
関ヶ原を境に西へ向かへば、うどん文化圏に入ります。天下分け目の合戦の戦場から東側なら蕎麦を食べて西側ならうどんを食べる。これがセオリーでしょうが必ずしも合致するとは言い切れません。名神高速道路で関ヶ原を抜けて彦根I.C.を下車し、国道306号線を西に走り多賀大社の手前に「そば吉」というお蕎麦屋さんがあります。ここは「うどん文化圏」に位置しながら関東風のお蕎麦がいただけるお店です。車で滋賀県へ出張したついでにお昼はこの店でとることにしました。もう10年以上通っています。メニューにうどんがあるところは関西のようですが、中身のお蕎麦はれっきとした関東風です。それもそのはずお店のご主人が師事を仰いだのは埼玉県下の足利一茶庵の創始者,今は亡き片倉康雄氏です。僕がその名を知る前から純関東風だと感じたのは薬味のネギが白だったからです。普通関東では白ネギがネギで青い部分は使いません。ところが関西では青ネギがネギだということになっていて白ネギは使わないことが多いのです。おつゆの出汁の違いもありますが、このセンスはお蕎麦に必要な条件だと思っています。青ネギは蕎麦にとって少し匂いが強過ぎるからです。名古屋のあたりでは、白から青に色が変わるグラデーションの部分がネギっぽくて良い気がするのですがいかかでしょう。脱線しましたが今日のチョイスは「四色もり」(1000円)です。太打ちと細打ちの二品と変わり蕎麦二品の組み合わせです。「そば吉」と言えば変わり蕎麦。このお店に立ち寄って変わり蕎麦は外せません。本日は「柚子切り」と「茶蕎麦」でした。いつもこの二品が多いようです。他にも「けし」「よもぎ」「うめ」「しそ」など出ることがあります。蕎麦は「二色もり」(700円)「三色もり」(850円)など組み合わせを選ぶこともできます。蕎麦そのものも実に洗練されていて美味しい蕎麦です。変わり蕎麦の「柚子切り」は柚子の香りが気持ちいい程で一度食べると忘れ難い味です。「茶蕎麦」も茶の香りを生かしたまま蕎麦にした絶品で、僕はこれ以上の茶蕎麦を食べたことがありません。お腹がまだ膨れないのなら、メニューにはないけど「稲荷寿司」があります。何故か金曜日が休みなんですよね。行く人は気をつけてください。


そば吉 公式サイト


そば吉 公式サイト
関西は青ネギですね。鍋にでも、薬味はもちろんのこと、実家は白葱でなく青ネギを使います。切った後、臭みをとるため水にさらしてから使います。