セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 79本、 演劇 51本

わたしは最悪。 (2021/ノルウェー=仏=スウェーデン=デンマーク) (ヨアキム・トリアー) 80点

2022-07-01 19:37:22 | 映画遍歴
お気に入り監督の話題作である。なるほど全体を13章に分けており、小説を読んでいるかのようでもあるが、1人の女性の心象を表現するにはメリハリがあって、よろしい。 男と女の生き方にはさまざまあれど、この映画のように2つの恋愛を見てると、随分有り体で分かりやすい。この作品は女性から見た人生への探求となっているので、男性への関わり合い、人間のそもそも自由とは何か、愛する人からも束縛されたくはない、などの . . . 本文を読む
コメント

看守の流儀 (宝島社文庫 ) (2022 城山真一) 85点

2022-07-01 08:54:04 | 読書遍歴
5編の短編集。一応時系列的にはつながっている。金沢の刑務所での囚人と刑務官の話である。人々の生活空間からぽつんと疎外されているこの空間に人間的なまなざしを深く感じることになる。 まず視点がいい。刑務官、囚人たちの真実の心の慟哭、広がりを感じ取り、そういう世界とは関係ないと思っていた自分がはっとさせられる素晴らしい小説であった。ミステリーとしても秀逸だ。 なかでも「ガラ受け」は不覚にも涙を流して . . . 本文を読む
コメント

新人作家・杉浦李奈の推論 (角川文庫) (2021 松岡 圭祐) 70点

2022-07-01 08:41:11 | 読書遍歴
あまり読むことのない出版社の裏話満載、というほどでもないが、出版社の実名が出てきたりするので頑張ってるなあという期待感もある。 そして盗作疑惑を捜査するのが新人作家という設定だが、編集者からこき使われたり、それなりの松岡の当時の思いが伝わってきたりして、それは面白い。作家と言えども、売れない間は編集者からぞんざいな扱いをされるのかと興味を引いた。 さて、盗作事件の真相だが、これはそれほど面白く . . . 本文を読む
コメント