MA社会研究所情報

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経済思想。新古典派は自由放任、市場万能。マルクス派は社会主義、福祉主義。ケインズ派は政府が介入。

2015-09-23 14:07:42 | Weblog
 現代の経済学の背景にある経済思想を見た。効用、満足度を重視する新古典派は18世紀の自由放任型の自由主義が背景にある。市場で神の見えざる手が需要と供給を均衡させてくれると考える。19世紀末に産業革命の時代を見て資本主義社会では資本家が労働者と対立し、労働者が革命を起こして政権をとり社会主義になるというマルクス主義の思想がでて、共産主義国家のソ連や中国が生まれた。現代では福祉国家を目指す社会民主主義にもなっている。現実には市場は不安定で神の手が動かず悪魔に操作されるばくち打ちの世界になった。20世紀にケインズは政府が財政金融政策で市場に介入して安定化させようとした。リベラリズムの思想が背景にある。
歴史的にみると、1960年代の高度成長期はケインズ経済学の思想で経済政策が行われた。1970年代は不況と物価上昇が起きるスタグフレーションでケインズ理論では対応できなくなった。新古典派の右派のマネタリズムという貨幣供給量を重視する自由主義が主流になり、市場万能主義のサッチャリズム、レ―ガノミクスの民営化政策がとられた。しかし不動産や株のバブルが破裂し資本主義は混乱した。社会主義も崩壊し、資本主義の欧米と対立していたソ連が1991年に分解し資本主義化した。日本ではバブル崩壊後マルクス経済学的な破綻会社の国有化政策がとられた。2008年にリーマンショックという金融危機が起き、政府が介入してケインズ的な政策が行われた。グローバル経済化した現代世界をうまくコントロールできる経済思想が必要なようだ。環境問題も起きるので国際会議を行い、消費や生産の調整が必要だろう。