なあむ

やどかり和尚の考えたこと

サンサンラジオ199 日本文化と英会話

2019年02月24日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第199回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

2月24日、日曜日。

雪もだいぶ減りました。今年は春の到来が早いようです。

実は今、英会話を勉強しています。
河北町の帰国子女のお坊さんのところに月2回通い、英会話のCDブックを何冊も購入して家と車で聞いています。
少しずつ耳が慣れてきているのですが、問題は運転中に聞いていると眠くなるということです。
今年1年頑張ってみようと思っています。
CDブックの中には、いろいろな例文がフレーズとして入っているのですが、日本の文化を紹介する中で「剣道は武士道を基本としています」みたいな例文もあるのです。
それを聞いて、そういえば日本には外国にない独特な文化がたくさんあるなあと思ったことでした。
スポーツであれば、相撲はもちろんですが、剣道、柔道、空手道、弓道、合気道など、日本固有のものがたくさんあります。
それが、地域限定などの特殊なものではなく、全国の学校の部活で行われるような極一般的なものであることが考えてみれば不思議です。
そんなものが外国の一つの国にごろごろあるものでしょうか。
文化面でも、茶道、華道、書道、書道は中国にもありそうですが、それが「道」という精神的な部分も含めて一つの教えとして確立しているところが、外国にはないこの国の特徴だろうと考えさせられたところです。
珍しいところでは香道などもありますね。

他国の何かでは置き換えることができない、この国独自の文化。
もしかしたら原点は外国に由来するものもあるのかもしれませんが、それをじっくりと熟成させて「道」にまで昇華させるという点においてこの国の特徴なのだろうと思ったのです。
そういう、他国のマネではないところこそがこの国、この国の人々の宝であり、誇れる文化そのものだと思うところです。
自らの文化を大切にし、心を身につけていくことが国民の自信となり、その自信から他の文化、人々も大切にするという余裕が生まれ、ひいては平和の礎となるのだと思います。
他国の文化や先進性に引け目を感じたり、競争心を燃やしたりすることで自分の宝を見失ってしまうことは、お金に囲まれて飢渇に苦しむようなものです。
田舎と都会も同じです。
田舎の良さを見ずに都会にあこがれるばかりでは、水に溺れながら喉の渇きを訴えるよなものです。
今生きる場所に自信を持たなくてはなりません。ひがみや競争心から安穏な心は得られません。

そんなことを言いながら何故英会話?と思われる向きもあるかもしれません。
海外に行ったとき、あるいは日本で海外の人と会ったとき、自分の言葉で会話をしたいと思っています。
日本人であることに自信を持つことと海外の人と会話をしたいということは矛盾しないでしょう。
むしろ、自らを知るきっかけにもなると思われます。
今後多くの外国人が日本にやってきます。日本を紹介して、日本人であることを自覚するためにも言葉を習いたい思うのです。
お寺が、外国人労働者の名前の通りの「駆け込み寺」になるかもしれません。準備だけはしておきましょう。

ということで、何と来週は、サンサンラジオが200回目を迎えます!
どうしましょう。まだ何も考えていませんが、どうしましょう。


今週はここまで。また来週お立ち寄りください。

サンサンラジオ198 彼の生き方

2019年02月17日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第198回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

2月17日、日曜日。

山口から帰ってから、葬儀があり、仙台と東京で会議があり、涅槃会があり、法事があり、カーリングを見なければならないと、楽しく過ごさせていただいています。
その中でもいろいろ考えました。

以前、便利さに使われるのはいかがなものか、などとここで言わせていただきました。
今の若者の様々な問題を見聞きして、その原因の一つに、直接顔を合わせて話をすることが苦手となり、便利な道具に頼り過ぎていることがあげられるのではないかと思っています。
しかし、先日山口で遭遇した北の国からのような生活を目の当たりにすると、テレビもスマホもない生活で本当に大丈夫なのかと心配をしてしまったことも事実です。
保育所に行かず、自然の中でヤギと家族と過ごす毎日は、人間の基本を形成する幼少期においてとても大事な生活だと心から思います。
お父さんは「心を病んだ人たちのケアに動物と触れ合うことは有効なのではないか、ヤギをレンタルすることも考えているんだ。犬や猫は餌代がかかるけどヤギは庭に放しておけば草を食べるし」と話していました。
確かにそれはそうかもしれない。
だけどなあ、何か一般的な感覚からズレてきているのではないかと思わないでいられませんでした。
たとえ過疎の田舎の村だとしても、その家1軒だけが特別な生活をし続けることが可能なのだろうか。大人はまだいいとして、これから社会に出ていく子どもたちは大丈夫なのだろうかと心配をしたところでした。
お父さんは「中学校までは面倒を見るけど、後は自分で勝手に生きろと突き放すんだ」と言っていたけど、果たして。
便利さへの疑問を感じながら、その真逆に暮らすことへも不安を感じるという矛盾を抱えています。

そうそう、来週24日、最上町で『おだやかな革命』の上映会をいたします。
実行委員会を組織して、協賛企業を中心に参加者の募集をしてます。狭い会場ですが希望者にはご参加いただけます。
24日日曜日。午後3時開場、3時30分上映。
会場は最上町健康センター視聴覚室。入場無料です。
映画上映後、東北芸工大三浦秀一先生と、映画にも出てくる喜多方の造り酒屋で原発事故後電力会社を立ち上げた佐藤彌右衛門社長との対談があります。
地元の資源を生かしながら豊かに生きる価値観の革命がテーマです。
そうか、山口の北の国からも豊かなのかもしれない。
そのあたりを考えるきっかけになればと思います。


今週はここまで。また来週お立ち寄りください。

サンサンラジオ197 豚は猿になれなかった

2019年02月10日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第197回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

2月10日、日曜日。

4日から、猿回しの親方に引き連れられて山口を回っていますが、12日までの予定を変更して今日山形に帰ります。
豚は猿になれませんでした。
8日間の内容がよく分からないまま山口入りしましたが、お話の会場が7カ所ということで準備してきました。
ところが実際に来てみると、その会場は2カ所だけで、あとは顔を出してお茶を飲んで挨拶するというようなことでこちらの受け止めとは違っていました。
高石ともやさんがインフルエンザで合流できないかったということもあるのかもしれませんが、山形の名も知らぬ和尚が来るからといって人が集まるわけではなかったのです。親方の思惑通りにはいかなかったということです。
そういうことであるならばと、雪と格闘する家族のことも心配ですから予定を切り上げて10日に帰らせてもらうことになったのでした。
猿ならば何も言わずに親方の言うとおりに与えられた場所で無心に務めるのだと思いますが、豚は、実は人間ですが、なかなか無心になれませんでした。

しかし、たくさんの出会いをいただきました。
シャンティの元スタッフが川上村という山奥に家族とともに住んでいて訪ねました。
廃校になった小学校が研修交流施設になっていて、そこの管理運営を担っているのですが、床が抜けるほど老朽化していて使える状態ではありません。
敷地内にあるコンテナハウスに泊めてもらいました。電気はあるものの水は沢水で手製の薪ストーブで暖をとり煮炊きをするという、テレビもない北の国からのような生活でした。
そのためでしょう、3人の子どもたちは昭和の田舎の子そのもので、懐かしく眺めていました。
ただ、この子たちが外の社会と接したときに、そのギャップに苦しまないかと心配をしながら別れてきました。

周防大島は民俗学者宮本常一の故郷で、その記念館を訪ね詳しい話を聞くことができました。日本全国を歩きながら人々の暮らしを克明に記録した足跡は知れば知るほどワクワクしてきます。
実は猿回しの親方村崎修二さんは、この宮本常一先生に見出されて本仕込の猿回しを復活させた、いわば親方の人生を変えたその人だったのです。
その晩は、岩国の「山賊」というとても有名な店、店というかアミューズメントパークのような場所に連れて行っていただき、親方につながる人たちと引き合わせていただきました。
錦帯橋の平成の架け替えを担った海老崎棟梁もいらして、時間を忘れて楽しく話をしました。その道を究めた人の話はとても引き込まれ勉強になります。
大島の久屋寺様では、涅槃会の法要に合わせてお話をさせていただきました。話を聴かれたお檀家の方からお土産に大きな晩白柚を頂戴しました。大島はみかんの島なのです。
そして昨日は、玖珂町の祥雲寺様でお話をしました。
檀家はたったの1軒。そして12年前にこのお堂を再建したのが錦帯橋を手掛けた海老崎棟梁だったのです。400万円の赤字を被ったと棟梁は笑っていました。
旧本堂は屋根が崩れるほどに老朽化していましたが、800年前の本尊薬師如来や千手観音など文化財の仏像が残されていて、それを何とか伝えていかなければならないと、たった1軒の檀家が立ち上がったのでした。
その夢に意気投合した棟梁と、地域の人々の願いのこもったたお堂でお話しさせていただいたことは何とも得難いご縁でした。
一昨日は、地域の小学3年生90名が寺を訪ねてきて、お檀家の尾崎さんとその仲間たちが、寺の仏像や宝物について丁寧に説明されていました。
地域の宝を後世に伝えていきたいという願いなのだと思いました。

今日の午前中、小学5年生の時からこの寺に出入りして、独学でお経を読むようになった高校生と会うことになっています。とてもお寺が好きなようです。どんな青年なのか、どんな話になるのか、楽しみです。


今週はここまで。また来週お訪ねください。




サンサンラジオ196 ウイルス対策

2019年02月03日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第196回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

2月3日、日曜日。

早や2月です。
1月は、全豪オープンテニスがあり、大相撲があり、そしてサッカーアジアカップがありと、十分楽しませていただきました。
結果、大坂なおみは素晴らしかったですし、大相撲は寂しいことが続きました。サッカーは最後残念な結果となりました。
みんなそれぞれ力を出し切っているのでしょうが、それで同じ結果になるとは限りません。結果よりもその頑張りを称えたいと思います。
華々しい世界の陰で雪かきに苦労していました。
本堂、庫裡の周りと、落ちないところの屋根の雪を下すのに、スコップとスノーダンプと除雪機を駆使して何とか片づけました。出かける用事があるのです。
その代償として肩、腕の疲労が溜まっています。湿布薬をベタベタ貼って過ごしています。
普段、筋肉を使わないので労働に耐えられないのだと思います。

2月に入った途端、怒涛のような用事が入っています。
1日には山形でお寺さんの祝賀会があり、昨日は河北町の酒蔵の蔵開きに行ってきました。
そして、明日から山口県です。
特派布教ではないのですが、毎年山形に来ている岩国の猿回し猿舞座の親方から呼ばれて、山口県内7か所ほど回ってお話をする予定です。
猿回しの親方が猿を回すのは知っていましたが、豚も回すんだと知ったところです。
フォークシンガーの高石ともやさんも合流して一緒に回るような話です。人も回すんだ。
果たしてどんなことになるのやら。
12日に帰ってからも用事は続いています。
普段2月は冬籠りなのに、今年は早くから働かされる感じです。

世間はインフルエンザの感染が広まっているようで、その対策が叫ばれています。
ところが我が家ではパソコンのウィルス感染で、その対策に追われています。
「win tonic」という名前で、ウィルスの検索を促す画面が現れ、「感染しています。今すぐ除去してください」というメッセージに従って進むとソフトの購入を迫るという手口。
購入しなければそれまでですが、一度ウィルス検索をすると何度もしつこく警告をしてくるのでついつい不安になって購入させられるというやり方のようです。私も引っかかってしまいました。
ソフトをアンインストールしないと繰り返し警告してくるので、ネットで方法を調べてアンインストールする必要があります。
ま、結果的に我が家はウィルスに感染していなかったので良かったですが、新手の詐欺まがいの押し売りなので皆様も気をつけてください。
今の世の中、便利なものにつけ込む悪知恵を働かせる人が出てきます。
便利なものも使いこなし次第ということもあるかもしれませんが、悪徳人はそれ以上の悪知恵でだまそうとするので、なかなか追いつかないように思います。
ついこの前までのように、自分の足で歩き、顔を合わせて口で話し、手紙のやり取りでコミュニケーションをとっていた時の方がずっと安全であったと思うこの頃です。
ネット決済だとかスマホ支払いなども、自分も使ってますが、きっとだまされる手口の要素を含んでいる感じがしますし、便利イコール危険を覚悟しておかなければならないのかもしれません。
出会いをネットに求めるのも危険ですね。ただ、パソコン、スマホが当たり前の時代、今後はそれらを使わないことが非常識になった場合、元には戻れないことで増える危険性はどうやって回避していくのか、これからの人たちに委ねる以外にありません。
もしかしたら将来、便利さへの反発で不便に価値を見出すこともあるのではないかと思ったりします。
不便からは智慧が生まれますし、苦労の先の達成感、喜びもあるように思います。また、一つ一つの出会いを大切にする温かさもありますね。
都会から田舎生活を求めてやってくる人たちは、それを知っているのかもしれません。
そのあたりがテーマの『おだやかな革命』の上映会を最上町で行います。詳細については次回にもお知らせしましょう。

さて、明日から山口。人との出会いは何よりも価値あるものと思います。どんな出会いがありますか。



今週はここまで。また来週お立ち寄りください。