題名からは窺い知れない優れた小説です。中編並みの長さだし、コミカルなイメージさえする題名だしということで、少々高をくくっていたが、どうしてどうしてすこぶる秀逸な人間分析・観察の名著であります。
現代社会で生きることの鬱陶しさ、苦しさ、哀しみ、よろこび、、。すべてこの小さな小説に入ってる。感動ものです。
ぼくがどの範疇に入るかなんて考えること自体馬鹿馬鹿しくなりました。生きるってことは誰かを蹴落として、異物として排除しようとするのは、人間の本能であり、ある意味当然のことかもしれない。
という、歴然たる生態を知るに及び、どうしようもない人間の生きざまの延々たる歴史さえ感じる。このことはいわゆるいじめの構造にまで根を張っている気もする。
人間が生きるうえで植え付けられるディスティンクション。これこそが良くも悪くも生きる基本なんだろうなあ、、。
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