三ちゃんのサンデーサンライズ。第493回。令和6年11月17日、日曜日。
先週は木曜日に北海道から戻り、日曜日から東京でした。
今年度2回目の布教師養成所で金曜日まで研修道場に詰めていました。
今年度の年間テーマを「法が良薬ならば」として、現代社会の苦悩に仏法がどう応えられるのかを勉強しています。
その発想の原点は「現代社会に仏教は役に立つのか」という問いからです。
もし現代社会の苦悩に仏教が役立てていないのだとすれば、それは現代に生きる我々僧侶の責任であると言わなければなりません。
仏教・仏法が役に立つのかではなく、僧侶が「役に立てているか」の問題です。
お釈迦様の教えが2600年ほどの長きにわたって生き続けてきたのは、その時その時代の苦悩に仏教が寄り添い、衆生の救いとなってきたからに違いありません。
そこで今年度は、現代の苦悩を3つに分類し、7月の第1回は「根本苦、スピリチャル・ペイン」つまり、生老病死をはじめとする根本的な苦悩について、どんな薬・法を伝えられるかを学んできました。
第2回目の今回は「社会苦、ソーシャル・ペイン」についてでした。
「社会苦」とくくられるものには多種多様な苦悩があります。
今回養成所員が対象として設定した現場は、中高生、フリースクール、いじめ、教職員、保護者会、養護施設、人権学習、LGBTQ、SNSの問題、思春期の子どもと親、子育てママ、介護職員、過疎問題、環境ボランティア、被災者のつどい、北方領土の島民、平和のつどい等々。
実に多様な現場の苦悩に真剣に向き合って法話を作成してくれました。
その一つ一つの実演に対して、講師と所員が率直な感想や意見を述べ合い、ブラッシュアップしていきます。
50名の所員の実演が2回ずつ、研修課程の所員はさらに一般聴聞者を前にした「法話の会」と、とげぬき地蔵さんでの辻説法も行い、5日間で計100回以上の法話を聴きました。まさに飽和状態です。
今後、多くの布教師が上記のような現場に出向き実際に布教を行っていけば、社会の目は変わってくるだろうと思います。
「お坊さんもこういう問題を真剣に考え向き合っているんだ」「抹香臭い話だけじゃないんだ」という気づきから「今度お寺に行って和尚に相談してみよう」と思ってくれるのではないかと期待します。
お寺と和尚の存在意義の再構築です。
第3回目は2月に「生きがい苦、ライフプラン・ペイン」を対象として研鑽を重ねます。
金曜日に松林寺に戻り、今日から檀家衆と出雲方面への旅行です。
男性13名女性27名、総勢40名の団体です。
これを楽しみにして今月前半頑張ってきました。
松林寺団参恒例のやかんも準備しました。クーラーボックスに焼酎と割物も詰めて飛行機に載せていきます。
バスの中でこぼさないように、やかんに氷と焼酎と割物を入れて飲み具合のいい酒を作ってカップに注ぐのです。
以前は、調理用のボールに作りお玉で掬っていましたが、走行中の酔っぱらいはこぼしてばかりでさんざんな目に遭いました。
その反省から、このような形になったのです。今では松林寺の定番です。
そのまま飲める蓋つきのプラカップも用意しました。蓋にそれぞれの名前を書くためのマジックペンも忘れていません。
バスの席に貼る名前のタックシールをバス会社に送ってあります。
隣の席が誰かによって旅行は楽しくもなりつまらなくもなります。顔を思い浮かべながら組み合わせて指定席にしました。もちろん宿の部屋割も完璧です!
その場面を想像しながら準備を進めていくのが何よりも好きです。
きっと帰り着くまで笑い続け飲み続けることでしょう。ああ楽しみ。
今週の言葉
「楽しみは、自分で作る」
今週はここまで。また来週お越しください。