Sightsong

自縄自縛日記

暑中見舞いは8ミリで/かげひかりげんぞうにんげん8みり

2015-08-16 08:20:41 | 小型映画

(本人は謙遜して否定する)映像作家の安田哲さんが、高円寺の銭湯・小杉湯で、『暑中見舞いは8ミリで/かげひかりげんぞうにんげん8みり』(どちらがタイトルかよくわからない)という展示を行っているというので、中央線に乗って足を運んだ。

純情書店街を抜けて庚申通りの途中。よく見ると歴史のありそうな銭湯である。入ると、なぜ銭湯にギャラリーがあるのかわかった。待合室の壁が展示スペースとなっているのだ(1月ごとの入れ替えで、大人気でしばらく予約で一杯だという)。すでに安田さんと、画家の壷井明さんがいた。

壁には、安田さん自身を含め、何人かが撮った8ミリの白黒フィルムをプリントしたものが貼ってある。もっとも、ライトボックスにフィルムを置いて一眼レフで撮ったものだという。そして安田さんが映写機を手で持って、そのいくつかを壁に映写している。現像は、8ミリ界では有名な大西健児さんであり、トライXをまとめてじゃぶじゃぶと処理しているためムラや傷が多い。もちろんそれは味わいに他ならない。わたしが江戸川の妙見島で撮ったものを映写してもらうと、戦前の浦安界隈にしか見えないのだった。壁には、その1シーンである「HOTEL LUNA」(特定目的ホテル)を撮った部分が貼られていた。

それにしても待合室。風呂あがりに涼む人たちだけでなく、中学生がたむろして漫画をひたすら読みふけっている。なんとフルーツ牛乳だけでなく、数々の「地サイダー」が売られている。せっかくなので200円の「姫路城サイダー」をいただいた。

安田さんは、「自分の靴に鏡を結わえて歩き、そこに写ったカメラを持つ自分の姿」を撮った奇っ怪なる映像を壁に映写している。中学生たちは、映写機を囲んでにやにやしてぼそぼそ喋る人たちをどう思っただろう。近所の方に連れられた小さな女の子は、「なんで回っているの? なんで光っているの? 大人の世界ってやつ? なにも写ってないじゃん!」と鋭いツッコミを入れてきた。

そんなわけで、安田さん、壷井さんと3人で「大将」という店で焼き鳥を食べ、高円寺の街を徘徊して帰った。

●参照
ツァイスイコンのMoviflexと値段が2倍のトライX
記憶の残滓
「FUKUSHIMAと壷井明 無主物」@Nuisance Galerie その3


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