Sightsong

自縄自縛日記

リー・コニッツ『At Sunside 2018』

2018-08-03 07:19:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

リー・コニッツ『At Sunside 2018』(Jazz Time、2018年)を聴く。

Lee Konitz (as, vo)
Alain Jean-Maric (p)
Jeremy Stratton (b)
George Schuller (ds)

今年(2018年)の3月に、リー・コニッツがパリのジャズクラブで行った演奏。1曲目の「How Deep is the Ocean」を流した途端に何が起きているのかと戸惑う。もはやリズムやコードに合意のもとあわせてではなく、なにしろコニッツが吹きはじめる。身勝手というのでもないし、手が付けられない巨匠にサイドメンが無理に合わせていくというのでもない。個人の独立性を極めたらこうなってしまうような感覚である。

とは言えカルテットである。やがてピアノトリオの努力によってかコニッツへのリスペクトによってか、サウンドはまとまってくる。

コニッツは「What Is This Thing Called Love」では自身のオリジナル「Thingin'」のフレーズに持ち込み、「Darn That Dream」ではスキャットでコニッツ・フレーズを呟く。「Kary's Trance」のあとには、「Karyは娘の名前だ。trance・・・tranceの意味わかる?」とか飄々と喋り、観客を笑わせる。今年もなお喰えないオヤジである。嬉しいなあ。最後の「Body and Soul」でもアルトのフレーズのそこかしこにコニッツにしか出せない音。

90歳。

●リー・コニッツ
リー・コニッツ『Jazz Festival Saarbrücken 2017』(2017年)
リー・コニッツ+ダン・テファー@The Jazz Gallery(2017年)
リー・コニッツ『Frescalalto』(2015年)
リー・コニッツ+ケニー・ホイーラー『Olden Times - Live at Birdland Neuburg』(1999年)
今井和雄トリオ@なってるハウス、徹の部屋@ポレポレ坐(リー・コニッツ『無伴奏ライヴ・イン・ヨコハマ』、1999年)
ケニー・ホイーラー+リー・コニッツ+デイヴ・ホランド+ビル・フリゼール『Angel Song』(1996年) 
リー・コニッツ+ルディ・マハール『俳句』(1995年)
アルバート・マンゲルスドルフ『A Jazz Tune I Hope』、リー・コニッツとの『Art of the Duo』 (1978、83年) 
アート・ファーマー+リー・コニッツ『Live in Genoa 1981』(1981年)
ギル・エヴァンス+リー・コニッツ『Heroes & Anti-Heroes』(1980年) 
リー・コニッツ『Spirits』(1971年)
リー・コニッツ『Jazz at Storyville』、『In Harvard Square』(1954、55年)


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