Sightsong

自縄自縛日記

ザ・コンバージェンス・カルテット『Slow and Steady』

2017-01-01 10:26:52 | アヴァンギャルド・ジャズ

ザ・コンバージェンス・カルテット『Slow and Steady』(No Business Records、2011年)を聴く。

The Convergence Quartet:
Taylor Ho Bynum (cor)
Alexander Hawkins (p)
Dominic Lash (b)
Harris Eisenstadt (ds) 

ハナから向こう受けを狙ったものではなく、キャッチ―なプレイや曲などはない。それでも、どの断面も愉快である。

もちろん典型的なジャズ・フォーマットなのだけれど、曲のなかの構成やメンバーの協調(グループ名からいえば収束も離散もある)のあり方は、典型的なものよりもはるかに自由である。かといって、ピーター・エヴァンスがやってきたような過激な破壊と再構築ではない。このあたりが、テイラー・ホー・バイナムの微妙なポジションであり、面白さではないか。

ハリス・アイゼンシュタットのドラムスは爆発的な音を立てるでもなく、繊細だ。バイナムのコルネットは全体のバランスを視て動いているようでもあり、各瞬間に分裂しているようでもある。そして各人が近寄ってユニゾンでプレイしたり、離れて違う種を仕掛けたりする。リズムもかなり自由度を高くして随時変更されている。

●テイラー・ホー・バイナム
『Illegal Crowns』(2014年)
アンソニー・ブラクストン『Ao Vivo Jazz Na Fabrica』(2014年)
Book of Three 『Continuum (2012)』(2012年)
アンソニー・ブラクストンとテイラー・ホー・バイナムのデュオの映像『Duo (Amherst) 2010』(2010年)
アンソニー・ブラクストン『Trio (Victoriaville) 2007』、『Quartet (Mestre) 2008』(2007、08年)

●ハリス・アイゼンスタット
ハリス・アイゼンスタット『Old Growth Forest』(2015年)
ハリス・アイゼンスタット『Canada Day IV』(2015年)
ネイト・ウーリー『(Dance to) The Early Music』(2015年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。