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コッホ先生と僕らの革命 (2001/独)(セバスチャン・グロブラー) 65点

2012-09-28 13:38:58 | 映画遍歴

最近実話をもとに、という映画が多い。となると、ストーリー的にこれは変、とか言いづらくなる。この作品も結構突込みが多いのだが、あれこれ言ってはいけないのだろうか、、。

時代は日本では明治初期のころの国家体制の強化が強いられていた頃で、この作品の舞台であるドイツの帝政時代となんら変わりはない。そういう意味で日本と同格化して僕は見ていた。

なるほど、父親の言うことは絶対である時代にこれに歯向かう子供はかなりきついものがある。それが学校の有力者であり、なおかつ絶対権力者であるとなおさらだ。なぜなら彼ら子供たちは教育という名のもと完全に洗脳されていたであろうはずだから、、。

級長フェリックスはそういう環境でいながら、ただただサッカーに自由で新しい気風を感じ取りメイドとの恋愛もあるが、親に反逆し始める。ちょっと嘘っぽいのだがこの部分も実話だろうか、、。

時代からしてヨスト(貧民層)がブルジョアの子弟と共に学校に学べるというのは、日本であれば藩校に寺小屋の百姓息子が入校するようなもので、そりゃあかなりの差別いじめがあったろうと推察される。

スポーツをすることでイギリス的自由平等・相手を敬うフェアプレイが推進されるのが本来のコッホ先生の目論見なのだろうが、映画ではたサッカーの楽しみを奪われた(卑近な例で言うと例えばゲームの場を突然奪われた小学生のような)子供たちのように思われてしまった。

絶対権力者が反骨教員をクビにしてサッカー試合を反古にしたはずなのに、やめるその日に英国からサッカーチームがやってきて仕方なしに対戦させるなどかなりのご都合主義なのだが、これも実話なんでしょうか、、。

結局自由とは何か、そういうものは抑えても希求する心がある以上束縛は出来ないのだよと僕は感じ取ろうとしたのだが、なかなか映画はそういう方向に行かず、ドイツのサッカーの発祥を感じるラストと相成る。

映画全体に感じる緩やかさは題名から見る「革命」からは程遠い。このネーミングはちょっといけないのではないか。

とか何とか揶揄していますが、まあ良心的ないい映画ではあると思います。全体に水準の出来です。


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