セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 86本、 演劇 63本

いけないII(文藝春秋) (2022 道尾秀介) 85点

2022-11-24 19:29:49 | 読書遍歴

3編のオムニバス作品と終章のあっと驚く真実に戦慄する。

道尾の作品に出てくる登場人物はみんな影を帯び、人間が哀しい存在であることをうかがわせる。それは子供でも容赦なく陰影をつけ、描いてゆく。生きることは哀しいことなんだなあとつくづくと考えさせられる。

この視点が道尾の魅力でもある。ミステリーの手法を取ってはいるが、まさに文学であると僕は思う。今、そういう意味で日本に数少ない作家だと思う。

前作のこのシリーズも秀逸だったが、本作も絶品の出来。ミステリーファンは拝読させられよ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 恋人はアンバー (2020/アイル... | トップ | 夜明けの詩 (2021/韓国)(キ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書遍歴」カテゴリの最新記事