なあむ

やどかり和尚の考えたこと

雲水道中記ー永平寺から最上へー 30

2009年12月16日 15時16分24秒 | 雲水道中記

村上市吉浦、雲冲寺、住職東弘孝師。

中にはいると今時珍しいような庫裡だった。玄関のたたきの片隅に薪風呂桶が置かれてある。「何もないけど」と言って薬石(夕食)に肉じゃがを出してくれた。おそらく、このお寺の生活のご馳走を出してくれたのだと思う。

薬石をいただきながら住職さんが話をしてくれた。

「よくこの寺に来たな。他のお寺ならおそらく断られただろう。サラリーマンだからな。」

「サラリーマン」という言葉が耳に残った。それは、兼職している、という意味ではないだろう。

お坊さんを「生き方」としてではなく、「職業」にしているという意味だろう。だから、お寺が住職家の「住宅」になってしまっているのだろう。断られる理由が分かったような気がした。

住職は夜7時には開枕(就寝時間)だという。そして、朝はいつも4時に朝課だから「あなたは寝ていなさい」という。

Img0004 まさしく禅寺だった。住職さんも奥さんもその気構えは禅寺そのものだった。

体中が痛く、めまいの感じがあり、寝苦しく何度も寝返りを打って、寝づらい一夜を過ごす。

早朝、本堂でのお勤めの音を聞いたが、どうしても体が動かなかった。

葛藤しながらも蒲団を被ってしまった。

胎内~村上市吉浦 31㎞。


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