四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

燃ゆる曼珠沙華

2020年10月04日 10時06分04秒 | 日々の歩み
今年の中秋の名月は10月1日で、満月は昨日10月2日の午前6時とのことでした。
また、昨日は満月と火星が並んで見えるとのことでしたが、生憎雲に閉ざされ
見ることが叶いませんでした。



旧暦9月13日の夜に十三夜というお月見があり、この十三夜は、十五夜とセットで
お祝いすることが良しとされており、どちらか片方しかお祝いしないと「片月見」
などとして、旧来から忌むこととされていました。
昨今ではあまりこだわる方はすくないとおもいますが・・・。

  【上の写真は満月のイメージとして、ネットからお借りしました。】

さて、新型コロナ感染症の数は若干減少しているとは言え、未だ高止まりの傾向に
あります。なお、Go Toキャンペーンの除外措置から東京が外れましたが、
東京の感染状況を見ると不安感が募ります。
私たちの職場も在宅勤務や、勤務日数の減少等を含めてコロナ対策を引き続き
継続していますが、収束への道筋が見えない現状に不安感は拭えないでいます。

こんな日々の中で、開花が大幅に遅れていた彼岸花・曼殊沙華がようやく咲いたとの
情報があり、細君ともども開花地の一つであります「横須賀しょうぶ園」に行って
まいりました。



この公園に咲く曼殊沙華は、深紅の花よりも白、淡紅が目立ちます。
なお、曼珠沙華を韓国では「相思花」(サンチョ)と呼ぶとの事です。花は葉を思い、
葉は花を思うことが、この花の名前の由来との事です。事実、花の咲く時期には葉はなく、
葉の茂るときには既に花は存在しないという不思議な花でもあります。

 秋の柔らかな木洩れ日をまとい、静かに揺れる相思花。この花を眺めていると、
深い思いをこの花の名に託した、先人の心のありようが切なさと共に浮かんで参ります。

こんな曼殊沙華に寄せて短歌を詠んでみました。
   ☆長月の荒れ野に燃ゆる曼殊沙華 逝きたる季節弔うがごと
   ☆秋蝶を蕊につつむや曼殊沙華 べに際立たせ野づら染めゆく
   ☆コロナ禍に蕊延ばしいる曼殊沙華 赤き血潮を放つかに燃え
   ☆ほむら立つ如くに咲くや曼殊沙華 秘むるいのちの熱きを示し
   ☆純白の蕊延ばしいる曼殊沙華 染まらぬ花の矜持秘めもつ
   ☆花と葉の互いを思う曼殊沙華 深き思いを秘めて燃え立つ
   ☆花と葉の想いにもえる曼殊沙華 ときを隔てるさだめも超えて
   ☆木漏れ日に冴え冴え燃ゆる曼珠沙華 相思花の名を深く思えり
   ☆谷戸埋めてほむら立たすや曼殊沙華 兜太は逝くも火を受け継ぐと
コメント (7)
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