Sightsong

自縄自縛日記

ROW project@阿佐ヶ谷Yellow Vision

2022-04-17 09:00:16 | アヴァンギャルド・ジャズ

阿佐ヶ谷のYellow Vision(2022/4/16)。

Homei Yanagawa 柳川芳命 (as)
Yasuhiro Usui 臼井康浩 (g)
Reiko Nonoyama 野々山玲子 (ds)
Miki Naoe 直江実樹 (radio)

ROW projectとは、コロナ禍で集まれないことを奇貨として、ミュージシャンがリレー式に音を重ねてゆくコンセプトだった。同タイトルのCDもそのように作られたものであって、メンバー間には試行に伴うラグや思索が介在しているように感じられた。

そしてようやくバンドとして演奏をはじめているわけだけれど、プロジェクトの特性は依然として残っているようで、それがおもしろいことにちがいない。

臼井さんはギターの弦にも裏側にも権力差を作らずアプローチする(楽器全体をマテリアルとして扱うという点ではドイツの二コラ・ハインにも共通するが、より三次元的だ)。これが巣箱から次々に蜜蜂を飛び立たせているようなサウンドを生み出す。それに呼応して(ROW project的に)、柳川さんのサックスが無数の蜜蜂へと変貌したようで唸ってしまった。野々山さんのドラムスは垂直型というのか、しかし熱気の高まりとともにロジカルなアプローチを敢えて壊す野蛮さがあった。

後半で参加する直江さんが、演奏前に「前とは方法論を変えた」といったようなことを呟いていた。それが何か本人に確かめずに帰ったのだけれど、ひょっとすると、偶然性を活用するラジオの音をアンビエントに使うばかりではなく、そこからの抽出と放出を意味したのかもしれない。そうなると強度の高い三者に拮抗するおもしろさがあって、やがてアンビエントな方へとシフトすると、柳川さんはやはり呼応して連続的でブルージーな吹き方へとふたたび変貌した。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、Pentax 77mmF1.8

●柳川芳命
柳川芳命+富松慎吾+マツダカズヒコ+松原臨@京都Annie's Cafe(2021年)
柳川芳命+照内央晴+神田綾子@なってるハウス(2021年)
昼間から即興肴に戯れる会@武蔵境810 Outfit Cafe(2021年)
My Pick 2020(JazzTokyo)(2020年)
『Interactive Reflex』(JazzTokyo)(2019-20年)
日本天狗党、After It's Gone、隣人@近江八幡・酒游館(2019年)
柳川芳命+Meg Mazaki『Heal Roughly Alive』(2018年)
柳川芳命+Meg『Hyper Fuetaico Live 2017』(JazzTokyo)
(2017年)
Sono oto dokokara kuruno?@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
柳川芳命『YANAGAWA HOMEI 2016』(2016年)
柳川芳命+ヒゴヒロシ+大門力也+坂井啓伸@七針(2015年)
柳川芳命『邪神不死』(1996-97年)
柳川芳命『地と図 '91』(1991年)

●直江実樹
神保町サウンドサーカス(直江実樹+照内央晴、sawada)@神保町試聴室(2020年)
特殊音樂祭@和光大学(JazzTokyo)(2019年)
合わせ鏡一枚 with 直江実樹@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2019年)
フローリアン・ヴァルター+直江実樹+橋本孝之+川島誠@東北沢OTOOTO
(2018年)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。