Sightsong

自縄自縛日記

チャド・テイラー『Myths and Morals』

2018-05-23 13:52:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

チャド・テイラー『Myths and Morals』(eyes&eyes Records、-2018年)を聴く。

Chad Taylor (ds)
Elliot Bergman (electric kalimba)

チャド・テイラーのドラムソロ作品であり、一部エリオット・バーグマンの電気親指ピアノが加わっている(「Island of the Blessed」)。

この電気親指ピアノによる悪夢的な繰り返しも麻痺しそうでいいのだが、それはなくても、テイラーのドラムスがもとより多彩極まりない。それでいて演奏の根っこはシンプルな感覚。

たとえば、ジェームス・ブランドン・ルイスとのデュオ『Radiant Imprints』でも親指ピアノを披露してくれたわけだが、ここでも、それによる割れた音を混ぜこんでいる。音は割れることによって、音以外の何かへと聴き手を誘う。それはルーツだとか遠くだとかへの目線となる。またそれはきっかけに過ぎず、大きなアトモスフェアを創り出し、その中からテイラー自らが鋭く丸くもあるパルスを放ちながら、力強く走りはじめたりもする。

いつまでもポテンシャルを秘めていそうなドラム世界か。魅かれる。

●チャド・テイラー
ジェームス・ブランドン・ルイス+チャド・テイラー『Radiant Imprints』(JazzTokyo)(-2018年)
ジェイミー・ブランチ『Fly or Die』(-2017年)
シカゴ/ロンドン・アンダーグラウンド『A Night Walking Through Mirrors』(2016年)
ヨニ・クレッツマー『Five』、+アジェミアン+シェイ『Until Your Throat Is Dry』(JazzTokyo)(2015、16年)
エリック・レヴィス『In Memory of Things Yet Seen』(2014年)
ジョシュア・エイブラムス『Represencing』、『Natural Information』(2008-13年)
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)
マーク・リボーとジョルジォ・ガスリーニのアルバート・アイラー集(1990、2004年)
Sticks and Stonesの2枚、マタナ・ロバーツ『Live in London』(2002、03、11年)


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