業績が思わしくなくなると真っ先に削減されるのが、
いわゆる“5K”、交際費、広告宣伝費、交通費、研究開発費、教育研修費の5つ。
あのリーマンショック後の多くの企業が、まさにそれでした。
業績が苦しい時に、どのコストから手をつけるか、そこに経営者の思想が端的に現れる。
中国の故事にある。
1年単位でものを考えるならば、穀を植えよ。
10年単位で考えるならば、木を植えよ。
100年単位で考えるならば、人を育てよ。
たとえ業績不振であっても、教育研修費だけはカットはしないと宣言している経営者の話を聞くと、
おそらくこの会社は、優れた経営者の下で優れた人材が育っているに違いないと、私は考える。
日本の過去の歴史を見ても、
優れた経営者は、間違っても人を道具として扱ったりはしない。
人は貴重な資産、人材育成は将来への投資、
教育研究費はコストではなく、まさに投資とみなすことが肝要ではないだろうか。
企業の1年先を診るには資金繰りを・・
3年先の姿を診るには扱い商品を・・
5年先の姿を診るには人材育成を・・
リーマンショック時、教育研修費を削って急場をしのいだ企業のその後の経営状態を見るにつけ、
人は貴重な財産、人材育成は将来への投資との想いを強くする。