前半30分は能の「善界」。いつ見ても能は難しい。セリフ(謡曲)が分からない。舞も分からない。せめて、映像で文字で映し出してくれたらなあと思う。東京では一部、文字での上映もあるらしいが、、。で、今回も、意味は分からないが、笛、鼓の音楽は最高だし、それなりに見れるのだ。
30分過ぎていよいよ演劇。冒頭からセリフが全くなく、これは大変だなあと思う。マイムでの演劇は慣れていないから、ちょっときついかなとも思う。10分過ぎたころから、それでも何らかこちらに伝わってくるものがあるのに気づく。
それから、どんどん気持ちが乗ってくる。「善界」の天狗たち5人の話なんだろうけど、あまり考えないことにした。音楽もいいし、能の「善界」からぐんぐん離れているような気がする。完全に現代演劇だ。面白い!
5人とも芸達者。安定している。稽古も十分だと思う。そのうち、ちょっとセンチな音楽につられて、エモーシャルな気持ちになる。何か能の舞台なのに、最先端の現代演劇の小さな空間・舞台を観ているような気がする。心が揺さぶられる。不思議だ。内容がそれほど分からないのに、この感動はなぜなのか、、。
この、能と現代演劇のコラボも今回で3回目だが、だんだん面白くなるね。ただ、この現代演劇を見た山本能楽堂の人たちはどんな感想を持つのかな。今回はかなり演劇への理解が必要かもしれません。でも、3回目にして初めて能と現代演劇との融合が混沌としてきた感もあります。でもこの企みは斬新で面白い。
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