四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その16)

2021年12月29日 05時18分57秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その16)   短歌の投稿を歓迎します!!

     ☆☆☆ 今回の掲載をもって2021年の「水曜サロン」は完了となります。    ☆☆☆
     ☆☆☆ 2022年の「水曜サロン」は2022年 1月12日(水)から開始致します。 ☆☆☆
     ☆☆☆ 出詠頂き、またお立ち寄り頂いた皆様に感謝申し上げます。       ☆☆☆
     ☆☆☆ 皆様も良いお年をお迎えください。                  ☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の投稿を歓迎します。

【年末年始の投稿】
 年末年始の日程につき、各位の諸々のご都合もあるでしょうから詠草等の
 投稿は以下の日程にて執り行いたいと思います。ご協力頂ければ幸いです。
  ・2021年12月29日(水) 2021年「水曜サロン」最終掲載日
  ・2022年 1月11日(火) 17:00 2022年 最初の短歌投稿締め切り 
  ・2022年 1月12日(水) 2022年「水曜サロン」最初の掲載日

 なお、運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。




「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

☆太陽が 新雪照らし 朝焼けの 白い野原に 轍くっきり
☆あしひきのくれない燃ゆる浅間山冬支度急ぐ麓の家も
☆楽しみは ハルニレテラス 遊歩道 語らいながら 散歩するとき

                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 浅間山が麓まで白銀に覆われると、軽井沢をはじめ佐久平にも白雪が降りますね。
 そして高原の地は結構厳しい寒さも襲ってきますが、気持ちまでシャキッとした
 記憶があります。いずれも冬に真向かう高原の地の光景を詠んだ素敵な短歌です。
 二首目の「あしひきの」は「山」を導く枕詞ですが、この場合「浅間山」に掛かりますが、
 「くれない燃ゆる」が間に挟まれているため、枕詞の機能を少し弱めているように見えます。
 五音はもったいないので「夕焼けの浅間山」にフォーカスし、次のように詠んでみましたが、
 いかがでしょうか。
【ご参考】
  ★白銀(しろがね)の浅間の峰も夕映えに 染まり燃えるや 木枯らしのなか

☆整列の頭しばりの白菜がきらきら光る冬至の朝に
                         あんりママさん

【自己注釈】あんりママさんご自身の注釈です。
 朝畑道を歩くと、広い畑は頭をひもで縛った白菜が規則正しくどこまでも並んでいて、
 一面の真っ白な霜が朝日に照らされきらきらと光るのがきれいでした。
【解説】
 「真っ白な霜が朝日に照らされ」耀いてみえる畑に、一列に並んだ白菜。「頭縛り」された白菜は、
 冬の寒さに耐えながら糖分が増す、通称「越冬白菜」と言われているようですね。
 そんな「風物詩」とも言える光景を詠んだ短歌は、確かな写生となっています。
 ただ、光るのは白菜でなく、朝日に照らされた霜ですので表現を少し工夫してみました。
 いかがでしょうか。ただ「冬至の朝に」の句も良いので、捨てがたいのですが・・・。
【ご参考】
 ★初霜の光る畑に整然と 頭しばりの白菜ならぶ


☆食べるのが遅いわたしは食堂で早く食べよと叱られたりし
☆歩くこと遅くなりせば回数を増やすべからずのろのろ散歩の
☆嗚呼やはり歳はとりたくあらざるよ歩くにしても食べるにしても

                         びこさん

【解説】
 「食べるのが遅い」「歩くこと遅く」は、個人差はあるでしょうが年齢と共に誰しもが通る道。
 その状態に批判的な目を向ける方も、やがて自ら納得する日が来ますので、堂々と胸を張り、
 楽しく歩き、美味しく頂きましょう。
 「想像力に欠ける」方は、いつの世にも、いずこにもおられますが、やがて自分の不明に
 恥じることになるでしょうから、笑ってスルーしましょう。
 「年をとること」が誇りとなるような先輩も数多いますので…、寂聴さん、佐藤愛子さんしかりですね。



☆都会は孤独
  ーー誰もが別の顔ーー
    地下鉄の音がただ こだまする

                         自閑 (jikan314)さん

短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 YouTubeの曲や映像のイメージから自由律短歌を作っております。今回の題は、
 「都会の孤独 ストレンジャー」で、曲はビリー・ジョエルのストレンジャーです。曲の最初に口笛を吹き、
 私には、ニューヨークの孤独な風景に聞こえました。
 「ーー」で区切られた部分は、よく歌手が歌う歌詞とは別に、バックコーラスが歌う歌詞的イメージです。
 拙blogにYouTubeを張り付けておりますので、ビリー・ジョエルの曲と共に、愚詠も御覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/074e3e5776ff4e0fd4bcad9257cc28bf
【補足】ポエット・M
 アメリカのシンガーソングライター、ビリー・ジョエルは「ストレンジャー」のアルバム中の
 「素顔のままで」でグラミー賞もとっていますが、シングル盤も出されていますね。
 シングル盤「ストレンジャー」では、おっしゃるように「都会は孤独」を、曲の最初の口笛で
 象徴的に表現していますね。
 何気ない日常に現れる、深い孤独を表現する、詩情の滲む自由律短歌と思います。


☆長い旅 初めて一緒の 里帰り
   車窓の雪を クロは楽しむ
☆コロナ渦で久々の帰省 門前で
   待つはずの義母(はは) 介護施設に

                         クロママさん

【解説】
 ご実家への帰省。愛犬クロちゃんにとっては、初めての長旅とのことでしたが心配する事はなく、
 むしろ車窓から雪景色を楽しんだ様子が、短歌から窺えます。
 クロちゃんに注がれる温かな眼差しが溢れる、好感の持てる短歌と思います。
 二首目を散文調から、少し調べを加えてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★コロナ禍の 帰省叶わぬ日々の後
   出迎えくれる 義母(はは)は施設に


☆夜遅く帰宅の吾の布団敷く夫の優しさ心にしみる
☆真っ直ぐに吾(あ)の目を見つめ「ミャー」と鳴く猫のミー姫信頼の瞳

                         リコさん

【解説】
 作者の所属する短歌会は歌会始の儀に3名の方が入選されているとのこと。
 それだけ優れた歌人の方が在籍されていることと思います。
 それらは、お互いに刺激になり、切磋琢磨の場となっていることと思います。
 一首目は、作者ご夫妻の日ごろの思いやりが垣間見える、温かなお歌と思います。
 このような短歌が自然に詠める関係性。それをお互いに築いてこられた、お二人の
 絆の強さをしみじみと感じます。
 この歌に表現されたご夫妻のあり方を、私達シニアも目指したいと思います。


☆冬凪の海原すべる鴨の群れ 舞いゆく果てに漁り灯も揺れ
                         ポエット・M

【解説】
 夕凪の海の寒さをものともせずに、鴨の群れが滑るように進み、一斉に舞い立っていきます。
 その舞い立つ果てに、微かに灯り始めた漁火が揺れています。正に漁火を目指すかに飛び立つ鴨たちの、
 一糸乱れぬ舞姿に見惚れて詠んでみました。



「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (17)

4.戸隠山無情 (4)

  戸渡りを 
    渡りてさらに
      刃渡りを
     越えて楽しさ
       八方睨

    蟻のごと
      登りきたりて
        山頂の 
       八方睨の
         風に立つ我れ

     峰を超え
       峰を渡れば
         次々と
        戸隠山の
          振袖模様
 
    はるかなる
      空の彼方を
        ゆく雲に
       君を思えば
         戸隠無情

   なにもかも
      急に哀しく
        切なくて
       身も世もあらず
         涙をながす




【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【枕詞(まくらことば)】2021年10月13日 付けで掲載しましたが、再録します。
 枕詞とは短歌(和歌)にみられる修辞用語のひとつで、一定の語の上にかかって、ある種の
 情緒的な色彩を添えたり、句調を整えたりするのに用いられます。ただ、主題とは直接に
 意味的な関連はありません。
 簡単に言うなら、「あしびきの」とくれば、その下は「山」、「ひさかたの」とくれば
 その下には「空」や「光」などがくるわけです。

 枕詞は、口誦時代には一定の語句を引き出す役目をしていました。ただ、現代では短歌は
 文字に書いて発表されることが大半のために、このような効力は失われつつあります。それでも、
 枕詞の多くの語句が五音から出来ているため、現代短歌の世界においても韻律を整えるうえで
 有効であることは確かですので、挑戦してみましょう。

 枕詞とその枕詞が引き出す語句の例がネットに掲載されていますので、一例を「ご参考」として
 URL(ネットのアドレス)を以下に記しておきます。
 http://makurakotoba-ichiran.seesaa.net/




【運営にあたって】
 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。

                            了
コメント (21)
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