古本屋という職業が好きだ。僕もできたらやってみたいと夢想する。そして舞台は北鎌倉。小津安二郎の住まい近く。主人はうら若き美貌女性。本の虫。ボクは就職活動中の大学卒業生。
4話の短編集だが、それぞれ関連もある。いわゆる安楽椅子探偵ものなんだが、最近この手のミステリーが流行っている。大体、作者が探偵を気取り、謎解きをしていくわけだから解決篇はなるほどフムフムといっても当たり前のことである。
そんなご都合主義のことを考えればミステリーなんか読めないが、それでもこの小説にはほかの安楽椅子探偵ものには全くない情緒と淡い空域感がある。そして本当に本を好きならガッテンと響くものが行間からあふれている。
好きだなあ。こんな小説がシリーズ化して何回も読めるなんて。読者冥利に尽きまする。幸せです。
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