新型炉を研究開発」新増設に含み 事故解明より経済成長「輸出計画次々」 「40年廃炉」延長乱発も
・脱原発の民意無視 内閣支持率を背に再稼働推進

安倍政権(というか自民党)が原発を推進することは分かっていた。脱原発を望む国民が多い。それなのに、安倍政権の支持率は依然50%以上だ。なぜか。国民にとって原発問題よりも大事な問題があり、安倍政権がそれに対して何かをしてくれると思っているからだろう。「解釈改憲による集団的自衛権行使容認」には反対が多い。「武器輸出三原則」を改めることにも反対が多い。期待しているのは「経済」である。国民は「原発」よりも「経済」を優先させたのだ。
かりに原発がこの先、安全に運転されるなら、原発と経済を秤にかけることもできる。しかし実際に事故が起こったなら、現在の国民は人の命よりも金を大切にしたと評価される。3.11以前であれば、「原発」と「経済」を秤にかけることも出来た。しかし3.11以後は「原発」と「経済」は同じ秤には乗らなくなったのだと思う。
利権に絡んでいる人間は、いくらでも都合の良いことを言う。多くの場合は御用学者や大手メディアも利権の内側だ。彼らの情報を正しいものと思っていたらひどいことになった。その構造が正式に復活しようとしている。政府が何をするのか、国民が見ているのだけではダメだ。国民が政府に試されているのだ。どこまでバカにしても大丈夫か、と。

【原発・福島関連】
4月7日(月)
・もんじゅ延命 政権固執 核のごみ焼却で存続狙う
4月11日(金)
・もんじゅ虚偽報告か 昨年「完了」新たに点検漏れ 記録不正訂正も

たとえば、「もんじゅ」を続けるというのもそうだ。これまで10兆円以上が投じられたが、現実的には機能していない。しかし核燃料サイクルが破綻すると、使用済み核燃料が「資産」から「負債」に代わるからどうしても止められない。だから何とかしてもんじゅを延命したい。そのために国民の税金が投入される。しかし、相変わらず杜撰な運用が続いているようだ。

4月8日(火)
・原発適合審査「合格=安全」広がる誇張 政府自民内に 規制委は否定

この記事は注意した方が良い。規制委が原発の適合審査を行っている。しかしそこで出た「合格」は必ずしも「安全」ということではない。一定の基準を満たしたというだけだ。安倍首相は世界最高水準とか言ったようだが、実際には活断層の扱いを見てもアメリカなどと比べてかなり緩い基準のようだ。また避難計画を切り離しているのも問題だ。現実に事故が起こったときには大災害となる。政府は規制委に責任を押し付けようとしているのだろう。


4月4日(金)
・滋賀・汚染木くず不法投棄 東電関与業者に4億円 処理費名目か
4月5日(土)
・東電への無担保融資、大手3行が再開へ
4月5日(土)
・東電が「助長」送電線工事談合 厳重注意で幕引き 関電でも価格漏えい240人が関与
4月7日(月)
・福島原発訴訟 東電の無責任な主張「除染は不可能」

東電の杜撰さはひどいものだ。しかしこの辺りは、東京新聞(それも「こちら特報部」)以外ではあまり報道されていないのではないか。


4月6日(日)
・福島事故 人権理事会勧告1年 政府誤情報を世界へ
4月11日(金)
・再除染 国予算たった78億円 福島の手抜き防護を問う 線量高止まりに不安 「防ぐより慣れよ」が政府の方針?

この2つの記事は、福島絡みの情報だ。これも「こちら特報部」からの記事だったと思う。

4月12日(土)
・貿易赤字 原発停止が主因じゃない 大和総研 原因は産業空洞化

この辺りは神保哲男のビデオニュースドットコムを見ていれば、当たり前の情報だ。元経産省の古賀さんの回で丁寧な説明があったと記憶している。

【安倍ちゃん絡み】
すべての記事が安倍ちゃん絡みと言えるが、特に目に付いたものを取り上げる。

4月5日(土)
・安倍色さらに現場混乱 小学教科書に「固有の領土」
4月9日(水)
・安倍政権 外国人労働者の拡大方針 人材活用という名の使い倒し
4月12日(土)
・内閣人事局、来月発足 「情実人事」懸念も

「アベノミクス」で安倍政権を支持した人は多いと思うが、実際にはそれ以外のこと(かつて彼が言った「戦後レジームからの脱却」「美しい日本」など)を着実に進めている。この辺りをきちんとチェックしないと、いずれ国民生活に影響が出ることになる。厄介なことは、出てしまったときには遅いということだ。
また「アベノミクス」も危うい。「金融緩和」と「財政出動」は実行したが、「成長戦略」は何一つ進んでいない。当初、諸外国がアベノミクスを評価したのは「成長戦略」を見越してであった。しかし、成長戦略はいっさい見られない。原発輸出や武器輸出は一面ではその埋め合わせでもある。

最後に
4月5日(土)
・調査捕鯨利権化の影で… 伝統の沿岸捕鯨犠牲に

日本の伝統的な捕鯨は沿岸捕鯨だったそうだ。考えてみれば、確かにそうだ。江戸時代から日本人が南氷洋でクジラを取るはずがない。沿岸でクジラを捕っていたはずだ。日本の調査捕鯨は、その沿岸捕鯨を犠牲にしていたそうだ。そしてそれが水産庁などの利権と化していたそうだ。何でも利権だ。



(ここから、新聞の書き抜き)

4月4日(金)
1、原発「反省」後回し エネ計画案自公了承 再生エネ数値目標設けず
自民、公明両党は3日、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」案を了承した。政府原案の冒頭にあった東京電力福島第一原発(福島県)事故への「反省」を削除。原発を「重要」と位置付け活用する方針を明確にしつつ、国と電力会社の賠償責任など、事故を想定した対応は示さないままとした。政府は来週にも計画を閣議決定する。

新聞によれば、自公合意のポイントは「原発」「再生エネ」「核燃料サイクル」の3点がある。
「原発」に関しては、削減目標がないことだ。原発を重要なベースロード電源とする。事故時は国が責任を持って対処。「事故被害が大きくなるリスクを認識」の一文を削除している。
「再生エネ」は、「関係閣僚会議を創設」「これまでに示した水準をさらに上回る導入を目指す」とあるが、これも数値目標はない。
「核燃料サイクル」では、「再処理やプルサーマル発電は継続」「もんじゅは国際研究拠点として継続」。また高速増速炉をやめるとは明記しないなど、現状を維持する。

4月4日(金)
2、高村氏が「限定行使論」 集団的自衛権 古賀氏も了承
憲法解釈の見直しによる集団的自衛権の行使容認をめぐり、自民党の高村正彦副総裁は3日、解釈改憲に慎重な公明党の幹部や古賀誠元自民党幹事長(政界引退)と相次いで都内で会談した。……高村氏はこれまでの自民党の会合などで、限定的な行使容認の具体例として日本近海を警戒中の米艦船が第三国から攻撃を受けた場合、援護のために日本が武力行使するケースを上げている。

4月4日(金)
3、武器輸出容認転換 わずか2日 早くも防衛産業強化策
防衛省は3日、武器の禁輸政策を撤廃する防衛装備移転三原則の閣議決定を受け、防衛産業の強化戦略案をまとめた。共同生産に参加している新型戦闘機F35の整備拠点の新設や無人機開発の国際的な技術協力、補助金を活用した防衛産業支援を盛り込んだ。安全保障体制の強化を目指す安倍政権は武器輸出の原則容認決定からわずか2日後、具体的な国内軍需産業の振興に乗り出した。

たとえば再生エネへの姿勢と比べてどうだろう。

4月4日(金)
4、滋賀・汚染木くず不法投棄 東電関与業者に4億円 処理費名目か
滋賀県高島市の河川敷に放射性セシウムに汚染された木くずが不法投棄された事件で、東京電力が、投棄に関与したとされる東京都内の会社代表に処理費用として計約4億円の賠償金を支払った疑いのあることが、滋賀県警捜査関係者への取材で分かった。
東京電力の広報担当者は、「個別の賠償の状況は、あるとも、ないとも言えない」とコメントした。


4月5日(土)
1、安倍色さらに現場混乱 小学教科書に「固有の領土」
小中学校向けの戦後の日本の歴史を執筆した横浜国立大大学院の大門正克教授(歴史学)は「小学校で領土を扱うなら、アフリカの国境線がなぜ直線のところが多いのかを考える授業にしたい。子どもが国境線を引いてみて、帝国主義や植民地支配の名残について考えてもらいたい」と提案する。

4月5日(土)
2、東電への無担保融資、大手3行が再開へ
三井住友、三菱東京UFJ、三菱UFJ信託の三銀行が、東京電力向けに無担保の融資を再開する方向で調整していることが4日、分かった。

4月5日(土)
3、調査捕鯨利権化の影で… 伝統の沿岸捕鯨犠牲に
南極海での日本の調査捕鯨が事実上の商業捕鯨と判断され、国際司法裁判所(ICJ)から中止を命じられた。「クジラ文化を失う」と騒ぎ立てる向きもあるが、水産庁の利権と化した調査捕鯨こそが、日本の伝統的な沿岸捕鯨を衰退させたのではないか。

「捕鯨には調査捕鯨と沿岸捕鯨の2種類があり、中身はまったくの別物。沿岸捕鯨の方が伝統的なやり方に近いが、日本は調査捕鯨を優先してきた」。捕鯨問題に詳しいフリージャーナリストの佐久間淳子氏。
97年のIWC総会で、アイルランドが「調査捕鯨をやめるなら沿岸での商業捕鯨を認める」と打診したが、日本側は応じなかった。2010年にもIWC議長案として同じような提案があったが、実現しなかった。
水産庁は沿岸捕鯨を犠牲にする一方、調査捕鯨を利権化した。調査捕鯨の13年度の予算は10億5000万円。その全額が、調査捕鯨の実施主体である日本鯨類研究所(鯨研)に渡っている。鯨研は調査捕鯨で得た鯨肉を一手に販売し、08年度には60億円以上を売り上げた。かつては水産庁の天下り団体だった。
10年には赤字に転落したが、水産庁は、11年の補正予算で復興枠を流用して18億円を捻出。鯨研に回して「債務超過」を解消した。

4月5日(土)
4、東電が「助長」送電線工事談合 厳重注意で幕引き 関電でも価格漏えい240人が関与
社員三人の厳重注意処分。これが公正取引委員会(公取委)から大規模な談合を「助長していた」と指摘された東京電力の社内処分結果だ。多額の公的資金が投入されている東電。談合のしわ寄せは庶民の支払う電気料金に向かう。3.11前から染みついた高コスト体質を残したままでは、再値上げなどとんでもない。
「東電の工事発注担当者が各社に対し、談合がばれないように警告するメールまで送っていた。まさに東電が談合を誘発、助長していたと考えられる」。公取委の担当者は、厳しく指摘する。
……
中でも問題視されるのが、談合が行われていた時期だ。福島第一原発事故後、東電は経営合理化を迫られた。コストを下げるために、2012年度、工事の発注方式をそれまでの随意契約から、各社から見積もりをとるなどして競走させる方式に変更した。ところが実際には、その直後に談合が始まっていた。
談合は、関西電力発注の工事でも恒常的に行われていた。公取委は今年1月、76社の独禁法違反を認定。うち61社に計23億7000万円の課徴金納付を命じた。関電の240人もの社員が、各社への予定価格漏えいに関わっていた。
関電は執行役員4人をけん責処分とし、月額報酬の1~2割を1ヶ月返上させた。だが、価格を漏らした240人の社員については「処分の内容や人数はプライバシーに関わることなのでコメントできない」と回答した。


4月6日(日)
1、自民・石破氏 地球の裏「排除せず」 集団的自衛権 限定論と相反
自民党の石破幹事長は、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認した場合の自衛隊の活動範囲に地理的な制限を設けるべきではないとの考えを示した。

4月6日(日)
2、集団的自衛権 首相「同盟強化へ整備」 会談の米国防長官「歓迎」
安倍晋三首相は5日、来日した米国のヘーゲル国防長官と公邸で会談し、解釈改憲による集団的自衛権行使容認について「日米同盟の強化を地域の平和と安定につなげるための法的基盤の整備を進めているところだ」と表明した。ヘーゲル長官は「日本の取り組みを歓迎する」と述べた。

4月6日(日)
3、福島事故 人権理事会勧告1年 政府誤情報を世界へ
東京電力福島第一原発事故後の健康被害対策などをめぐり、国連人権委員会の特別報告者アナンド・グローバー氏が日本政府に対する勧告を出してからまもなく1年が経つ。……
政府は勧告直後、人権委員会に政府見解を提出している。英語の原文と和訳が外務省のホームページに紹介されているが、和訳の方を見ると、健康調査で高い回答率を確保することや避難計画の周知は「実施済み」と書かれている。
事実と違うのではないか。環境省は「『実施済み』は『着手した』『取り組んでいる』という意味だ」と答えた。英語の原文に当たると、「実施済み」の部分は「completed」「carried out」とある。「完了した」というニュアンスの言葉だ。

4月7日(月)
1、解釈改憲 59地方議会が危機感 「立憲主義を否定」政府に意見書
札幌市など少なくとも59の市町村議会が昨年9月以降、集団的自衛権の行使を認める解釈改憲に反対するか、慎重な対応を求める意見書を可決し、政府や国会に提出したことが分かった。意見書に法的な拘束力はないものの、国民に身近な地方議会で動きがさらに広がれば、解釈改憲に意欲を示す安倍晋三首相にプレッシャーとなる可能性がある。

4月7日(月)
2、もんじゅ延命 政権固執 核のごみ焼却で存続狙う
高速増殖原型炉「もんじゅ」が5日、原子炉内で核分裂反応が連鎖的に起きる「初臨界」から20年を迎えた。この間、事故や不祥事を繰り返し、実際に運転したのはわずか3ヶ月間。「税金の無駄遣い」との批判に加え、東京電力福島第一原発事故で安全性への疑問も一段と膨らむ。原発を推進する安倍晋三政権は「核のごみ焼却」という新たな看板を掲げ、延命を目指すが、問題は放置されたままだ。

4月7日(月)
3、福島原発訴訟 東電の無責任な主張「除染は不可能」
「除染は費用がかかりすぎ、一企業での実現は不可能」。福島第一原発の爆発でまき散らされた奉仕や性物質の除染を地元住民が求めた訴訟で、東京電力はこう主張し、「できない」と開き直った。原発事故の後始末に背を向け、再稼働に腐心する。東電のあまりの無責任な態度に、被害者からは反発が相次いでいる。

4月8日(火)
1、原発適合審査「合格=安全」広がる誇張 政府、自民内に 規制委は否定
原発の新しい規制基準は、重大事故が起きる危険性と被害を減らそうという必要最低限のものだ。だが、再稼働を急ぐ政府、自民党から、原子力規制委員会の適合審査に合格しさえすれば「安全」になるかのような発言が相次いでいる。

4月8日(火)
2、地理的制限再び否定 集団的自衛権で石破氏 自民内から反発も
自民党の石破幹事長は7日の記者会見で、集団的自衛権の行使を容認した場合、地理的な制限を設けることに否定的な見解を重ねて示した。自民党の岸田派は7日、集団的自衛権の行使容認をめぐる勉強会を開いた。出席者からは行使を容認した場合の自衛隊の活動範囲について「野放図に広がってはいけない。どうタガをはめるかが大事だ」と際限なく広げることに否定的な意見が相次いだ。


4月9日(水)
1、55年前の砂川判決 首相「集団的自衛権含む」 行使容認論に拍車
安倍晋三首相は8日、歴代政権が憲法9条の元で行使を禁じてきた集団的自衛権をめぐり、最高裁による1959年の砂川判決の解釈について「個別(的自衛権)も集団も入っている。両方にかかっているのが当然だ」と述べた。

4月9日(水)
2、国民投票法改正案を与野党提出 矛盾を抱え改憲手続き 「20歳問題」放置
自民、公明、民主など与野党7党は8日、改憲手続を確定させる国民投票法改正案を衆院に共同提出した。今国会中の成立は確実で、施行されれば国民投票が出来るようになる。しかし、投票年齢と選挙権年齢、成人年齢の違いなの解消など、現行法が義務づけた「宿題」は残ったまま。今は現行法を守っていない「違法状態」と言えるが、懸案を放置して投票制度だけ作ろうとしている。

4月9日(水)
3、自公「脱原発」公約破棄 政府エネ計画 正式了承
自民、公明両党は8日、中長期のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の政府最終案を正式に了承した。与党協議は1ヶ月間にわたったが、「原発は重要なベースロード電源」と位置づけた政府の原発推進路線への逆戻りを追認しただけだった。政権復帰した2012年の衆院選で両党が掲げた「脱原発依存」の公約破棄は明確になった。

エネルギー基本計画
・「原発は重要なベースロード電源」と推進路線を明記
・再稼働を前提に、使用済み核燃料の再利用を進める
・「もんじゅ」は一部除き続行
自民党公約
・原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す
公明党公約
・可能な限り速やかに原発ゼロ
・使用済み核燃料の再利用は見直し
・「もんじゅ」は廃止

4月9日(水)
4、安倍政権 外国人労働者の拡大方針 人材活用という名の使い倒し
安倍政権が、外国人労働者の受け入れ拡大方針を打ち出した。建設業に加え、高齢者介護、農林水産業、さらには家事サービスにまで及ぶという。人口減少による働き手不足は深刻化している。だが、期限を区切り永住を認めないやり方は、「安い労働力が欲しいだけ」との批判を招きかねない。移民政策も含めた受け入れ側の環境整備が急務だ。

4月10日(木)
1、会見2時間半 疑念残る 小保方氏論文撤回否定
新たな万能細胞とされる「STAP細胞」論文に不正があったとされる問題で、理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが会見し「STAP細胞は存在します」と明言、研究不正はなく論文の撤回にも同意していないことを強調した。

4月10日(木)
2、「砂川判決根拠にならず」集団的自衛権 公明副代表が指摘
公明党の北側一雄副代表は9日、最高裁が1959年に出した砂川事件判決について「集団的自衛権は問題になっていない」と指摘した。砂川判決が集団的自衛権の限定的な行使を容認する根拠になるとの考えを示した安倍晋三首相の発言を否定するものだ。

4月11日(金)
1、首相、歴代の議論無視 集団的自衛権「砂川が根拠」 判決正当性に疑問も
安倍晋三首相や自民党幹部が集団的自衛権の行使を容認するため、1959年の最高裁による砂川事件判決を根拠にする考えを相次いで示している。しかし、この判決は55年前のもの。歴代政権は判決を踏まえた上で、集団的自衛権に行使は「憲法上許されない」とした政府見解を33年前に定め、維持してきた。安倍首相らは今になって、判決に独自の考えを加えて解釈改憲に利用しようとしている。

4月11日(金)
2、もんじゅ虚偽報告か 昨年「完了」新たに点検漏れ 記録不正訂正も
原子力規制庁が3月、大量の危機点検漏れから運転禁止状態にある日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)を保安検査した際、新たな未点検危機を見つけていたことが10日、分かった。昨年9月の「全機器の点検が完了した」とする原子力規制委員会への報告と矛盾し、規制庁関係者は「報告が虚偽だった疑いもある」としている。内規を逸脱して点検記録を訂正した不正な処理も100ヶ所以上見つかった。

4月11日(金)
3、再除染 国予算たった78億円 福島の手抜き防護を問う 線量高止まりに不安 「防ぐより慣れよ」が政府の方針?
原発の維持を柱にしたエネルギー基本計画が閣議決定される。福島原発事故などなかったかのような姿勢にあぜんとさせられるが、福島現地でも放射線防護を重視する視点が揺らいでいる。住宅地の再除染や叙せん作業員の被ばく線量管理の不徹底が好例だ。一方、政府は低線量被ばくを軽視する「安心神話」の宣伝に躍起だ。被ばくについては「防ぐより慣れよ」という政府の本心が透けて見える。


4月12日(土)
1、原発推進 エネ計画閣議決定 原子力ムラ復権
  与党議員「再生エネ数値を」 課長、足組んだまま「できません」
政府は11日、国のエネルギー政策の指針となる新たな「エネルギー基本計画」を閣議決定した。原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、原子力規制委員会の基準に適合した原発を再稼働させ、民主党政権が打ちだした2030年代の「原発稼働ゼロ」方針を撤回することを正式に決めた。



4月12日(土)
3、原発膨張へ舵 エネ計画閣議決定 「新型炉を研究開発」新増設に含み 事故解明より経済成長「輸出計画次々」 「40年廃炉」延長乱発も
政府は今後のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」を閣議決定した。表向きは原発への依存度を「可能な限り低減する」としているが、実態は原発回帰どころか、新増設への布石を打ち、輸出を推進するなど「膨張」路線に舵を切ったことになる。

4月12日(土)
4、脱原発の民意無視 内閣支持率を背に再稼働推進
安倍政権は、脱原発を求める世論が強いにも関わらず、原発推進のエネルギー基本計画を決めた。世論調査では、内閣支持率は依然として50%を上回る水準を維持しているが、原発政策が支持されたわけではないことを示している。

4月12日(土)
5、貿易赤字 原発停止が主因じゃない 大和総研 原因は産業空洞化
日本の貿易収支、13年の赤字幅は過去最高の11.5兆円となった。赤字の理由について、エネルギー基本計画は化石燃料の輸入増加以外の大きな理由を記載していない。原発停止による電気料金の値上がり影響も強調し、企業の負担増が業績悪化につながり、「海外への生産移転などの悪影響が生じ始めている」と書いた。だが、大和総研はリーマン・ショック後の急激な円高をきっかけに進んだ産業空洞化が主因だと指摘する。

4月12日(土)
6、内閣人事局、来月発足 「情実人事」懸念も
中央省庁の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」の新設を柱とした国家公務員制度改革関連法案が11日に成立した。内閣人事局は5月下旬に発足する見通しで、今夏から首相官邸の主導で幹部人事を行う。各省庁の縦割り人事を改め、弾力的な人材登用を進めるのが狙いだが、省庁からは「情実人事が起きかねない」と不安の声も漏れる。

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