谷根千エリアに足を運んだついでに、ギャラリーを覗いた。
福田紀子『山を見に行った』(やぶさいそうすけ)は、模造紙に木や山の絵を描いた作品。紙の上にテキトーに紙が貼ってあり、その上からいかにもテキトーに色が塗られている。その結果、額装もしていないので絵はしわしわだ。暗いギャラリーのこげ茶色の木壁と相まって、まるで小学校で習字が貼り出されているみたいだ。・・・というようなことを、居合わせた作者に話したら苦笑していた。
辻恵子『うさぎ年の春』(トーキョーバイクギャラリー)は、ハギレや切手などの印刷物から人物を切り出し、もとの素材とともに額に収めている。ミニマルの極み、ちっちゃくて細かくて器用である。
何だか気分がささくれだっている今日この頃、これらのようにひたすらに人間くさい手仕事が嬉しい。そうか、これが「癒し系」か。
ついでに、学生時代にときどき行った中華料理のBIKA(根津駅近く)で、名物のニラそばを食べる。肉味噌が中心にあり、周囲は細かいニラだらけ。絶妙に火が通っていて、ちょっと生のピリッとするニラ感も残っている。昔食べた時、勢いよくすすりすぎてニラ片が喉に貼りつき、涙と鼻水を流しながら咳き込んだことを思い出した。もう穏やかに食べる歳なので、今回はそのような馬鹿な事故は起きなかった。
東南アジアにあるかどうか不明ですが(笑)、シンプルで旨いです。