Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

ポテトサラダをもりもり朝食

2011-04-20 12:29:06 | 
手作りのポテトサラダを作って朝食に添える。
伊勢原駅前の古色を漂わす和菓子店「亀盛堂」 ここはなぜか和菓子が本流なのだが、フランスパンがとても美味い。
量販店だったら横浜界隈の「ベルベ」「ポンパドール」などのバケットも昔から馴染んでいる好きな味だが、こちらのパンはとても香ばしい味がする。
このバケットは230円と安いせいか売り切れも早い。
たまたまあと2本だけ残っている時間に遭遇できてこの二日間の朝飯はバケット変奏曲みたいになって、パンを固い状態にさせて残さないよう単身生活なりの経済的工夫もする。

珍しく食欲が湧いたせいか、副菜を奢ることに。
丸ごとトマトを湯むきしたもの。これを大胆に輪切りしただけで軟弱な葉っぱ類は混ぜない。
ショルダー・ベーコンと玉子焼き、これだけでも朝は十分なボリウムながら自作の夕べ作りおきしたポテトサラダが追い討ちをかける。
スライス玉葱、胡瓜、ジャガイモの丸茹で、パストラミハム、構成でなにか足りない色があると引っかかっていたら人参を忘れてしまったことにあとで気がつくという素人料理だ。
しかし新聞記事にあったマヨネーズだけで和える前の隠し味ソースのアドバイスが今回の一工夫!
ワインビネガーに胡椒などをふりまいたソースを具材をこねる前に注いでみた。
味わいに深みが増すということだったが、自分は添加ソースのないマヨネーズだけの古典風ポテトサラダ好みというのが、食べてからの結論だ。

バケット、ミルクコーヒー、トマトとポテトサラダを腹いっぱい食べたら、明日はいつものお茶漬け定番に戻ってみたくなった。

絵葉書の味わい

2011-04-19 10:13:29 | その他
鹿児島の友人から珍しく絵葉書が舞いこんできた。
この友人は自分よりも少し年長でネット適応はやや遅れ気味だ。
そのため自分がなにかのついでに入手された古今東西の気が利いた古典作に思いを込めた絵葉書を送ってくる。

最近は音信がやや途絶え気味だったが、この人が送ってきた絵葉書はネットメールと違ってすぐに削除したりする気にならない。
絵柄にいいものが多いからだろうといつも思っている。

インターネットメールが常識という時代にアナクロといってはいけない。届くまでの冗長なる間合いを味わえる時代ではないが、絵柄を見立てる、そして50円切手を貼る、近況の瑣事や懸念について端的に綴るインク文字の書面、こうした段取りがもっている時間はやはり個人のインティミテーというものの温かな波動が伝わってくる。

今回は東日本震災後の様子を案じる書面を象徴するようなダリの「三角形の時間」という1933年の油彩画を選んでいる。昭和の年号で云えば昭和8年。
欧州ではファッシズム、日本では天皇制ファッシズムが大手をふるって戦争と終末への予感が高まっている時期の傑作だ。
無人の荒野の岩肌に飾ってある変形した時計、黄色に棚引く雲塊はまるで原子戦争後の地球を予兆したようなダリの作風である。

天災の本場、西南九州も新燃岳噴火、桜島噴火と杞憂の種はなくならないが、ダリの画が「現実味を帯びてきませんように。。」と友人からの文面は結んでいる。

花吹雪

2011-04-14 22:42:26 | 自然
東村山市にある「多摩全生園」の園内を初めて訪れた。
昔、読んだ北条民雄の「いのちの初夜」で知っていたハンセン病患者の療養施設だが、この園内は一般開放されていて広い敷地は素晴らしい緑地公園にもなっている。差別と隔離に苦しんだハンセン病患者も今はこの園内のいかにも昭和の香りがする質素な木造平屋の戸建寮に住んで静かな余生を送られているらしい。

患者数も少なく高齢化が進んでいるせいか、「有明」「紅葉」「三春」「日向」などの名称がついている古い寮舎は空き室もかなり目立っている。
たまに体の寸が相当に縮小された老患者さんと思われる人が住まいの前で鉢の土を均したり、庭木を手入れする風景も散見する。
苦労されてきたこの見知らぬ老人が平穏な余生をまっとうして欲しいという祈りにも似た感情が流れる。

古い病棟、各宗教の祈祷所、農園、患者集会室等の往時を偲ぶ施設を横目に見ながら、資料館に近い桜の森といってよい広場でしばしの花見を楽しむ。
散り際に近い花の吹雪を浴びながら、菜の花、欅の青葉が競演する光景!
思わぬ桃源郷に出くわす稀少なる一日になった。

山肌

2011-04-12 16:23:01 | 自然
すぐ隣といってよい近距離の白髯神社を囲むように咲く大木の桜もそろそろ散り始めている。
今朝も神社の月桂樹の葉を眺めに行ったが、小道の路傍を埋める花びらがはらはらと舞っている様子がいかにも「はるの別れ」といった情趣を醸しだしている。

日向付近は神奈川でもかなり稀少な里山が保存されていて、その有難さを実感する季節が桜から紫陽花へと季節が動いているいま時分の野山がもたらす色の諧調である。
以前に住まいがあった横浜にも自然散策路を整備した「三保市民の森」があったが、戦後植えた杉やヒノキのような針葉樹が暗く覆いかぶさって、なぜか心の風が立っていかない林相がいかにも残念だった。

大山の東には日向薬師から七沢にかけて、針葉樹も多いけど雑木林の広葉樹がこれまた柔らかい風景の資源を形づくっている。
神社の脇道から仰ぐ写真ショットの遠近は日向らしい風景の得がたい平凡の稀少性を物語っている。

樫、クヌギ、楢、ブナ、様々な樹木が一斉に芽吹いてくると茶褐色でモノトーンな山肌が薄紅や萌黄へと変化する。
山肌が躍動する前の微細なる序章めいたこの季節は何度味わっても尽きることがない地味な喜びの一つである。

贅沢花日和

2011-04-11 11:20:22 | 自然
花曇りの一日、花の行脚を楽しもうとクルマで七沢温泉、大磯の田園部、小田原城山、南足柄広域農道、大雄山の山門付近を巡ってみた。ほぼ半日の行程也。
神奈川西部に隠遁する幸せを感じる春日和を満喫!

七沢は「玉川館」のソメイヨシノ、中屋旅館の際に咲く深山躑躅がすでに満開、小さな渓流の玉川に枝を垂らす山桜の類もさりげなく美しい。

小田原城山は競技場のトラックを囲むソメイヨシノが満開!公園は俗流花見集団の喧騒に覆われ鼻白む思いが。
坂道の放置された斜面に咲く「野茨」「うらしま草」「すみれ」のちいさな草花が春の音符の連奏を綴っているのが救いの光景。

大雄山の仁王門付近の枝垂れ桜を眺める途中で寄った足柄の古刹「総世寺」を囲むソメイヨシノ、枝垂れ桜、木蓮の静かなる競演に驚愕する。
箱根外輪山の明神、金時の東斜面に位置する久野、塚原の山里がもたらす春の息吹をたっぷりとチャージする。

「総世寺」の県道沿いの旧家の無人売店で即決した200円の白い「花桃」の枝。
これは本日の圧巻、昔、慈悲価格で購入した黒田千里さんの丹波風焼〆壷のお出ましだ。
壷も待っていて花も待っていたという僥倖なる春の宵が流れ出す。