昨夜の続きです。
昨年のことですが、参議院選挙のどさくさにまぎれて国会での議論がほとんどないまま地方自治法が改正されました。
昨年8月7日に民主党、自民党、公明党、生活の6名の議員が突如共同提出したもので、その3日後の10日に衆議院を通過してしまうという駆け込みぶりです。
しかもこの改正は一見すると「政務調査費」を「政務活動費」と名称を改めるものですが、実際は名称だけでなくその使途を拡大する意図を持っての改正だったのです。
この背景としてあったのが全国各地で相次いだ住民訴訟です。
全国各地の市民オンブズマンが議員の政務調査費の使途を調べ上げ、「議員の調査研究に資する」支出か否かを吟味し、要請陳情活動費などの目的外支出分の返還を勝ち取っていたからです。デジカメやパソコンなど政務調査活動以外に使う可能性のあったものについては、按分での返還を勝ち取るなど議員に厳しい判決が相次ぎ、額も1000万円を超える勝訴例も多くなって、地方議員からは改正の要望があったためのどさくさまぎれ改正といわれているものです。
結局、地方自治法においては政務活動費交付の目的に政務調査費のときにはなかった「その他の活動」の6文字が付加されてしまいました。その他の活動と言ってしまったら事実上無制限のようなものです。
ただし、地方自治法の改正を受けても各議員の政務活動費の使途が直ちに無制限に拡大されるというわけではありません。各地方自治体が条例を改正して具体的に使途拡大の範囲を定めてはじめて使途拡大が有効となるからです。
そこで、全国議会長は使途拡大のモデル条例案を作ったわけですが、これには従来の政務調査費の使途に該当しなかった次の3点が付加されてしまいました。
1「議員が行う研修会、講演会等の実施」
2「要請陳情活動、住民相談等の活動」
3「住民相談会、各種会議への参加」
これらは本来、政治家としての議員活動として報酬でまかなうべきもので、審議能力の強化のための調査研究費用として政務調査費が創設されたという当初の趣獅ゥらは大きくかけ離れたものです。
中には函館市議会のように、従来は調査研究に必要な資料の購入や研修会参加費などに限られていたにもかかわらず、陳情・要望活動に伴う旅費や新年会経費などの会議費にも使えるように対象を拡大しては市民理解が得られないとして、市民や団体との意見交換の会議に限定したりする良心的議会もありますが、大方の実態としては横並びの自治なし体質から多くの地方議会はモデル案のとおりの改正をしてしまいました。
そこで本県はどうかというところですが、もちろんモデル案どおりの拡大をしてしまいました。
しかも県民の知らないうちに行われたのです。
この画像は全国市民オンブズマン連絡会作成の調査集計ですが、静岡県は県民への告知、パブリックコメントはもちろんのこと、審議の傍聴・中継や議事録の公開すらないままで、お手盛り条例改正を是としたということです。
もっとも、静岡県(議会事務局)においては、「経費の範囲は全国議長会が提示したものと同様である。今回の改正は経費の範囲を明確にするために表現を整理したものであり、対象となる範囲は政務調査費と変わらないと考える」などと、詭弁というよりも無知をさらけ出すかのような回答をしており、法令の読解力というか国語力に大いに疑問符がつきました。
知事は静岡県が全国学力調査の小学6年の結果で国語Aが最下位だったことに立腹しているようですが、まずは自身の所管する行政機関の国語力から正すべきでしょう。
特に十分チェックを経ているはずの記者提供資料の表記の乱れはひどいものです。
よく出てくる「問い合わせ先」の表記がばらばらで、同じ県の文書でありながら「問合せ先」や「問い合せ先」や「問合わせ先」と多様、こどもにどれが正しいかと聞かれてどう答えるつもりなのでしょう。さらに相変わらず常用漢字音訓外の「概ね」を多用する例も変わらないし、先日は何人もの幹部が目を通したはずの事務所の広報誌(9月号)に「土砂災害の被害が多く発生しています」との記載があり、「頭痛の痛みがひどい」並みにおかしい日本語がまかり通る現実に唖然としたところです。
脱線しそうなので話を元に戻しますが、政務活動費。
静岡県の議員一人当たりの政務活動費の交付額は540万円にも及びます。もちろん、議員としての報酬とは別にです。
その使途が拡大されたわけですから、まさに第二の報酬と化したというべきでしょう。
であれば、それにふさわしい活動を、その費用を負担している県民のための活動を、是非していただきたいものです。
昨年といえば、国民には消費税の増税を決めながら、その影で使途拡大というお手盛りを図ったわけですから、当然の責務です。
明日は、原発の情報公開にも影響を及ぼす懸念のある「特定秘密の保護に関する法律」(秘密保護法又は秘密保全法と呼ばれるもの)案についての大会報告をお伝えします。
<おまけ:京都 青蓮院にて>
昨年のことですが、参議院選挙のどさくさにまぎれて国会での議論がほとんどないまま地方自治法が改正されました。
昨年8月7日に民主党、自民党、公明党、生活の6名の議員が突如共同提出したもので、その3日後の10日に衆議院を通過してしまうという駆け込みぶりです。
しかもこの改正は一見すると「政務調査費」を「政務活動費」と名称を改めるものですが、実際は名称だけでなくその使途を拡大する意図を持っての改正だったのです。
この背景としてあったのが全国各地で相次いだ住民訴訟です。
全国各地の市民オンブズマンが議員の政務調査費の使途を調べ上げ、「議員の調査研究に資する」支出か否かを吟味し、要請陳情活動費などの目的外支出分の返還を勝ち取っていたからです。デジカメやパソコンなど政務調査活動以外に使う可能性のあったものについては、按分での返還を勝ち取るなど議員に厳しい判決が相次ぎ、額も1000万円を超える勝訴例も多くなって、地方議員からは改正の要望があったためのどさくさまぎれ改正といわれているものです。
結局、地方自治法においては政務活動費交付の目的に政務調査費のときにはなかった「その他の活動」の6文字が付加されてしまいました。その他の活動と言ってしまったら事実上無制限のようなものです。
ただし、地方自治法の改正を受けても各議員の政務活動費の使途が直ちに無制限に拡大されるというわけではありません。各地方自治体が条例を改正して具体的に使途拡大の範囲を定めてはじめて使途拡大が有効となるからです。
そこで、全国議会長は使途拡大のモデル条例案を作ったわけですが、これには従来の政務調査費の使途に該当しなかった次の3点が付加されてしまいました。
1「議員が行う研修会、講演会等の実施」
2「要請陳情活動、住民相談等の活動」
3「住民相談会、各種会議への参加」
これらは本来、政治家としての議員活動として報酬でまかなうべきもので、審議能力の強化のための調査研究費用として政務調査費が創設されたという当初の趣獅ゥらは大きくかけ離れたものです。
中には函館市議会のように、従来は調査研究に必要な資料の購入や研修会参加費などに限られていたにもかかわらず、陳情・要望活動に伴う旅費や新年会経費などの会議費にも使えるように対象を拡大しては市民理解が得られないとして、市民や団体との意見交換の会議に限定したりする良心的議会もありますが、大方の実態としては横並びの自治なし体質から多くの地方議会はモデル案のとおりの改正をしてしまいました。
そこで本県はどうかというところですが、もちろんモデル案どおりの拡大をしてしまいました。
しかも県民の知らないうちに行われたのです。
この画像は全国市民オンブズマン連絡会作成の調査集計ですが、静岡県は県民への告知、パブリックコメントはもちろんのこと、審議の傍聴・中継や議事録の公開すらないままで、お手盛り条例改正を是としたということです。
もっとも、静岡県(議会事務局)においては、「経費の範囲は全国議長会が提示したものと同様である。今回の改正は経費の範囲を明確にするために表現を整理したものであり、対象となる範囲は政務調査費と変わらないと考える」などと、詭弁というよりも無知をさらけ出すかのような回答をしており、法令の読解力というか国語力に大いに疑問符がつきました。
知事は静岡県が全国学力調査の小学6年の結果で国語Aが最下位だったことに立腹しているようですが、まずは自身の所管する行政機関の国語力から正すべきでしょう。
特に十分チェックを経ているはずの記者提供資料の表記の乱れはひどいものです。
よく出てくる「問い合わせ先」の表記がばらばらで、同じ県の文書でありながら「問合せ先」や「問い合せ先」や「問合わせ先」と多様、こどもにどれが正しいかと聞かれてどう答えるつもりなのでしょう。さらに相変わらず常用漢字音訓外の「概ね」を多用する例も変わらないし、先日は何人もの幹部が目を通したはずの事務所の広報誌(9月号)に「土砂災害の被害が多く発生しています」との記載があり、「頭痛の痛みがひどい」並みにおかしい日本語がまかり通る現実に唖然としたところです。
脱線しそうなので話を元に戻しますが、政務活動費。
静岡県の議員一人当たりの政務活動費の交付額は540万円にも及びます。もちろん、議員としての報酬とは別にです。
その使途が拡大されたわけですから、まさに第二の報酬と化したというべきでしょう。
であれば、それにふさわしい活動を、その費用を負担している県民のための活動を、是非していただきたいものです。
昨年といえば、国民には消費税の増税を決めながら、その影で使途拡大というお手盛りを図ったわけですから、当然の責務です。
明日は、原発の情報公開にも影響を及ぼす懸念のある「特定秘密の保護に関する法律」(秘密保護法又は秘密保全法と呼ばれるもの)案についての大会報告をお伝えします。
<おまけ:京都 青蓮院にて>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます