思考の部屋

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“iPS移植疑義騒動…日本人研究者の発表を関係者が全面否定”

2012年10月12日 | 思考探究

NHK「ニュースウオッチ9」で“iPS移植疑義騒動…日本人研究者の発表を関係者が全面否定”が放送されていました。

 「ips細胞から変化させた細胞を世界で初めてヒトに移植」という前代未聞のお騒がせ事件、どうもそうなりそうです。

【森口尚史】 iPS細胞ができたとき非常に興奮した山中(伸弥)先生のおかげ非常に触発された。いPS細胞から分化した要(よう)は造った心筋細胞を注入し細胞の移植治療を行った。多分世界で初めてのケースになるだろうと思う。(以上)


(NHK「ニュースウオッチ9」から)

と語る騒動の主森口尚史氏のインタビューを今夜まで公開しなかったとのこと。取材記者の観です。移植手術を行ったとされるハーバード大学の関連病院に問い合わせたところ「現在森口という日本人研究者は在籍していない」との解答。

 森口氏は、医師免許は無く看護師の資格があるだけ、東京大学附属病院特任研究員であることは確かなようです。

 今年アメリカの病院で重い心臓病患者にバイパス手術を行った際、iPS細胞から変化させた心筋細胞約2700万個を移植、

という森口氏は、10日にアメリカの国際学会で発表し、それを大きくマスコミが報道したが、しかし共同研究社がいるとされた東京医科歯科大学は今日の夕方会見を開き、「iPS細胞の移植について東京医科歯科大学で本件の研究および臨床応用が行なわれた事実はありません。以上森口尚史氏に関して本学でiPS細胞を用いた研究および臨床研究を行った事実はありませんでした。」と発表、国際会議を開催した団体も「qusutions」発表内容に疑義が生じたとして発表内容を示したポスターを撤去するという事態になっています。

偽りの“世界初”?

 NHKは疑問符をつけていますが、思うにより濃く妄想世界に陥った一人の日本人の奇妙な行為、「周囲の状況から合理的に判断して他人を惑わし、iPS細胞に希望を託する患者さんのこころを弄ぶ行為です」、このままでよいのだろうか。

 まだ「臨床の現場では使用されていないiPS細胞」これが決定的な事実です。

 応用には病院の倫理委員などの承認が必要

このことについては、

【森口尚史】 何が起こるか分からないのが医療の世界ですからそのリスクはもの凄くあります。そういう意味でリスクとベネフィット(利益)を丁寧に丁寧に(患者に)説明して大学の倫理委員会に提出したところ仮にだったら暫定的なら認めると・・・・。(患者は)すごい回復して社会復帰されています。(以上)

ここまで聞かされると、それが偽りであるならば、心理的な犯罪、精神的なダメージを与える言動そのもののように思います。

さらに追加の話で、

今夜のテレビ朝日「報道ステーション」では“iPS臨床応用に疑義発表が見送られたわけ”と題してこの問題が取り上げられ、森口尚史氏とのインタビューの内容が放送されていました。


(テレビ朝日「報道ステーション」から)

【森口尚史】 「自分がひょっとして勝手な思い込みとか誤解をしているのであれば、謝罪しなければいけませんから確認する時間をチョットいただきたいのです。」


(テレビ朝日「報道ステーション」から)

 テレビ朝日の独自取材での森口氏の終盤のコメントとのこと。「自分がひょっとして勝手な思い込みとか誤解をしているのであれば・・・」という言葉に妄想癖に陥っている自認ではなく、可能性の承認の姿がありました。

 可及的速やかに日本の公的機関がこの問題に明確な結論を出し世界に発信する必要があると思います。

 最後に「報道ステーション」で放送された(11日)昼頃の総理官邸での京大中山伸弥教授のコメントです。

 「しっかりした基礎研究、前臨床研究を行って安全性と効果をしっかりと確かめて、その上で初めて患者さんに投与しようと、そういう順番を踏んだ準備をしっかり進めていますので、今後もそういった今の報道というか動きに影響されることなく、この順番は守って患者さんのベネフィット(利益)、リスクを減らしてベネフィットになるように開発を進めていきたいと思います。」

と話されていました。


【大嘘&大誤報か】 iPS細胞「世界初の心筋移植」

2012年10月12日 | つれづれ記

“【大嘘&大誤報か】 iPS細胞「世界初の心筋移植」に日本人科学者・森口尚史氏が成功! → 病院・ハーバード大が完全否定、一面で報道した読売は記事消して逃亡”

というサイトを目にし、夕方のテレビニュースに本人が登場し「眉唾」が濃厚のようです。

騒動の発端は、

「iPS心筋移植、ハーバード大で…初の臨床応用
あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)から心筋の細胞を作り、重症の心不全患者に細胞移植する治療を米ハーバード大学の日本人研究者らが6人の患者に実施したことが、10日わかった。
(2012年10月11日07時31分 某新聞)」※13日付けで誤報と謝罪

という報道にあるようです。この臨床応用に関係する各機関は、

・米マサチューセッツ総合病院がiPSの臨床応用を否定

・「iPS細胞初の臨床応用」ハーバード大が全面否定

とのこと。ここからも解るように、そこには初の臨床応用の事実というものがそもそも存在しないようです。

主人公の森口尚史氏という人は、関係サイトによると、

 1995年3月 東京医科歯科大学 大学院医学系研究科修了

 1995~1999年 財団法人医療経済研究機構主任研究員・調査部長 ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院客員研究員

 1999年8月 東京大学先端科学技術研究センター知的財産権大部門研究員

 2000年10月 東京大学先端科学技術研究センター客員助教授

 2002年4月 東京大学先端科学技術研究センター特任助教授

<研究分野>

 1.先端医療技術評価研究:
 
 2.次世代医療・知的財産政策研究:
 
とサイト検索すると掲載されています。

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 10月6日の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞することが発表される前の話ですが、NHKで「Science View iPS細胞が開く未来」という番組が放送されました。番組はクローン羊ドリーを生み出したエディンバラ大学のイアン・ウィルムット博士との対談で、印象に残るのは山中教授がウィルムット博士に研究者の「倫理」、研究応用に対する倫理の問題を質問し、自らも研究社の自戒とともに共通認識の早期確立の必要性を訴えていたことです。山中先生の会見などで受ける印象は、冷静で誠実な人柄と多くの難病患者の人々を救いたいという情熱あふれる研究姿勢でした。

 山中教授は、上記の「「世界初の心筋移植」の話について、「いきなり人体実験・・・?」と懐疑的なコメントをされていました。iPS細胞の応用に際しては、どのような問題があるのかを知りつくした方の言葉です。

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 “iPS細胞「世界初の心筋移植」”物語を一人の人格が創り出した。そこには自分があって、他者から見れは虚構の中なのだが、本人にあっては現実なのです。

 ある日突然、自分が世界の中心になっている。無意識に潜在していた渇望が噴出するのです。すべての現象も含んだ事柄や自分以外の存在者は私のために存在する。

 現実とは物理的、空間的な中に現象学的に見る目を置き、その中で意識を働かせ形なき自分の中での目覚めのようなもので、その現実が他者との共通する現実であるならば問題は生じないのですが、他者のあずかり知らぬ虚構の世界となると問題が生じます。

 「パスポートを見せてください」と質問するマスコミ。パスポートを見れは臨床応用の事実となる手術のための渡米状況がわかることからそのような質問をするのですが、困惑したような態度と「ここに今ないから・・・」の言葉。

 人騒がせな虚言に私は見えるのですが、どうなるのでしょう。