なあむ

やどかり和尚の考えたこと

サンサンラジオ234 旅の楽しみ

2019年10月27日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ
今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第234回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

10月27日、日曜日。

一部
今日は、伊勢志摩鳥羽温泉からお送りします。
昨日から松林寺の団体で伊勢神宮参拝の旅に来ています。
昨日は、仙台空港から名古屋に飛んで、曹洞宗妙厳寺豊川稲荷を参拝し、鳥羽温泉に泊まりました。
今日はいよいよ伊勢神宮の内宮外宮です。
令和元年という改元の年でもあり、また天皇即位の礼もあったことから神宮はとても混んでいるという情報です。
案内ガイドをお願いしていますが、キチンと参拝できるでしょうか。
私個人としては、以前に外宮だけ参拝したことがあります。
そして参拝後は、名古屋港からフェリーで仙台港に向かう、予定でした。
船旅のメリットは、宿泊しながら移動できるということで、旅費と宿代がセットでリーズナブルということです。
乗船時間は何と、21時間40分。ショウを見たり風呂に入ったり、お酒を飲んだり、ゆっくりのんびり過ごそうと思っていました。満天の星空、太平洋のご来光も期待していました。
ところがです、直前になって欠航になってしまいました。
今日の太平洋は天候穏やかで問題なさそうなのですが、この船があの「苫小牧発仙台行きフェリー」で、台風21号の影響で一昨日北海道を出港できないということになったのです。
楽しみにしていた旅の半分がそがれた感じですが、仕方ありません。
自然相手のこと、台風の被害にあった方からみれば我慢しなければなりません。
今回の台風で、また被害が出ています。所によって二度目という所も。旅行などできるだけありがたいと思わないと。
ということで、名古屋に一泊して、名古屋城を見て帰ります。

二部
胃が小さくなってきているかもしれません。
水曜日、来年の同級会の相談を兼ねてもちの食べ比べをしようという集まりがありました。
もち米の代表品種「ヒメノモチ」「コユキモチ」に新品種「山形禮…なんとか」を加えて3種類の味を比べようという企画です。
遊びのようで結構まじめで、白もち3種類の色や匂い、味、食感などをそれぞれ吟味し、総合的な評価を出します。
みんな真剣に色を見たり匂いをかいだり食味を確かめたりしながらレポートを書いています。その結果、新品種が一番好評でした。
私的には、米のうまさももちのうまさも、実はよく分からず、もちなどどれもうまいという評価です。
それで、その後、納豆と雑煮とあんこで食べたのですが、私はもっぱら納豆専門で、しかも、切りたてを噛まずに飲み込むのが好きで、以前は五号ぐらいのもちを食べる自信がありました。
ところが今回、そうですね、かれこれ三合ぐらい食べたでしょうか。もう腹がいっぱいになりギブアップしてしました。
昼も抜いて準備してきたのに、思いの外食べられませんでした。
どうも胃袋が小さくなっている気がします。
確かに、以前は大盛ラーメンに餃子をつけるぐらいの勢いでしたが、今はとてもとても。
食事をセーブしている効果が出てきたのかもしれません。悔しいけどいいことです。
同級会の検討の後、話題は、墓じまい、観音巡礼、病気と孫の話。
若いつもりでいても、年相応の関心に話題が行きつくようです。

三部
人生が旅だとすれば、帰り道に差し掛かったかと思います。
いや、帰り道はないのか。
未知の旅路を一人とぼとぼ歩いているのでしょう。

 振りむけば 曲がりながらに 一本道

人生を振り返り見れば、山あり谷あり、壁にぶつかり迂回して、無駄な遠回りもしたけれど、間違いなく、自分が歩いてきた一本の道だった。
たどたどしくも、それなりに頑張ってきた若い歩みを、愛おしくながめることもできます。
一本の道が、いくつかの道と交わり、寄り添ったり離れたり。
それぞれは一人ひとりの旅路であっても、共に歩む人がいれば旅は楽しくもあります。
旅は楽しい方がいい。やがて一人寂しく逝くのだから、交われるときは楽しく交わればいいでしょう。
さて、今日は今日で楽しくやりましょう。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。

写真は伊良湖岬から鳥羽港までのフェリーにて。

サンサンラジオ233 厳しさと暖かさ

2019年10月20日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ
今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第233回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

10月20日、日曜日。

まだ北海道です。
今日一日お勤めをして夕方仙台経由で帰ります。

一部
台風は各地に甚大な被害をもたらしました。
死者79名行方不明11名。4600棟の家が水につかり、全半壊の住宅が553棟。一部損壊が2437棟となっています。
スポーツの大きなイベントが重なったせいか、報道も遅れがちでしたが、一週間たってようやく被害の全容が見えてきたような感じです。
被害が広範囲にわたっていることから、その地方地方で対応していかなければなりません。
東北では、福島、宮城、岩手と、大震災の時と重なるような地域で被害が起きています。
報道を見るにつけ、現場の状況を知りたいと思いながら、北海道を離れられず歯がゆい思いをしていました。
せめて情報だけでもつないでいこうとしました。
相馬市で水が足りない、という緊急を要する情報が流れそのまま拡散したところ、それを目にされた和尚さんがすぐに動いて、福島市から相馬市までペットボトルの水を運ぶ手配をしてくれたのでした。
ところが相馬市まで行って、飲み水はもう間に合っていると受け取りを拒否されて持ち帰ってきたとのこと。
情報を確かめずに横流ししてしまったために、大変ご迷惑をかけてしまいました。
この手の情報はしっかり確かめてからでないといけないと肝に銘じます。

二部
北海道巡回の2日目は枝幸の長林寺さんが会場でした。
2年前に布教師の先輩である先代さんが亡くなられたので今回はそのお参りをさせてもらおうと心がけてきました。
到着して本堂にあいさつに上がると、なんと須弥壇上に先代さんのお写真が飾ってあるではありませんか。
命日は3月でしたが、今回の法要に合わせて三回忌もお勤めされるとのこと。
その笑顔の写真を見て、思い出が巡ってしばらく離れられなくなりました。
今回こちらを回らせていただくのは実は4回目になります。
その1回目が平成14年のことで、その時は先代さんからのお声がけで回らせていただいたのでした。
その以前にも、その後も大変お世話になった先輩でした。
やさしさに包まれてはいましたが、一面怖さもありました。
ギロッとした目は、心の奥まで見透かすような目でした。実際、人には見えないものも見えたようです。
お酒が入り、酔えば酔うほど頭が冴えてくる体質の方でした。
ある時、私の甘えを指摘され、徹底的に叱られたことがありました。それも、適当なところで許してはもらえず、日付が変わっても骨の髄まで叱られました。
そのくせ次の日にはケロッとした笑顔で「昨日は悪かったネ。したっけさ、オレあんたのこと好きだから言うんだわ。かんべんしてけれ」と。
三回忌法要と説教が終わって控室にいると、奥様があいさつに来られました。
手には一枚の写真がありました。
「この写真をなぜか側において、いつも眺めてはニコニコしていたんですよ」。三部さんが来られたらお渡ししようと思っていましたと、手渡されました。
見ると、それは一緒にカンボジアとタイに行った時の写真のようです。
難しそうな顔をして電話をかけている私の肩を抱いて先代さんが笑顔で写っている変な写真です。
こんな写真をなぜいつも眺めていたのか、私には分かりません。
でも、うれしかったです。
奥様と二人、微妙な写真を眺めて泣きました。
今回、三回忌に合わせて説教させていただくのは、先代さんに呼ばれたのかと思いました。

三部
北海道、稚内オホーツク方面はもう紅葉が始まっています。間もなく雪も降るでしょう。
葉が、散る前にこんなに美しく変化するのは、死に対する恐怖心を軽減してくれているかのようです。
柔らかい若葉の時期を過ぎ、暑い夏にも耐え、強風にも堪えてきた、その生涯を称えるように、最期に賞賛のまなざしを受けるのです。
よく頑張ったね、お疲れ様。あとはゆっくりお休みください。
150年ほど前にこの地に移り住み、素手に鍬を握り、血の汗流して少しずつ少しずつ荒れ地を耕してきた人々の上にも、落ち葉は暖かく積もります。やがて白い布団もかけられるでしょう。
自然は厳しくも暖かい。
厳しさと暖かさは、表裏一体のものかと思います。その中で私たちは生きていくのです。厳しさも一緒に受け止めていかなくてはなりません。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。


サンサンラジオ232 つや姫の学び

2019年10月13日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
♪゜・*:.。. .。.:*・♪
三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ
今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第232回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

10月13日、日曜日。

一部
最上町赤倉の川沿いに避難勧告がでています。
お隣宮城県大崎市で川が越水して避難指示が出ました。まだ詳しい状況は分かりませんが、心配です。
今日は、法事4件を勤めて午後から北海道の予定でした。
ところが空の便も新幹線も止まっています。もう行きようがありません。
一日欠勤させてもらうことにしました。
むしろ台風で稚内まで飛ばされて行ったほうがよかったかも。
ということで、今日は法事で飲むことにしました。もう仕方ありません。

二部
9日水曜日、山形市で「『つや姫』デビュー10周年感謝の集い」がありました。
何を隠そう私、「やまがた特命観光・つや姫大使」に任命されています。なので、案内が来て暇だったので出席してきました。
知事や関係者、生産者はじめ、海外のつや姫大使も出席して盛大な集いでした。
第一部は、あの阿川佐和子さん、京都の料亭菊乃井の料理長村田吉弘さん、そして山形を代表するイタリアンシェフ奥田政行さんによるトークセッションでした。
これがなかなか面白かった。
つや姫の宣伝は当然なので省くとして、いろいろ勉強になりました。
まずは村田さん、村田さんは「甘い、辛い、酸っぱい、苦い」の世界の味に「うま味」という第5の味があることを広め、「和食」を世界遺産に牽引した一人だそうですが、その構想がすごいものでした。
50年後、アジアの人々の食生活が豊かになり食糧が足りなくなる。日本の労働人口が減って食糧自給率が下がり日本人は飢えていく。
今、和食がブームになって海外で12万3千軒の日本食レストランがある。その中には「これは日本食と違うやろ」というものもある。だけど、それをダメと言わず育てていくべきだ。だんだんまともな和食ができてくるだろう。
そうやって、米が輸出品として生産できるようになったら休耕地も減ってくる。日本人が飢えていくときに米があれば輸出を止めて食糧に回せばいい。
パンを食べればそれに合わせてサラダ、ワインを飲む。それらは輸入に頼ることになる。
ご飯を食べれば、味噌汁、漬物、そして酒。酒は酒米だ。
日本人の飢えを救うためにも米の味に慣れさせる必要がある。
新潟県の小学校で、子どもたちが田植えから稲刈りまでやって自分たちで育てたコシヒカリの給食を一緒に食べたときがあった。
「うまいなあ」というと子どもたちは「いや、家の米の方がうまい」と言った。「どうして?自分で作った米はうまいんじゃないの?」と聞くと「やっぱり米作りのプロにはかなわない」と言ったという話を披露してくれた。
そんな子どもたちが大人になれば、やっぱり米は新潟のコシヒカリだと思うだろう。
食の嗜好は遺伝しない。若いころのパン食が年老いてご飯にはならない。だから、子どもの時に米の味を覚えさせる必要がある。
つや姫の値段はご飯茶碗1杯で60円。安い。この味は120円でもいいくらいだ。
次に阿川さん、阿川さんは関東向けのつや姫のCMに出演したことでつや姫の応援者。
自然災害に遭って農作物がダメになったテレビに映る農家の人は笑っている人が多い。
それは、悲しすぎて笑うしかないというよりも、自然というものはそういうものだという諦観を持っているのだろう。
働き方改革というけれど、仕事というのは本来、夜も寝ないで苦労して働いたりそれが終わって感動したりという、不定型なものだろう。年間を通して9時から5時までというようなことばかりが働き方ではないはずだ。
農には哲学がある。そういう心を子どもたちに伝えていくことがこれからの人づくりではないか。
奥田さんからは、これからは、料理に合わせた米を選ぶという時代になる。米の袋に、この料理に合うという表示をどれだけできるかにかかってくる。
「男には誇りと夢、女には安定と小さな幸せ」この4つがそろうと店も家庭もうまくいく、という話を聴きました。
3人とも、その場で思いつきのようにどんどんしゃべっていくのだけど、持っている知識と経験から出てくる言葉はそれぞれが深くグッとくるものがありました。

三部
まあそういうことで、大変勉強になった集いでした。
そこで考えるのは、「何を話すか、どんな話し方をするか」よりも「何を経験してきたか」だよなあということ。
一芸に秀でる人の話は経験からにじみ出てくるので、言葉の奥にあるものに力があり一言一言が重い、それが聴くものに感動を与えるのだろう。
和尚など、口先だけで何か分かったような話をするけど、果たして心に響いているのか。頭の上を通り過ぎているだけではないのか、と考えてしまいました。
これから布教に向かうのに、なんだか出鼻をくじかれたような自信喪失になりかけています。
気が重いなあ。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。


サンサンラジオ231 葉見ず花見ず曼殊沙華

2019年10月06日 05時03分44秒 | サンサンラジオ
♪゜・*:.。. .。.:*・♪
三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ
今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第231回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

10月6日、日曜日。

おはようございます。
今朝は金山町、ホテルシェーネスハイム金山からお送りしています。

一部
昨日は高校のクラス会で金山に来ています。
このところ、クラス会同級会のたぐいが頻繁ですね。
そういう年ごろなのか、定年を迎えて時間の余裕が出た人もいるだろうし、一線を退いて主役の座を譲り、その寂しさから郷愁を感じる人もいるのでしょうね。
今回20名が参加ということで、約半分のクラスメイト(古い!なんか気恥ずかしい)が集まるにはそれなりの思いがあるのだと思います。
確かに、我がクラスは高校時代から仲が良く、卒業してからも楽しく集まる機会が何度もありました。青春時代のいい時期をいい仲間と過ごせたのは幸せなことだったと振り返ることができます。
シェーネスハイムには先週の日曜日にも来ました。
こちらは、金山在住の中学同級生がプロモートして、東京新橋のフォーク酒場『落陽』を金山に呼んだのでした。
同級生が頑張っているので応援に行くべということで4人で出かけました。
会場から歌いたい人がステージに上がり、その場で生バンドと音を合わせて歌うという形式で、その名前からも分かるように、我々が青春時代に歌ったフォークソングが次々と出てくるものだから、みんなが声を合わせたり、踊ったり、拳を突き上げたりと大変な盛り上がりでした。
歌がつなぐ年代というものが確かにありますね。
二部
10月に入りましたが、今月はいろいろな用事が入っています。
クラス会もそうですが、大きなところでは北海道の布教巡回が13日から8日間、26日から松林寺の伊勢神宮参拝の旅が入っています。
他には、観光つや姫大使10周年感謝の集い、新潟からやってくるお寺の檀家さんへの法話、中学同級会の相談を兼ねてのもちの食べ比べ、最上エネルギー地産地消研究会のバーべキュー例会などなどです。
出かける予定ではありませんが、11月の南米布教のための原稿作成が佳境を迎えています。
現地ポルトガル語とスペイン語の通訳が入るので事前に何本かの原稿を送っておかなくてはなりません。
これまで、メモ程度の準備はしてきましたが、全文原稿は初めてなので時間がかかっています。頭を使って痩せる思いです。痩せないけどね。
そこで気になるのは、先週お伝えしたように、今月は「続減量強化月間」なのですが、これだけ出かけることや集まりがあって目標を達成できるかということです。
家にいるときはほとんど絶食しないと達成は無理かもしれません。果たして。
三部
やがてみんな死ぬというのは、ある意味安心ではあります。
死ぬ人と死なない人がいるのであれば、それは死にたくないと思うかもしれませんが、全員死ぬのですから自分だけではないので安心してその時を待てばいいと言えます。
自分が好きな人も死にますが嫌いな人も死にます。
いなくなってせいせいしたと思う人もいたでしょう。
生まれることを選べなかったぐらいに死ぬことは選べません。
自分がどんな風に死ぬのかはその時になってみないと分かりません。
自分が死んだことを分かる人はいませんから、分かるのは「死ぬのかもしれない」ということだけです。
眠っているうちに死ぬ人は「死ぬのかもしれない」ということすら気づかずに死ぬのかもしれませんし、「死ぬのかと思ったけど生きていた」という人もいて、結局死ぬかどうかは自分には分からないことです。
知らないうちに生まれてたように、いつの間にか死んでいくのでしょう。
だとすれば、そんなことは命にお任せする以外になく、そんなことを気にかけるよりも、今日どう生きるかを一生懸命考える以外にありません。
たとえ寝たきりの中でも、寝たきりの今日をどう生きるかを考えることはできるでしょう。
厳密に言えば、「今日」というのは朝起きて夜寝るまでの間という元気な人の設定ですから、時間の感覚がなく、朝か夜かいつ起きたかいつ寝たか分からない状態の人に「今日」というのは酷な話です。
だからその場合は、今目覚めている間ということになるでしょう。
その時に自分は何を考え、何をしようとするのか、ある意味楽しみでもあります。
その時にできることを今から考えておきましょうか。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。