Sightsong

自縄自縛日記

アンディ・シェパード『Surrounded by Sea』

2015-06-17 07:21:24 | アヴァンギャルド・ジャズ

アンディ・シェパード『Surrounded by Sea』(ECM、2014年)を聴く。

Andy Sheppard (ts, ss)
Eivind Aarset (g)
Michel Benita (b)
Sebastian Rochford (ds)

前作『Trio Libero』ではベース、ドラムスとのトリオ、その前の『Movements in Color』はギター2本、ベース、タブラのグループだった。今作ではまたギターを入れたカルテットとしているわけだが、このように行きつ戻りつしながら完成度を高めている・・・というか、この人の音楽はもう高いところにあってすでに完成されている。

ここでは、前作と同様に、チャーリー・ヘイデンの影響を受けて残響音を活かしたプレイをするミシェル・ベニータのベースと、さらにロングトーンのアイヴィン・オールセットのギターとが、まるで弾力性のあるミディアムのように、下からシェパードを持ち上げている。シェパードはと言えば、自身のサックスのエアで華麗に自由飛行している。音色のひとつひとつが機微に触れてきて、ため息とつきたくなる良さがある。

最後の曲は意外にも「Looking for Ornette」。シェパードはそれらしきフレーズを吹くものの、まるでオーネット・コールマンと共通する要素がないように思える。何かオーネットへの思いなどあったのだろうか。

●参照
カーラ・ブレイ+アンディ・シェパード+スティーヴ・スワロウ『Trios』(2012年)
キース・ティペット+アンディ・シェパード『66 Shades of Lipstick』、シェパード『Trio Libero』(1990年、2012年)
ケティル・ビヨルンスタ『La notte』(2010年)(シェパード参加)
アンディ・シェパード『Movements in Color』、『In Co-Motion』(2009年、1991年)
アンディ・シェパード、2010年2月、パリ


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