スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

狭山茶室完成

2021-02-18 06:40:43 | お仕事

某大手ゼネコンから依頼を受け、狭山市駅近くの企業本社の一角に

ひときわ存在感のある和の建物「茶室」の施工を担当し

ほぼ完成したので社内検査を兼ね取材をしてきた。

こちらの茶室のオーナーご夫妻は奥様が茶道を嗜み、

今回の建設にあたってオーナーは全国の茶室を見て回った。

特に興味関心を持たれたのが金沢城に隣接した

歴史ある日本庭園の中に最近建てられた玉泉院丸庭園の玉泉庵。

この茶室にかける思いは相当なもので、当社としてもそれなりの気持ちで取り組んだ。

計画中の視察に同行して聞いたのは、

理由はわからないがこの施設を一般市民にも開放したいという崇高な考えをお持ちと聞いた。

切妻風屋根をアップで撮ると微妙に唐風になっており味のあるディテールになっている。

玄関口のディテールのアップ。

柱、梁は杉の絞り丸太が存在感を示し、

袖壁のような木のルーバーがワンポイントになって味のある空間を作っている。

軒天、庇の張り出したまだ真新しい杉板と垂木。

そして淡いうぐいす色の京壁はとても上品で日本建築の素晴らしさの味が出ている。

又、要所要所に軒下に空気孔が設けられていたのには驚いた。

通しの杉の絞り丸太の梁と柱。

これを2本の丸太で通している。

この部分だけでもじっと見ていると大工の職人さんの息遣いが伝わってくる。

そういえば担当大工さんとオーナーが一度会って話をしたいと言っていたことを思い出した。

茶室のけやきの縁側と縁の手水鉢。

茶室の知識はほとんど無いのでちょっとコメントに自信がない所も多々ある。

土間の部分はかなりのこだわりで深草(京都産の山砂使用)の洗い出しとなっている。

これは見るべき人が見ないとその価値がわからないのでは。

玄関と沓脱石(くつぬぎいし)と式台とゆったり広くとった取り次ぎ。

玄関の語源はもともと仏教語のひとつで

「玄妙な道に入る関門」という所から来ているとか。

式台とは上間と上がり框の中間にある式板のことだ。

床の間の部屋は障子と襖で囲まれ、日本が生んだ素晴らしい空間だ。

この部屋の京壁の色ははっきりとしたうぐいす色で、やったなーといった印象を持った。

畳は実は薄く下は床暖房にしているという気の使いようには脱帽だ。

茶の湯の世界で使われる道具の一つ「炉」。

炉とは畳の下に備え付けられている小さな囲炉裏のこと。

炉は炉壇(ろだん)と炉縁(ろぶち)から出来ており、

畳に切った穴に炉壇を入れ、そこに炉縁をのせる。

本茶室は実際の炭ではなく茶室用の電熱式炉壇を採用している。

茶室の水屋。

茶の湯の為の茶道具を整える場所で、住まいでいえば勝手、台所にあたります。

障子は雪見障子、襖にも工夫が施されているそうです。

そして和室の天井に取り付けられたプロジェクターと天井の隅に埋め込まれたスクリーン。

この茶室はただの茶室でないことがこれでわかる。

通称さくら坂からのアプローチがまた素晴らしい。

ゆったりした幅の歩道を白い玉砂利が囲んでいる。

そして平屋の贅沢な和の茶室へ。

我々が道路で最後の検査をしていると通行人の年配のオバサンが

「この素敵な建物は何でしょうか?」と聞いてきた。

狭山市民にはとても気になる建物のようだ。

狭山市駅方面から見た3つの建物の全景。

某優良企業の本社と低層の保育園と貸店舗事務所に囲まれた茶室が

誰が見ても気になる存在として輝いていた。

この茶室から歩いて数分の所に西武新宿線の狭山市駅と

駅前商業施設などUR都市整備が開発した新しい街がある。

ここは狭山市の表玄関の顔である中枢拠点にふさわしい、

魅力ある空間を備えた安全で賑わいのある市街地の形成を図ることを目標に

総合的なまちづくりが行われていた。

狭山丘陵と呼ばれているようにこの地域もかなりの高低差があり、

逆にそれを上手に活かしてとても新鮮な街並空間が造られていた。

 


最新の画像もっと見る