Sightsong

自縄自縛日記

アート・ファーマー+リー・コニッツ『Live in Genoa 1981』

2015-05-19 07:33:23 | アヴァンギャルド・ジャズ

アート・ファーマー+リー・コニッツ『Live in Genoa 1981』(Tramonti Records、1981年)を聴く。最近の発掘盤である。

Art Farmer (flh)
Lee Konitz (as)
Ross Tompkins (p)
Milt Hinton (b)
Shelly Manne (ds)

演奏前にホテルの一室で練習しているようなジャケット写真が日常を垣間見せてくれるようで実に良いが、実は中身も文字通り自然体である。ファーマーのフリューゲルホーンには極端に走らない上品さがあって、スタンダードを丁寧に吹くときに魅力的。

コニッツのアルトサックスはすでに柔らかくエアが多く、つまりヘコヘコでフワフワの音を出す。同じころに吹きこまれたギル・エヴァンスとのデュオ『Heroes & Anti-Heroes』(1980年)もそうだったが、あまり世評は高くなくてもわたしは好きなのだ。こんな弛緩と緊張とが混ざったアルトを他に誰が吹くだろう。

ミルト・ヒントンのベースも聴きどころ。特に「Joshua Fit the Battle of Jericho」はベースソロであり、弦がきしむ金属音とともによく鳴っている。

●参照
アート・ファーマー『Sing Me Softly of the Blues』
ジーン・バック『A Great Day in Harlem』(ヒントンによる8ミリ映像、ファーマーも登場)
『セロニアス・モンク ストレート、ノー・チェイサー』(ファーマー登場)
ミルト・ジャクソンの初期作品8枚(ファーマー参加)
リー・コニッツ『Jazz at Storyville』、『In Harvard Square』
ケニー・ホイーラー+リー・コニッツ+デイヴ・ホランド+ビル・フリゼール『Angel Song』
ギル・エヴァンス+リー・コニッツ『Heroes & Anti-Heroes』
リー・コニッツ+ルディ・マハール『俳句』
今井和雄トリオ@なってるハウス、徹の部屋@ポレポレ坐(リー・コニッツ『無伴奏ライヴ・イン・ヨコハマ』)
アルバート・マンゲルスドルフ『A Jazz Tune I Hope』、リー・コニッツとの『Art of the Duo』


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。