なあむ

やどかり和尚の考えたこと

雪国の苦労

2010年12月28日 23時44分32秒 | 松林寺

最上地方はとんでもない雪です。

正月前に屋根の雪を下ろすとは思いませんでした。

お手伝いを頼んだ方も、山門前の雪の山を見て、途方に暮れていました。

地下水が涸れてきたのか、めっきり消雪の水の出が悪くなりました。

とても人力ではどうしようもありません。

トラクターのバケットを何とか探し出し、半日除雪してもらいました。

それでも細かいところや屋根の上は人力より他ないので、スコップを振るいましたが、普段ほとんど体を動かさない生活をしているので、慣れない仕事でほとほと疲れました。

寺にも数年前に購入した中古の除雪機はあるのですが、8馬力と小さいため、重い濡れ雪などは飛ばすことができません。

今後もこのような状態になっては困るということで、仕方なく、大きな除雪機16馬力を購入しました。

雪国以外の人にはこの苦労を理解することはできないでしょう。春にはすっかり消えてなくなるもののために、苦労をし、時には命を落としてしまうのです。

東北でも宮城県や福島県の太平洋沿岸部はほとんど雪が降らないとか。

東北=雪国という印象があるとすれば、雪の降らない所を東北と呼ぶのはよしてもらいたい、と、かなりひねくれたひがみを感じるこの頃です。


長いつきあい

2010年12月25日 22時08分39秒 | 今日のありがとう

この時期になると決まって送られてくるものがあります。

一つは、正月のお菓子。送ってくれるのは、京都の森島さん。

101221_151216 森島さんとはまだお目にかかったことがありません。30年ほど前に、私が永平寺から歩いて帰ってきたことが京都の新聞に載ったことがあり、それを読んだ森島さんが手紙をくれたのが始まりでした。

以来、毎年、近所の方が作られる手作りのお菓子を「お正月用に」と送ってくださるのです。

一枚一枚に松竹梅の絵が描かれていて、素朴な懐かしい味がします。

もう一つは、お酒。送ってくれるのは、大阪の熊澤さん。

熊澤さんとは17年前、永平寺に坐禅体験に来られた時に出会いました。

以来手紙のやりとりがあり、ここ10年ほど、毎年「お正月用に」と、金粉入りのお酒2升を送ってくださるのです。

まだお会いしたことのない方や、ほんの些細な出会いに過ぎない方と、これほど長いおつきあいになることもあるのですね。

森島さんとは、今後も会えるかどうか分かりませんが、おそらくこれからも長いおつきあいが続くのだと思います。


登米(とめ)市、登米(とよま)町

2010年12月20日 22時02分03秒 | 今日のありがとう

昨日の夜は、小川ロンさんの追っかけで気仙沼の清涼院さんへ。

昨晩もパワフルなコンサートでした。

ロンさんとは2ヶ月前に出会ったばかりですが、2ヶ月の間に3度コンサートを聴き、3度酒を酌み交わしました。旧知の仲というか、もしかしたら兄弟?という感じになってきました。

近くの民宿に泊まり、今日は帰りがけ、登米市に寄ってきました。

車で通ったことはありましたが立ち寄ったのは初めてでした。

101220_102925 「宮城の明治村」として、町の古い建物がテーマパークのように点在している町です。

その代表格が明治21年に建てられた旧登米高等尋常小学校校舎です。

何万人もの子どもたちの昇降ですり減った階段の角、小さな机と椅子など、子どもたちの声が聞こえてきそうな、往時を偲ばせる資料館でした。


てのひら

2010年12月17日 18時55分21秒 | ふと、考えた

中島みゆきの「掌」を聴きながら自分の手のひらを見つめていました。

指だけでなく手のひら全体に、私の紋が規則正しく陰影を造っています。

それによって人生が知れたりする何とか線も、加齢によるしわに負けずしっかりと自己主張しています。

世界中ここにしかない、また、過去にも未来にも二つとないこの手のひらがここにあります。

どれほどの人を救うことができるのか、掬っても掬っても水も砂もこぼれてしまうこんな小さな掌で、と中島みゆきは歌います。

この手のひらで、涙を拭き、顔を覆い、命を抱き、ものを食べ、体を支えてきました。

たった一つの自分の命を、この手のひらにのせて生きてきたのです。

更に、自分の命以外に、他の命をこの手のひらにのせることができるのか。もうその余地はないのか。

仏は、救っても救ってもこぼれてしまう命のために、掌を合わせるのかも知れません。

手のひらを見つめることは、自分を見つめることだと気づきました。


キャンドルナイト

2010年12月12日 21時54分18秒 | 地球環境

101211_183818 昨日の夜は、第13回環境を考える会主催「100万人のキャンドルナイトin河北」でした。
ミュージシャンは小川ロンさん。
松林寺集中講座の時はじっくり聴く時間がありませんでしたので、今回は楽しみにしていました。良かったですね。
パワフルな演奏と軽妙なトーク、1時間半があっという間に過ぎました。
来場の皆様も満足して帰られました。
更に、前日10日の夜と昨日の打ち上げと、続けて遅くまでプライベートで歌っていただき、贅沢な時間を過ごしました。
年間200会場ぐらいのライブをこなすロンさん。マスコミで名前は知られていなくても、着実にファンを増やしています。
縁のあった方には必ず手書きの手紙を出すということで、年間600通ぐらいになるそうです。
今回もたくさん学ぶことがありました。1ヶ月間の東北ツアー、無事に完遂されることを祈ります。


新治師匠と再会

2010年12月10日 17時15分09秒 | 布教活動

昨日と今日、東京の本庁で特派布教師協議会がありました。一年間の布教巡回の反省や問題点、今後の課題などについて協議するほか、講演があります。
今回人権学習の講師でおいでになったのは、何と!露の新治師匠でした。
宿用院の奈良参拝の時にお会いして以来の再会でした。
講演はいつにも増してテンポが良く、笑いながら人権感覚を学ばせていただきました。師匠の話は本当に深いですね。
「人間を外見で判断したらアカン、問題は中身や、中身っていうんは、云うてることとやってることや」
「自分に芯がないから自信がないんや、自芯があれば自信になる」
懇親会の後もおつきあいいただいて、遅くまでお話しさせていただきました。


肘折温泉

2010年12月04日 13時02分34秒 | 今日のありがとう

101203_135344 湯治に行っている檀家さんに呼ばれて、肘折温泉に1泊してきました。
10泊して、寝て起きて風呂に入って食べて寝るというのを繰り返すのだそうで、とても暇に絶えられそうもないのですが、2、3日ぐらいならば頭と体を休めるのにいいかもしれません。
肘折温泉は、昔ながらのひなびた温泉街を維持してきた特異の温泉場なのですが、そこまでたどり着く道は、本当にこの先に人里があるんだろうか、道を間違えたのではないだろうかと不安になるような山道なのです。
他の温泉場が経済成長の拡張路線に走り、中途半端な歓楽街を目指したため、今はどこも存続の危機に瀕しています。
銀山温泉も良かったのですが、あまりの人気に我を忘れたのか評判を落としてしまっています。
そんな中、肘折温泉は元気でした。ほどほどの生き方を忘れなければ、浮き沈みはあっても生きていけるものと思います。