Sightsong

自縄自縛日記

スティーヴ・コールマン『Morphogenesis』

2017-06-21 00:23:07 | アヴァンギャルド・ジャズ

スティーヴ・コールマン『Morphogenesis』(pi recordings、2016年)を聴く。

Steve Coleman’s Natal Eclipse:
Steve Coleman (as)
Jonathan Finlayson (tp)
Maria Grand (ts)
Rane Moore (cl)
Kristin Lee (vln)
Jen Shyu (vc)
Matt Mitchellt (pn)
Greg Chudzik (bs)
Neeraj Mehta (perc) (on 3, 4, 6, 7, 9)

昔からのM-BASEと同様の複雑なリズム、その上に組み上げられた複雑な構造物。

もちろんスティーヴ・コールマンはアクロバティックにカーヴをすれすれで曲がるアルトを吹く。それでも他のメンバーはきっちりとした方法論に沿って演奏を出し入れし、その都度、構造へと戻ってゆく。しかしその構造も重い鉄骨などではなく、軽量なマテリアルで精巧に組み上げられ、宇宙空間で上下左右へと動いてその姿を変え続けているようだ。

ダイナミズムの中で、複数の楽器によるユニゾンがあり、ジョナサン・フィンレイソンのトランペットや、クリスティン・リーのヴァイオリンが意思をもって逸脱し戻ってくる。それは聴いていてスリルがあり快感である。動きに重力を持たせようとするような、ジェン・シューのヴォーカルも良い。このような隙間の建築物サウンドに、マット・ミッチェルのピアノはとてもマッチしているように感じる。

●スティーヴ・コールマン

スティーヴ・コールマン『Invisible Paths: First Scattering』(2007年)
スティーヴ・コールマン+デイヴ・ホランド『Phase-Space』(1991年)
シンディ・ブラックマン『A Lil' Somethin', Somethin'』(1980年代後半~90年代前半)

●ジョナサン・フィンレイソン
ジョナサン・フィンレイソン『Moving Still』(2016年)
メアリー・ハルヴァーソン『Away With You』(2015年)
ジョナサン・フィンレイソン+ブライアン・セトルズ@6BC Garden(2015年)
ジョナサン・フィンレイソン『Moment & the Message』 (2012年)

●マット・ミッチェル
マット・ミッチェル『Vista Accumulation』(2015年)
ティム・バーン『You've Been Watching Me』(2014年)
ティム・バーン『Shadow Man』(2013年)


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