なあむ

やどかり和尚の考えたこと

初入浴

2009年07月29日 22時09分19秒 | 宿用院

引き続き庫裡改修工事の記事で恐縮です。

今日から一部引っ越し作業が始まり、軽部さん平澤さんのお手伝いも得て台所用品などを移動しました。明日は本格的な引っ越しとなります。

そして、何と!本日初めてお風呂の入浴が叶いました。

4月に工事が始まってから、これまで仮設のシャワーで過ごしてきたので、娘にとっては数ヶ月ぶりのバスタブとなり、感激していました。都合上写真はありません。

ただ、増築ができなかったために、ギリギリの面積の間取りで、収納場所なども限れれており、一度出した物が全部収まるのか疑問です。

それにしても、段差のない床で、近代的で便利な設備に囲まれ、新しい畳の香りも漂い、快適この上のない生活をさせていただけることを、恐縮に感じながら、ありがたいと思います。

Img_eco_spanel_01 また、この度思い切って太陽光発電の設備も設置することにしています。

どの程度の成果があるのかは後日報告いたします。


改修工事ラストスパート

2009年07月25日 21時22分19秒 | 宿用院

宿用院の庫裡改修工事もいよいよラストスパートに入ってきました。

今日は光ケーブルの移設も終わり、新しい事務室からの試運転です。

Dvc00139 来週頭にクリーニングが入り、31日の引き渡しということになりました。

これまで関わってくれた職人の皆様に感謝です。何しろ新築工事と違い、古い屋根を温存したままでの工事で、思わぬ障害が出てきたり、設計の変更があったり、行きつ戻りつの工程でした。それにもかかわらず、お盆前に引っ越しを終えたいという計画で、最大限の努力をしていただいた結果だと思います。

一般住宅と違って、寺院は檀信徒の建物ですから、総代さんがやって来ては意見を言い、会計さんがやって来ては意見を言い、施工主も誰の意見を聞けばいいのかとまどうこともありました。しかし、それもこれも、自分たちの寺を良くしようという熱意の表れで、職人さんには苦労をかけましたが、いい物が出来たと思います。

もう一踏ん張りです、ありがとうございました。


恐山参拝

2009年07月20日 20時22分32秒 | 松林寺

7月16日から18日、松林寺企画で恐山参拝にいってきました。

Img_20070818t233123498 昨年まで三年間、大祭の時期に説教を頼まれて通いましたが、参拝の回を重ねる毎に恐山の魅力というものが深まってくるようです。

院代南直哉師も夜の説法で言っておられましたが、「ここは、1200年前から、今生きている人の中に生き続ける死んだ人の魂に会いに来る場所だ」。

「あなたがただそこにいるだけでいい、という無条件の存在肯定によって人の魂は育てられる。それがなくて育った人には問題も多い。魂は、死後も愛した人々の中に、その人が死ぬまで生き続ける。恐山はその人に会いに来る場所だ」。

地獄極楽巡りや、イタコの口寄せなどを聞いて、「目的の人に会えた」と思えるのは、恐山の持つ独特な舞台装置によるものかもしれません。

一生に一度と言わず、何年かおきにも時々参拝したい霊場だと思います。


7月の布教シリーズ

2009年07月14日 16時13分45秒 | 布教活動

7月は新暦のお盆の月ということもあって、各地のお寺さんからお話を依頼されることが多い。

5日は尾花沢の龍護寺さん、9日は東京赤羽の静勝寺さん、11日は広島呉の神応院さん、13日は東京高尾の高乗寺さんと続きました。

Kojyorekisiap 何年も連続しておじゃましている寺ばかりで、毎年違う話をするのに苦労しますが勉強にもなると思って続けさせていただいています。実はお金のためにもありがたいのです。

年間に各地でお話をさせていただく機会は20回ぐらいになりますが、そこでいただくお金を自分の生活費に使うのは忍びなく、何年か前からほとんどをSVAの募金にしてきました。

松林寺集中講座が始まってからは、そちらの予算に補填してきました。正直言って、これがないと集中講座の運営はできません。

なので、連続しておじゃましているお寺さんには申し訳ありませんが、「もう結構です」と言われるまで、呼んでいただいたら喜んで伺いたいと思っているのです。


泰山木

2009年07月09日 08時45分54秒 | 宿用院

Dvc00124 宿用院お檀家の真木正雄さんが、昨日ご自宅の庭に咲くタイサンボクの花を一輪持ってきてくれました。「夕方しぼんでまた明日の朝開くから」との言葉通り、今朝おおきな花弁をゆっくり開いてくれました。一輪の大きさが18㎝もある大輪です。

タイサンボクは、漢字で書けば「泰山木」あるいは「大山木」。今から130年ほど前に北アメリカから渡ってきた花だそうで、日本の気候にあったのか、公園木として各地に植えられたようです。大きくなると20メートルにもなるとのこと。花も大きいわけです。

「ゆふぐれの 泰山木の白花は われのなげきを おほふがごとし」

斎藤茂吉

夕方になって静かに花弁を閉じる光景を詠んだものでしょう。


坪庭

2009年07月08日 14時35分22秒 | 松林寺

松林寺の駐車場を整備するにあたり、いらなくなった庭石を使って造園屋さんに小さなお坪を造ってもらった。地下水を利用したつくばいも設えてもらって小さいながら趣のある坪となった。

Dvc00123 石組みにはそれなりの意味と名称があるらしく、屈んで水を使うための「屈み石」、寒い日にお湯をつぎたす湯桶を置くための「湯桶石」、暗いときに明かりを置く「手燭石」などの配置があることを知った。

これからの暑い季節、寺にお参りに来られた方々に、一服の涼風を献じられればと思っている。


緊急告知!

2009年07月05日 17時25分59秒 | 今日のありがとう

本日松林寺梅花講習会で、事務局の方から「みなさん、こちらの番号に電話をして話を聞いて下さい」と案内されて、気がついた。

そういえば、現在「曹洞宗心の電話」で、私の原稿が流れているのだった。1ヶ月ほど前に原稿を送ったので忘れてしまっていた。

6月30日に始まって7月6日までの1週間なので、期限が明日までとなっている。

内容は、このブログでも書いた「息子の修行」というタイトルだから、改めて耳で聞くまでもないかもしれないが、もし関心のある方は以下の番号に電話してみては。きれいな声の人が朗読してくれている。フリーダイヤルだから、料金もかからない。

曹洞宗心の電話、フリーダイヤル 0120-50-8740


自作モニュメント

2009年07月05日 10時54分46秒 | 宿用院

宿用院庫裡の玄関を飾るモニュメントとして、木口の額縁が完成した。

設計の段階で、何かアクセントをということで設計士は、欅の枠の中に5㎝×5㎝のタイルを張りつめるという案を持ってきた。そして、「いいアイデアがないから住職考えてみてくれ」ということだった。考えてみてくれと言われれば、嫌いではないので、直ぐに考えてみた。5㎝×5㎝という図面はそのままに、タイルではなく、木の木口で何か表現できないかと思った。しかも解体した庫裡の材料を活かせば意味もあるのではないか。

一つ一つの高さを変えて、光が当たった時の影で何かを表現できないか。いくつかデザインを考えた結果、単純な円相が一番いいだろうと思い、設計士と大工さんに相談すると、実におもしろいということになり、材料を手配してもらった。

22個×22個の配列で、全部で484個。3種類の高さで、”積み木”を作ってくれた。

しかも、色々な材料で作ってくれたものだから、色や模様に一つ一つの表情があり、実に楽しいパズルとなった。

何種類かの木口を組み合わせ、床に並べてみるのは、まるで子どもの積み木遊びのようだった。ご飯を食べるのも忘れて”下書き”をして、大工さんと一緒に額縁にはめ込んでいった。

完成したのが以下。思いの外うまくいったと満足している。是非ご覧ください。

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梅の収穫

2009年07月03日 20時01分07秒 | 宿用院

宿用院の庭に梅の木があって、手入れもしないのに毎年たくさんの実をつけます。

E6a285e381aee5ae9f 今年も収穫時期を迎え気になっていたのですが、今日ようやく取り掛かりました。

脚立に登り、枝のトゲトゲと格闘しながらハケゴに一つ二つと採りはじめました。目に入ると採りたくなって、枝の先へ先へと手を伸ばします。何度か来客があって、その都度中断しながら、目に見えるとどうしても気になって、何度も脚立に登っていました。

梅の実はもう十分に必要な量に達しているのに、それとは関係なく「採りたい」という欲求があることに気づかされた。

これまで、山菜採りなどに山に行く人を「何が楽しいのだろう」と見ていましたが、収穫することは、確かに楽しい、と感じました。

常日頃、私は物欲や金欲がさほど強い方ではないと思っているのだが、その状況に身を置くと強い欲が湧いてくるものらしい。

どうするんだろう、こんなにたくさんの梅。