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映画日記(神戸・梅田・天六)(11/2~11/4)

2008-11-09 14:47:03 | 書きとめ日記
映画の創造方法について
今週は少し毛色の変わった映画を2本見た。どちらもある程度の脚本は用意してあるのだが、セリフ部分の書き込みがほとんど自由という代物の映画である。
つまり、場所等の設定はするが、そこから行われるセリフのやり取りは俳優の自然発露的なものによる、ということだ。
よくイギリスのマイク・リー監督がこの手法を好みカンヌ、パルムドール大賞作「秘密と嘘」などの傑作を生み出している。
日本の監督でも諏訪敦彦がこの手の映画をよく撮っている。「M/OTHER」という映画は結構面白かった。カンヌで国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞している。
僕は映画の可能性を信じたいから、この手の映画は好きだ。けれど、セリフを俳優が作り演じなければならないものだから、作品への理解の度合い次第ではとんでもない作品が(良くも悪くも)生み出される危険性がある。

まず「七夜待」。河瀬直美の新作である。
概してこの映画の主演女優長谷川京子からはセリフ的な何かを呼び込むことは出来ない感じだったが、彼女は雰囲気のいい女優で、自然との調和・融合といったものを体現していたように思える。
でも、ただ単に劇映画としてこの映画を捉えると、はなはだ退屈な映画と思ってしまう観客も多いのではないか、と思う。でも、僕は映画から通り一遍のものを創造させる以上の何かをこの映画で創造させるといった一つの目的はある程度達成しているのではないか、と思った。河瀬のその意気込みは素晴らしいと思っている。

そしてもう1本「ブタがいた教室」。
ブタを学校で飼ってしばらくしてから食べようと決めた小六のクラスのハナシである。
26人の子供たちがそれぞれディスカッションの際に役柄という枠は持ちながらもペットと家畜という「いのち」の問題について自分の思っているところを吐露させる。コドモだけれど俳優である彼らは見事決められたセリフがないのに役どころを演じ言葉を策定する。大人ではない彼らコドモにかなり酷だとは思ったが、自然な流れでとても面白く、感動的な作品に仕上がっている。
映画ってやはりまだまだ凄いなあと思う。どこまで変わっていけるんだろうなあ、と期待感が高まる。

11/2 シネリーブル神戸 1本
11/3 ブルク7 1本
11/4 シネリーブル梅田 2本
11/5 天六ホクテンザ及びユウラクザ2本
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