三ちゃんのサンデーサンサンラジオ。第320回。6月27日、日曜日。
6月も、早や過ぎようとしています、
オリンピックの1か月前だということで騒がしくなっていますが、競技で戦う前にコロナと戦っています。
この戦いはいつまで続くのか。戦って勝てるのかどうか。
スポーツが楽しめるのは、社会の安定というフィールドの上だということが分かります。
去年今年と、こんなに体温を測ったことはありませんでしたね。
これまで体温計を手にしたのは風邪をひいた時ぐらいで、年に一度あるかないか。
それが、どこに行っても体温体温。
自分の体温が常時こんな温度なんだと知らされもしました。
しかし、体温というのは不思議だと思いませんか。
日本の外気温は寒いところではマイナス20度ぐらい、暑いときにはプラス40度にもなります。
その差は何と60度!
なのに、体温は常に1度ぐらいの間に安定して、37℃を超えると今など危険物のように見られたりします。
もちろん、衣類やエアコンなどで調整しているのですが、そればかりでなく、寒いときは震えたり暑いときは汗をかいたりして、身体自身も一定させようとしてくれているでしょう。
仏教では、物質を構成する要素として「四大」という考え方をしています。
つまり、全ての物質は、地、水、火、風の4つ要素の和合によって成り立っているという考え方です。
「地」とは、まさに大地のこと。また固形物などを指します。
「水」は、海水からはじまり液体全般を指します。
一つ飛ばして「風」は、空気などの気体。
そして「火」が、火そのものの他に気温などの「熱」を指します。
地球上に生命が存在するのは、水が氷でもなく蒸発もしないで水として存在するからで、それは、太陽からの絶妙な距離によって、また温室効果などにより、ある一定の気温に保たれているからです。まさに奇跡の星です。
これを人間の体に当てはめると、
「地」は骨や肉などの骨格を指し、「水」は血液や体液など流動するもの、「風」は呼吸、「火」は体温となります。
この4つの要素が仮に和合して命は存在するということで、「四大仮和合(しだいけわごう)」と呼びます。
なので、お寺の社会では病気のことを「四大不調」、亡くなることを「四大遠離(おんり)」と言ったりします。
縁があって四大は和合したのであり、縁が去れば四大は霧散、遠離するという考え方です。
この存在は、固体としてここに在るのではなく「縁」そのものの姿だというのです。
ミツバチは天敵のオオスズメバチを倒すのに、大勢のミツバチで囲んで蜂球の中に閉じ込め、身体を震わせて熱を出し、その熱でオオスズメバチを殺してしまうという手を使うことを映像で見ました。熱は武器にもなるのですね。
確かに、人間が50℃以上のところに長時間放置されれば死んでしまうでしょう。温度調節にも限界があります。
地球の温度が上昇しています。
1880年から2012年の間に、平均気温が0.85℃上昇しました。
わずかそれだけと言うかもしれませんが、人間の体温と同じで微妙なバランスによって維持されている生態系です。
1℃上がることは微熱ではありますが、人間だって1℃上がれば不調だと言われるでしょう。今のうちに解熱しないと高熱になって大変なことになってしまいます。
布団の中に寝ていると、自分の体温で体が温まります。自分の熱が自分を温めているんですね。ぬくぬくと気持ちがいいです。
暑くなると布団を剥いだり足を出したり、知らぬ間に温度調節をしています。
自分の熱は自分をも温めますが、近づけば他の人をも温めます。
子どもの頃、寒いときにおしくらまんじゅうをして温まった記憶が思い出されます。
岩手黒石寺の蘇民祭は、旧正月に下帯一つの男たちが蘇民袋を奪い合う奇祭で、氷点下の中で湯気が上るほどの熱気に包まれます。蜂球ならぬ人球です。
密を避けて冷え切っている人がたくさんいると思われます。
一人よりも誰かそばにいれば温まるでしょう。
背中合わせでもいいので、そばにいて温め合える社会が来ることを願います。
冷え切ってしまわないうちに。
今週はここまで。また来週お立ち寄りください。
6月も、早や過ぎようとしています、
オリンピックの1か月前だということで騒がしくなっていますが、競技で戦う前にコロナと戦っています。
この戦いはいつまで続くのか。戦って勝てるのかどうか。
スポーツが楽しめるのは、社会の安定というフィールドの上だということが分かります。
去年今年と、こんなに体温を測ったことはありませんでしたね。
これまで体温計を手にしたのは風邪をひいた時ぐらいで、年に一度あるかないか。
それが、どこに行っても体温体温。
自分の体温が常時こんな温度なんだと知らされもしました。
しかし、体温というのは不思議だと思いませんか。
日本の外気温は寒いところではマイナス20度ぐらい、暑いときにはプラス40度にもなります。
その差は何と60度!
なのに、体温は常に1度ぐらいの間に安定して、37℃を超えると今など危険物のように見られたりします。
もちろん、衣類やエアコンなどで調整しているのですが、そればかりでなく、寒いときは震えたり暑いときは汗をかいたりして、身体自身も一定させようとしてくれているでしょう。
仏教では、物質を構成する要素として「四大」という考え方をしています。
つまり、全ての物質は、地、水、火、風の4つ要素の和合によって成り立っているという考え方です。
「地」とは、まさに大地のこと。また固形物などを指します。
「水」は、海水からはじまり液体全般を指します。
一つ飛ばして「風」は、空気などの気体。
そして「火」が、火そのものの他に気温などの「熱」を指します。
地球上に生命が存在するのは、水が氷でもなく蒸発もしないで水として存在するからで、それは、太陽からの絶妙な距離によって、また温室効果などにより、ある一定の気温に保たれているからです。まさに奇跡の星です。
これを人間の体に当てはめると、
「地」は骨や肉などの骨格を指し、「水」は血液や体液など流動するもの、「風」は呼吸、「火」は体温となります。
この4つの要素が仮に和合して命は存在するということで、「四大仮和合(しだいけわごう)」と呼びます。
なので、お寺の社会では病気のことを「四大不調」、亡くなることを「四大遠離(おんり)」と言ったりします。
縁があって四大は和合したのであり、縁が去れば四大は霧散、遠離するという考え方です。
この存在は、固体としてここに在るのではなく「縁」そのものの姿だというのです。
ミツバチは天敵のオオスズメバチを倒すのに、大勢のミツバチで囲んで蜂球の中に閉じ込め、身体を震わせて熱を出し、その熱でオオスズメバチを殺してしまうという手を使うことを映像で見ました。熱は武器にもなるのですね。
確かに、人間が50℃以上のところに長時間放置されれば死んでしまうでしょう。温度調節にも限界があります。
地球の温度が上昇しています。
1880年から2012年の間に、平均気温が0.85℃上昇しました。
わずかそれだけと言うかもしれませんが、人間の体温と同じで微妙なバランスによって維持されている生態系です。
1℃上がることは微熱ではありますが、人間だって1℃上がれば不調だと言われるでしょう。今のうちに解熱しないと高熱になって大変なことになってしまいます。
布団の中に寝ていると、自分の体温で体が温まります。自分の熱が自分を温めているんですね。ぬくぬくと気持ちがいいです。
暑くなると布団を剥いだり足を出したり、知らぬ間に温度調節をしています。
自分の熱は自分をも温めますが、近づけば他の人をも温めます。
子どもの頃、寒いときにおしくらまんじゅうをして温まった記憶が思い出されます。
岩手黒石寺の蘇民祭は、旧正月に下帯一つの男たちが蘇民袋を奪い合う奇祭で、氷点下の中で湯気が上るほどの熱気に包まれます。蜂球ならぬ人球です。
密を避けて冷え切っている人がたくさんいると思われます。
一人よりも誰かそばにいれば温まるでしょう。
背中合わせでもいいので、そばにいて温め合える社会が来ることを願います。
冷え切ってしまわないうちに。
今週はここまで。また来週お立ち寄りください。