なあむ

やどかり和尚の考えたこと

三ちゃんのサンデーサンサンラジオ28

2015年10月25日 05時58分01秒 | サンサンラジオ
♪三ちゃんのサンデーサンサンラジオ!

今週も始まりました三ちゃんのサンデーサンサンラジオ。
お相手は、三ちゃんこと、三部和尚です。

先週は北海道からお送りしましたサンサンラジオ、今日はそこでの出来事をお話しましょう。

先週お伝えしたように、稚内オホーツク方面を8日間、布教の仕事で回っていました。
毎日お寺さんを移動しながらお勤めします。
移動には、若い和尚さんが交替で運転手を務めてくれて、その間色々な話をしたり聞いたりします。
その中で、一人の和尚さんがこんなことを話しました。

この春、ボクにガンが見つかって、切除したので大丈夫なのですが、医者からガンだと言われた時に、「やったー、来たー!」と思いました。
障害のある父から、子供の頃どれだけ苦労したかという話をずっと聞いていて、だからこそ人の痛みが分かる、気持ちが読めると言われていたので、お坊さんにはそういう能力があったほうがいいのだろう。
自分にはそういう経験もないので痛みが分からないのかも知れないと思っていました。
ガンと言われて、よし、これで少しは痛みの分かるお坊さんになれるかも知れない、と思いました。

この気持ち、分かるなあと思いました。
自分も少年の頃、健康であることに嫌悪感を感じるような時期がありました。
どこかに傷がないかと探したり、病気であることをうらやましがったり、そんな不遜なことを考えていた時期がありました。
50歳を超えるようになると、同級生の多くが、父を亡くしたり母を亡くしたり、両親を亡くした者も出てきます。
そんな同級生の前で、お教を読んだり話をしたりするわけですが、何となく空々しいような、後ろめたいような、両親のいるお前に何が分かるんだと言われているような思いがありましたから、父が亡くなったときは、「よし、これで半分は、話をしても許されるか」とホッとしたことはありました。

でも実際は、分からいものは分からないのだし、無理に分かる必要はないのであり、無理に分かろうとすることは、むしろ痛みを抱えている人に失礼になることもあるでしょう。
人の痛みは人それぞれであり、他人には分からないものですから、「あなたの気持ちは分かる」などと軽々しく口にするようなことでありません。
だからこそ、同じ体験をした人には共感を覚え、痛みを分け合うこともできるでしょう。
分かるようになった時に分かればいいのですね。

だけど、他人の痛みを、「分かりたい!」と思う強い気持ちは、分かるなあ。
慈悲の「慈」の字は、他人の痛みを分かろうとして分かりきれない苦しみから発せられる呻きからできた、と聞いたことがあります。
分からないけど分かろうとする気持ち、それがお坊さんの資質かもしれません。


今週はここまで。また来週お立ち寄りください。


三ちゃんのサンデーサンサンラジオ27

2015年10月18日 04時22分06秒 | サンサンラジオ
♪三ちゃんのサンデーサンサンラジオ!

今週も始まりました三ちゃんのサンデーサンサンラジオ。
お相手は、三ちゃんこと三部和尚です。

和尚は今北海道にいまして、今日は北海道からお送りします。
どこにいるかというと、13日から布教の巡回で稚内に入り、猿払、枝幸などを回り、今は、浜頓別という町に来ています。宿のすぐ側にはクッチャロ湖があります。
あと三日間お務めして、20日に仙台まで戻ります。

北海道はだいたいどこも同じようですが、この時期、両祖忌、成道会という法要があり、地区内のお寺さんを順繰りと毎日回ります。
それはそれは丁寧な法要で、各寺でその内容が少しずつ違いますが、どこでも4座から5座の法要が営まれます。その中に説教も組み込まれるのです。
地区内の和尚さん方は、毎日移動しながら法要に参加します。
北海道は広いです。地区内といっても場合によっては2時間以上かかることもあります。中には泊まり込みでお務めという方もありました。

北海道は明治以降の開拓によって開かれた町が多いわけですが、それにあわせてお寺も開かれました。ですから、まだ新しいお寺さんが多くあります。
昨日の会場も、去年80周年を迎え、第三世が住職に就任したという寺でした。
ですから、和尚さん方も檀家さんとともに苦労してこられた方ばかりで、その開拓の苦労を忘れないために、真に丁寧な法要が務められるものと思います。

そのお心を汲みながら、あと三日間謹んで務めたいと思います。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。





三ちゃんのサンデーサンサンラジオ26

2015年10月11日 04時17分56秒 | サンサンラジオ
♪三ちゃんのサンデーサンサンラジオ!

今週も始まりました三ちゃんのサンデーサンサンラジオ。

今日のお話は稲刈りです。

今日の午後、「夢まどか」の稲刈りがあります。

この企画の中心になっているのは、我が同級生奥山勝明大将です。
勝明大将は、米の新品種山形95号に「夢まどか」という名前をつけて売り出そうと、俳人の黛まどかさんを呼んできて春に田植えを企画しました。
まどかさんは母親同伴で田植えに来て、命名式と看板に揮毫もしてくれました。
そして今日の午後は、その米の稲刈りということになったのです。

私がまどかさんに初めてお会いしたのは、7年目の平成20年、最上町が「日本再発見塾」第4回目の会場になった時でした。
その後も、福島開催の時、奥の細道紀行で最上町にいらした時、飯舘村の墓掃除に行ったとき時と、何度かお会いしています。

勝明大将がまどかさんに巡りあったのが、再発見塾の時だったのか、その前にNHKか何かの企画で田植えに来ていたようなことを言っていたような気もするし、詳しくは分かりません。
いずれにせよ、以来、毎年彼の米を買ってくれているようです。
この大将、田舎の百姓でありながら、パンダのような憎めないキャラクターで、そこそこアイディアもあるし酒も飲むので、アチコチで関係を作ってきて、色んな企画をする面白い男です。
今回の企画も、まどかさんの名前をいただいて、米を宣伝してもらい買ってもらおうという狙いです。さて、うまくいくかどうか。

きっとマスコミなども駆けつけて賑やかな稲刈りになることでしょう。
夜には関係者が集まり宴会があるし、明日は明日で芋煮会も予定しています。

田舎には田舎なりの楽しみ方があります。
楽しもうとすることが大事なのだと思います。
それは、ここで積極的に生きていこうとする覚悟から生まれます。
嫌々消極的に生きるのも人生かもしれませんが、どうせここで生きるなら、なるべく楽しく生きたいと思います。
どうしたら楽しくなるのか、色々考えてアイディアを出してみたらいいと思います。

ということで、今日は稲刈りを楽しみ、酒を楽しむ予定です。


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芋煮の陣 & 新そばまつり


【赤倉温泉にて 11月15日(日) 同日開催】

 無料シャトルバスがイベント会場をつなぎます!

(両イベント指定駐車場は赤倉温泉スキー場 第1駐車場)



第6回 芋煮の陣

< 会 場 > 赤倉温泉スキー場

< 開催時間 > 10:00 ~ 15:00

  芋煮引換時間 10:30 ~ 13:30



第3回 最上町 新そばまつり

< 会 場 > 赤倉温泉 お湯トピアもがみ

< 開催時間 > 10:00 ~ 14:00

  そば提供開始 10:00 ~



※ 両イベントともにチケットが必要となります。

( 前売券販売期間 10/1 ~ 11/13 )



お得なW前売券 限定200枚 1,000円

芋煮の陣 芋煮4杯1組券・新そばまつり 手打ちそば1杯券

芋煮の陣(芋煮4杯1組券)

【 前売券 】600円 【 当日券 】700円

新そばまつり(手打ちそば1杯券)

【 前売券 】500円 【 当日券 】600円



< チケット販売・お問い合わせ先 >

もがみ南部商工会 ℡ 0233-43-2184


三ちゃんのサンデーサンサンラジオ25

2015年10月04日 06時41分38秒 | サンサンラジオ
♪三ちゃんのサンデーサンサンラジオ!

今週も始まりました三ちゃんのサンデーサンサンラジオ。
今日のお話は、昨日南相馬で開催された寺子屋についてお話します。

会場は、福島第一原発から21キロにある岩屋寺さん。
居住制限区域からは逃れたものの、檀家さんが多く被災されてご苦労が続いています。
本堂は、発願から30年かけて、住職さんが自ら買い付けをして木材を集めたというこだわりの立派な建物。

そこを会場に行われた今回の催しは、岩屋寺さんの檀家で、シャンティのスタッフでもある金沢さんという女性が、震災以降つながった縁を集めて、色んな能力をみんなで楽しもうと企画したもの。

その内容は、ホームルームで岩屋寺住職の挨拶から始まり、一校時目は三部の道徳の時間。
二校時目は英語で、先生はプロカメラマンのデルヒーヌさん。前晩民宿で一緒で、納豆と日本酒が大好きだというフランスの女性でした。しかも酒がめっぽう強い。お陰で二日酔いで大変でした。
給食の時間は、近くのお寺の住職さん手作りの精進料理。胡麻豆腐からがんもどきまで、なかなかの手の込んだものでした。
三校時は国語、先生はシャンティの山元事務所長古賀さん。元編集者という職歴からの言葉の授業でした。
そして四校時は音楽。先生はジャズピアニストの谷川賢作さんとサックスの仲野麻紀さん。
谷川さんの父親は詩人の俊太郎さんだと後から知りました。
仲野さんはフランスを中心に活動するサックス奏者で、10月11日には山形国際ドキュメンタリー映画祭でも演奏されるようです。
別室では、精進料理教室あり、進路相談あり、茶道部のお点前あり、ハンドマッサージの保健室ありと盛り沢山な内容でした。

一人ひとりの点を縁でつないでいくと、これだけの面になるんだという証明のような集いでした。
震災は大きな傷跡を残し、苦難を与えましたが、一方、人のつながりを作ってくれたことも事実です。
今回を1回目として今後も継続していくという考えのようです。
お寺を中心に新たな動きが生まれたことを悦びとします。

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最上町大堀、「おらだずの宿 りんどう」

最寄駅のJR大堀駅からは約4km。小国川沿いの大堀温泉にあるアルカリ性温泉“美肌の湯”が自慢の宿泊施設です。合宿、各種団体の宿泊受け入れ(2日前まで要予約)も行っています。日帰り温泉、食堂があります。